・二幕二場
グロスター伯爵の居城の前、ケントとオズワルドが、ばったりと出会う。前場からの因縁で両者の対立は続いていた。
二人は取っ組み合いの喧嘩となってしまう。そこへコーンウォール公爵がやって来て、二人の間に割って入り、事の次第を問い詰める。
二人の殴り合いで最初に手を出したケントであることから、ケントはさらし台に掛けられることになった。
オズワルドは軽蔑すべき人物として描かれていて、ケントがリアの良心であるのに対し、オズワルドはゴネリルに対して悪心となっているのだ。
オズワルドは嘘つきであり、女主人の悪行を阻止しようとせずに、逆にそれを増長させる。ケントはオズワルドを評してこう言う。
オズワルドは嘘つきであり、女主人の悪行を阻止しようとせずに、逆にそれを増長させる。ケントはオズワルドを評してこう言う。
Conwall: Why art thou angry ? Kent: That such a slave as this should wear a sword, Who wears no honesty. Such smiling rogues as these, Like rats, oft bite the holy cords a-twain Which are too intrinse t' unloose; smooth every passion That in natures of their lords rebel; Bring oil to fire, snow to their colder moods; Renege, affirm, and turn their halcyon beaks With every gale and vary of their masters, Knowing nought, like dogs, but following. コーンウォール:なぜ怒っているのか? ケント:こんな下司下郎が剣をさげているからです。 こんな風にいつもニヤついている奴は、 どんなに解け難く絡み合った固い親子を繋ぐ神聖な絆を、 鼠のように二つに噛み切るのです。 主人の心に兆す欲望なら、何であろうと逆らわず、 火には油を注ぎ、冷たい気分には雪を被せ、 主人の風向き次第で、ぐるぐると嘴の向きを変える始末。 犬と同じで、何も知らずに、ただ、後をついて行くだけです。
二人の殴り合いで最初に手を出したケントであることから、ケントはさらし台に掛けられることになった。
ここで新たな事実について知ることになる。ケントがコーディリアと文通しているともらしたことである。
この事実は今後の展開の鍵となる。
・二幕三場
野原にてエドガーが登場。彼はグロスター家から出奔し、独り野原を彷徨っている。
エドマンドの計略に乗せられた形で、父グロスターから勘当され、追われる立場に成り下がった彼は、賎しい姿の乞食となり、気の狂った振りをして、追っ手から身をかわそうとしていた。
この時点でエドガーは、全てを失ってしまったのだ。これはケントの姿と符合し、リアの近い将来を暗示する。