「Deep Ones(深きものども)」の血を引く者たちに支配される、クトゥルフ崇拝者の住まう地。頽廃と堕落の中で、ほろびゆく港町を覆う邪悪な影。」
マサチューセッツ州エセックス郡のInnsmouth(インスマス)は、マニューゼット河の河口にある寂れた港町である。
鉄道が通っておらず、Arkham(アーカム)とニューベリーポート間を結ぶバスだけが、唯一の交通手段を提供している。
鉄道が通っておらず、Arkham(アーカム)とニューベリーポート間を結ぶバスだけが、唯一の交通手段を提供している。
1643年に建設され、独立戦争以前には造船業が盛んだった。19世紀に入ると、中国やインドとの東洋貿易の港として繁栄する。
Innsmouth(インスマス)が転機を迎えたのは、町の有力な貿易商のひとりで、東インドや太平洋に船を出していたオーベット・マーシュ船長が、「Deep Ones(深きものども)」を崇拝する西インド諸島に位置するとある島の住民に接触したときだった。
安物のガラス細工などと引き換えに大量の金製品を持ち帰った船長は、マニューゼット河を動力とする金の精錬所を創業し、この地域の軽産業の中心地となった。
しかし、その繁栄の影で、1840年にはダゴン秘密教団が設立され、Innsmouth(インスマス)沖合いの悪魔の暗礁において、海底都市イハ=ントレイに住まう「Deep Ones(深きものども)」との直接取引きが始まっており、1846年には決定的な事件が起こっている。
しかし、その繁栄の影で、1840年にはダゴン秘密教団が設立され、Innsmouth(インスマス)沖合いの悪魔の暗礁において、海底都市イハ=ントレイに住まう「Deep Ones(深きものども)」との直接取引きが始まっており、1846年には決定的な事件が起こっている。
この年のある晩、「Deep Ones(深きものども)」がInnsmouth(インスマス)に大挙して上陸、反対派の住民を虐殺し、マーシュ船長一家と、彼らに従った高級船員たちに連なるウェイト家、ギルマン家、エリオット家、そしてフィリップ家の五名家を頂点とする邪神崇拝の拠点に町が変貌してしまったのであった。
1927年、ウィリアムズという青年から報告を受けた政府は、町に覆う影について憂慮し、翌年に海軍とFBIの共同作戦による一斉手入れが行なわれた。
このとき、数百体の「Deep Ones(深きものども)」が殺害されると共に、多くの信者が逮捕され、悪魔の暗礁も潜水艦の魚雷攻撃で破壊された。
このとき、数百体の「Deep Ones(深きものども)」が殺害されると共に、多くの信者が逮捕され、悪魔の暗礁も潜水艦の魚雷攻撃で破壊された。
ただ、噂によれば、難を逃れた有力な信者たちが、時期を置いてInnsmouth(インスマス)に舞い戻って、幾度となく教団の復活を試みているらしい。