「不幸な生い立ちであったが、一芸は身を助けるを実践したアプロディーテーの夫」
炎と鍛治の神であり、工芸を司るヘーパイストスはヘーラーの息子だ。ただしゼウスの子ではない。じゃあヘーラーが浮気をしたのか?
いや、いや、いや、そうではありません。ヘーラーはそんなことはしません。じゃあ、どうしたかって?
ゼウスの頭からアテーナーが産まれたと聞いたヘーラーは、悔しいさと怒りのあまり神々に誓いました。
「私も一人で子供を産んでみせます」(お~~~~い、違うでしょ。何か方向が違う気がするよ)
「私も一人で子供を産んでみせます」(お~~~~い、違うでしょ。何か方向が違う気がするよ)
大地母神ガイヤの協力でヘーラーが手に入れたのは秘密の妙薬。
「これがあれば、あなたも今すぐ妊婦になれます」と、書いてあったかは定かではないが、効果は抜群だった。
「これがあれば、あなたも今すぐ妊婦になれます」と、書いてあったかは定かではないが、効果は抜群だった。
そして産まれたのがヘーパイストスだった。しかし、不幸なことに五体満足じゃなかった。
かっとなったヘーラーは、ヘーパイストスをオリュムポス山から投げ捨ててしまった。(ヘーラクレースの時も、そうだったけどよくやるよ。幼児虐待だよ)
かっとなったヘーラーは、ヘーパイストスをオリュムポス山から投げ捨ててしまった。(ヘーラクレースの時も、そうだったけどよくやるよ。幼児虐待だよ)
この時のショックで両足を折ってしまったヘーパイストスは一生足が不自由な身体になってしまった。(これには諸説があるけどね)そして、文字通り捨てられてしまったのだ。(いわゆる育児放棄ですよ)
しかし、まさに捨てる神もあれば拾う神もありと、言うわけで、運よく海の女神・テティスに救われて彼女がヘーパイストスを育てたんだ。
ヘーパイストスは成長するに従い工芸に素晴らしい才能を発揮した。例えば、育ての母であるテティスの目を楽しませるために宝石に命を与え、海で泳がせた。これが熱帯魚のはじまり。(ええ話や…… )
ただ、それと同時に産みの母であるヘーラーに対するこだわりと、神として正当な扱いを望む思い抱いていて、先ず、ヘーラーに黄金の玉座をプレゼントし、母の心を開かせた。
実はこの玉座は座った者を、その手すりで締め上げるという仕掛け施されていて、そうとは知らずにうっかり座ったヘーラーは玉座に捕まり、ヘーパイストスをオリュムポスの神々の一員にするまで開放しなかった。(まあ、ささやかなる復讐でしょうか)
このお返しにヘーラーはヘーパイストスをアプロディーテーと結婚させ、妻の浮気によって彼を苦しめようとしたが、あまり成功しなかった。
なぜなら、基本的にアプロディーテーをこのなく愛していたので、妻の行いに寛容だったし(例外もある。前回の記事「アレース」を参照のこと)、彼自身シシリアのエトナ火山の鍛冶場に入り浸りだったので、ほとんど自宅(オリュムポス山)に帰ることがなかったからなのだ。