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「炎と鍛冶の神・ヘーパイストス」

2009-11-28 19:17:19 | ギリシャ神話

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「不幸な生い立ちであったが、一芸は身を助けるを実践したアプロディーテーの夫」


 炎と鍛治の神であり、工芸を司るヘーパイストスはヘーラーの息子だ。ただしゼウスの子ではない。じゃあヘーラーが浮気をしたのか? 


 いや、いや、いや、そうではありません。ヘーラーはそんなことはしません。じゃあ、どうしたかって?


 ゼウスの頭からアテーナーが産まれたと聞いたヘーラーは、悔しいさと怒りのあまり神々に誓いました。
 「私も一人で子供を産んでみせます」(お~~~~い、違うでしょ。何か方向が違う気がするよ)


 大地母神ガイヤの協力でヘーラーが手に入れたのは秘密の妙薬。
 「これがあれば、あなたも今すぐ妊婦になれます」と、書いてあったかは定かではないが、効果は抜群だった。


 そして産まれたのがヘーパイストスだった。しかし、不幸なことに五体満足じゃなかった。
かっとなったヘーラーは、ヘーパイストスをオリュムポス山から投げ捨ててしまった。(ヘーラクレースの時も、そうだったけどよくやるよ。幼児虐待だよ)


 この時のショックで両足を折ってしまったヘーパイストスは一生足が不自由な身体になってしまった。(これには諸説があるけどね)そして、文字通り捨てられてしまったのだ。(いわゆる育児放棄ですよ)


 しかし、まさに捨てる神もあれば拾う神もありと、言うわけで、運よく海の女神・テティスに救われて彼女がヘーパイストスを育てたんだ。


 ヘーパイストスは成長するに従い工芸に素晴らしい才能を発揮した。例えば、育ての母であるテティスの目を楽しませるために宝石に命を与え、海で泳がせた。これが熱帯魚のはじまり。(ええ話や…… )


 ただ、それと同時に産みの母であるヘーラーに対するこだわりと、神として正当な扱いを望む思い抱いていて、先ず、ヘーラーに黄金の玉座をプレゼントし、母の心を開かせた。


 実はこの玉座は座った者を、その手すりで締め上げるという仕掛け施されていて、そうとは知らずにうっかり座ったヘーラーは玉座に捕まり、ヘーパイストスをオリュムポスの神々の一員にするまで開放しなかった。(まあ、ささやかなる復讐でしょうか)


 このお返しにヘーラーはヘーパイストスをアプロディーテーと結婚させ、妻の浮気によって彼を苦しめようとしたが、あまり成功しなかった。


 なぜなら、基本的にアプロディーテーをこのなく愛していたので、妻の行いに寛容だったし(例外もある。前回の記事「アレース」を参照のこと)、彼自身シシリアのエトナ火山の鍛冶場に入り浸りだったので、ほとんど自宅(オリュムポス山)に帰ることがなかったからなのだ。



「城壁の破壊者、軍神・アレース」

2009-11-26 10:24:55 | ギリシャ神話

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「ゼウスとヘーラーのひとり息子、軍神のひとりだが、暴れると恐い性格に難あり」


 アレースは珍しく? ゼウスとヘーラーの間にできた子供。殺伐とした性格で、戦争と人殺しに生きがいを感じるちょっと困った奴である。


 戦場を馬で牽かせた戦車で駆け巡ることが最高の快楽だった(う~~~ん)。ちなみに戦車を牽く馬の名前は「災難」と「恐怖」で、今で例えるなら、暴走族(でも、基本的にひとりだから単独暴走行為かな?)なのだ。


 さすがのオリュムポスの神々もこの性格についていけなかったみたいで、みんなから嫌われていたらしい。アレースと親しく付き合っていたのは、戦争で人が死ぬと自分の国の民衆が増えるということで喜んだ冥界の王・ハーデースと、アレースの双子の妹である不和の女神・エリスくらいだった。


 と・こ・ろ・が・である、こんな彼にぞっこん参ってしまった女神がいた。あの愛と美の女神・アプロディーテーなのだ。たぶんアレースの獣のような激しさと残忍なまでの冷酷さに魅了されてしまったらしい。


 彼女が曰く「あの人のフツーじゃないとこがいいの」と、言ったか言わないかは知らないが、まあ、そういうことらしいのだ。


 アプロディーテーは夫のヘーパイストスの留守を幸いに真昼間から危険な情事と洒落込んだ。ところが、と・こ・ろ・が、まさに危険な情事ということで、すでにこの浮気に気づいていたヘーパイストスは、間男の現場を押さえるべく、蜘蛛の網ほどに細く、しかもとても頑丈な鎖網を作ってベットの上に仕掛けておいたのだった。


 そして愛し合う二人の上に仕掛けておいた鎖網が落ちてきて、がんじがらめ縛られて動けないまま、あられもない姿で捉えられてしまい、そのまま他の神々の前に引き出され、夫の糾弾を受ける妻と間男が…… アレースにとってと言うより、世の男たちにとってこれほど恥ずかしいこともなかったんじゃあないだろうか。


 ところで妹のエリスも兄に負けず劣らずの破滅的な性格の持ち主で、彼女にとってアレースの戦車はさしずめ遊園地の絶叫マシンよろしくってな具合で、興奮のあまりアレースの隣で黄色い声をあげることもしばしばあったらしい(なんだかなあ~)。


 当然のことながら彼女も他の神々から毛嫌いされていたのだが、あからさまにそれを見せることはしなかった。なぜなら、彼女の恨みは永遠に続くという恐ろしいものだったからである。


