『クレイ』、デイヴィッド アーモンド著、金原 瑞人訳、河出書房新社
<あらすじ>
主人公のデイヴィの住む町フェリング。ここには、親友のジョーディと敵対する少年たちのリーダー・モウルディが住んでいる。
モウルディは3歳も年上で、体もでかく、酒を飲み乱暴な相手だ。
デイヴィは、過去にモウルディに手ひどく痛めつけられた経験から、彼を殺したいほど憎んでいた。
主人公のデイヴィの住む町フェリング。ここには、親友のジョーディと敵対する少年たちのリーダー・モウルディが住んでいる。
モウルディは3歳も年上で、体もでかく、酒を飲み乱暴な相手だ。
デイヴィは、過去にモウルディに手ひどく痛めつけられた経験から、彼を殺したいほど憎んでいた。
そんなある日、近所のクレイジー・メアリーの家にスティーヴンという少年がやってくる。
スティーヴンは、粘土細工が上手くて様々な動物や人形を作っていくだけでなく、命を吹き込むこともできるという。そんな不思議な魅力と邪悪さを持っていた。
スティーヴンは、粘土細工が上手くて様々な動物や人形を作っていくだけでなく、命を吹き込むこともできるという。そんな不思議な魅力と邪悪さを持っていた。
デイヴィは、スティーヴンのいうままに粘土の怪物(クレイ)に生命を与える儀式を手伝ってしまう。
その直後に憎んでいたけんか相手のモウルディが死んだと知って、とんでもない怪物をつくり出してしまったと気づくが…… 。
その直後に憎んでいたけんか相手のモウルディが死んだと知って、とんでもない怪物をつくり出してしまったと気づくが…… 。
<感想>
現代版『フランケンシュタイン』といった感じの作品で、死と狂気と暴力の物語をアーモンドらしく美しく響く情景で描いています。
現代版『フランケンシュタイン』といった感じの作品で、死と狂気と暴力の物語をアーモンドらしく美しく響く情景で描いています。
ここまでアーモンドの作品を読んできましたが、彼の作品に"はずれ”がありません。
作品を重ねるごとに、より重厚でパワフルさを感じてきていて、今作の『クレイ』は、死と狂気と暴力がぐっと浮かび上がってきます。
最たる箇所は、クレイに命が吹き込まれる場面ですが、いかにもアーモンドらしく詩的で美しい描写に仕上がっているのではないでしょうか。
作品を重ねるごとに、より重厚でパワフルさを感じてきていて、今作の『クレイ』は、死と狂気と暴力がぐっと浮かび上がってきます。
最たる箇所は、クレイに命が吹き込まれる場面ですが、いかにもアーモンドらしく詩的で美しい描写に仕上がっているのではないでしょうか。
ラストは『ヘヴンアイズ』や『火を喰う者たち』を髣髴させるような、心からの祈りが響いてくるような情景で締めくくられています。