嵐の中の荒野、掘立小屋の前、リアとケントと道化か登場。
ケントは、やっとの事でリアを小屋に入れるが、そこには姿を変え、乞食に身をやつし、狂気のふりをして追っ手から身を隠すグロスターの元嫡男エドガー(ここでは哀れなトムと名乗る)いた。
ケントは良かれと思ってした事だが、皮肉にもそれが結果として仇となってしまう。狂気のふりをしているエドガー(リアたちは、目の前いる乞食がエドガーとは気がつかず、真の狂人と思っている)とのやり取りで、本物の狂気になってしまったのだ。
彼は狂暴な感情から一転して子供のような無力者になってしまう。
彼は狂暴な感情から一転して子供のような無力者になってしまう。
エドガーの裸同然の姿を見たリアは、自身の余分な物を捨てようということで、着ていた衣服を剥ぎ取ってしまう。そして彼はエドガーを樽に住んでいたアテネの哲学者ディオゲネスであると考えた。
リアが真の狂気に取り付けれてしまっても、ケントと道化は彼に仕えることを止めはしなかった。
そこへリアを探しに来たグロスターがやって来る。思わず息子のエドガーと再会するのだが、グロスターは目の前の乞食が息子である事に気がつかない。
そこへリアを探しに来たグロスターがやって来る。思わず息子のエドガーと再会するのだが、グロスターは目の前の乞食が息子である事に気がつかない。
グロスターが漏らした言葉により、エドガーは父が騙されている事に気がつく。リアが狂気になったのを見て驚愕したグロスターが述べた言葉がそれである。
この瞬間から、父に対するエドガーの怒りが憐れみに変わる。
'I am almost mad myself: I had a son, Now outlawed from my biood; he sought my life, But lately, very late: I loved him, friend; No father his son dearer: truth to tell thee, The grief hath crazed my wits.' (わたしこそ気が狂いそうだ。わたしにも倅が一人いた。 それをわたしは勘当してしまった、ついこの間の、 ごく最近、この親の命を狙ったためだ。 わたしはあれを可愛がってきた、どの親も息子をわたしほど 大事にしてきたとは思われぬほどに、真の話、その悲しみが わたしの気を狂わせるのだ)
この瞬間から、父に対するエドガーの怒りが憐れみに変わる。
しかし、この間にもエドマンドは悪事を行なうことを休んでいなかった。三幕三場で父親がフランス軍侵入のことを漏らしたことを利用し、今度はグロスター伯爵になろうと企てる。
と、冷然として言った。
'The younger rises when the old doth fall.' (若い者が出世する時は、年寄りが倒れる時さ)
と、冷然として言った。