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『とある化学(分子美食学)の調理法(レシピ)』Vol2.2a

2012-01-25 02:44:11 | とある化学
二章:Late-night Confusion ! Ⅰa《深夜の混乱! 1a》


 「新しい料理の発見は、新しい星の発見よりも人類を幸福にする」--ジャン・アンテルム・ブリア=サヴァラン




 木山 春生がビーカーのラーメンを食べていた頃、常盤台中学寮の一室で、御坂 美琴が目を覚ました。


「ふあ~~ぁ…… 、あれ? あたし服のまま寝ちゃったんだ。ふあ~ぁ…… しっかし、今日は疲れた……」



 この日は、美琴にとって忙しい一日だった――


 それは白井 黒子、佐天 涙子、初春 飾利といった、いつもの仲良し四人組でファミレスに集まったことから始まる。


「これは先輩の友達の彼氏さんが、実際に遭遇したっていう話です……」


 涙子の語りで、都市伝説『脱ぎ女』の怪談話をしていた。


「あるむし暑い日の夜、その彼氏さんが、人気のない公園を通りかかったときのこと、一人たたずんでいた女の人に、駅まで道を聞かれたんです」


 四人は窓際のボックス席に陣取って、雰囲気を出すために、大きな黒い布をかぶっていた。


「その彼氏さんが、こころよく道順を説明していると…… どこか虚ろな女の人が…… ふあ~と、手を上げて…… 」


 涙子は、怪談話をダウンロードさせたケイタイ画面を見ながら話す。


「突然! ガバーッと!! 」


「ごっくん……」


「はっ!」


 初春は生唾を飲みこみ、黒子は息を飲む。美琴は、涙子の言葉を弱々しく重ねた。


「ガバーッ…… と……」


 そして三人を見渡しながら、涙子は続ける。


「ブラウスを脱いだんです……」



「『……って、まったくぜんぜん怖くないじゃん!』 ……って思ったんだけど、まさか本当いたなんてねぇ……」


 美琴は、制服からパジャマへ着替えつつ、涙子の話を振り返っていた。








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