 まぁ~、それにしても、夫婦で作った子供たちがこれじゃねぇ…… さらに言えば、ゼウスが他所で作った子供たちの方ができが良いときているとくれば、ゼウスが浮気に走り、ヘーラーが嫉妬深くなるのもうなずける気がする。



Cthaat Aquadingen

2009-11-20 18:44:15 | 禁断の書物

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「海や湖、川の中に隠れ潜む謎の水棲種族について、様々な知識を網羅した書であり、本自体も汗に濡れるおぞましき研究書」


・「Cthaat Aquadingen(水神クタアト)」は、11~12世紀頃にラテン語で著された、「Deep Ones(深きものども)」をはじめとする水棲種族について広範囲な研究を纏めた、著者不明の書物である。


・「Deep Ones(深きものども)」の最年長者であり、彼らに君臨する番(つがい)の海神「父なるDagon(海神ダゴン)」、「母なるHydra(ハイドラ)」についての記述があるだけではなく、彼らが崇拝する「Great Cthulhu(大いなるクトゥルフ)」と眷属についても記載されている。


・3部の現存が確認されているラテン語版は、「R'lyeh Text(ルルイエ異本)」と同じく人間の皮膚で装丁されており、温度が下がるとうっすらと汗をかくと言われている。


・14世紀頃のイギリスにおいてこの書物の翻訳書が発行されており、少なくとも1部の英語版が、ラテン語版と共に大英図書館に収蔵されている。


・19世紀イギリスの海洋博物学者フィリップ・ヘンリー・ゴッスは、世界で初めて陸揚げされたものではなく、生きたままの海棲生物を図譜に描き起こし、飼育法についても併せて解説した「アクアリウム」(この書のタイトルとなったゴッスの造語は、後に「水族館」を意味する言葉になる)を著したことで、博物学者として名声を博したが、その後、聖書の記述と化石の存在を両立させる前時間説を提唱する「オンパロス」を発表し、それまでの名声を失うことになる。


・ヨーロッパの自然科学界を大いに困惑させたこの事件は、大英博物館の「Cthaat Aquadingen(水神クタアト)」を読んでしまったゴッスが、その衝撃からキリスト教へと逃げ道を見つけようとしたのだと考えることができるかもしれない。


・ラテン語版の残り2部は、イギリス国内の蒐集家の手元にあるとされている。



The Celaeno Fragments

2009-11-18 10:52:19 | 禁断の書物

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「Great Cthulhu(大いなるクトゥルフ)と崇拝者たちより逃れた盲目の探求者が異界の大図書館で見出したものは、彼ら対抗する術を記した石版だった」


・「The Celaeno Fragments(セラエノ断章)」は、他の魔道書や禁書とは違い、書物や写本の名前ではなく、「Great Old One(旧支配者)」の仇敵である「Elder Gods(旧神)」から盗み出した文献の数多く収蔵されているとされる「Celaeno(セラエノ)」の大図書館に滞在していた「Dr. Laban Shrewsbury(ラバン・シュリュズベリイ博士)」によって見出されたものである。


・生身の人間の目に触れたことがない半ば破損した巨大石板は、そこに刻まれた「Outer Gods(外なる神)」や、その敵対者に関する知識の総称である。


・書物としては、「Dr. Laban Shrewsbury(ラバン・シュリュズベリイ博士)」によって英語に翻訳された私家版の自筆写本が1部のみが存在しており、1915年に博士が謎の失踪を遂げる直前にミスカトニック大学附属図書館に預けられた。


・ボストン在住の核物理学者アサフ・ビルマン教授と、リマ大学のヴィヴァロ・アンドロス教授が、この時期に「The Celaeno Fragments(セラエノ断章)」を閲覧し、要約を作成している。


・失踪から20年後の1935年、姿を消した時と同様に、忽然とアーカムに戻った「Dr. Laban Shrewsbury(ラバン・シュリュズベリイ博士)」は、すぐにミスカトニック大学に赴いてこの手製の本を一旦手元に取り戻している。


・その後、博士と大学との間で何度か行き来したこの本は、現在、厳重に鍵が掛けられる仕組みが施されており、関係者以外の人間は閲覧することはとても困難になっている。


・「Outer Gods(外なる神)」と眷属たちの諸力を退ける旧き印や、フォマルハウトから火神「Cthugha(クトゥグァ)」を召還する術法、飲む者を時空の束縛から解放し、あらゆる時間や空間の旅を可能とし、鋭敏な感覚を与えて夢と覚醒の狭間に留まることができる黄金の蜂蜜酒の製法等が記載されている。


・博士と同志たちは、この本に記載されている、この酒や「Hastur(ハスター)」に仕える有翼の魔物ビヤーキーを呼び出す石笛を使い、幾度となく危機を逃れたとされている。



「都市の守護神・アテーナー」

2009-11-17 19:17:53 | ギリシャ神話

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「知恵の女神であり、永遠の処女神として都市の守護神でもあるのだが、その出生は意外だった」


 オリュムポスの十二神の多分に洩れず、彼女もゼウスのご道楽の賜物で、ゼウスが彼女を産んだのはトリトーン河の畔であったとか…… (間違いではありませんよ。ゼウスが産んだのです。まあ、全知全能であるからして可能なのかも…… )。


 今回のお相手は巨人族の娘メーティス(叡智という意味)。ところが彼女には、とんでもない予言が付き纏っていた。それは、もし彼女が男の子を産めば、その子は父親を殺すであろうというもので、メーティスに手を出したゼウスだが、親殺しをするような子供は欲しくない。(まあ、当然と言えば、当然であるのだけれど)


 だったら初めから止めておけばいいものを、「お前を愛したかっただけで子供はいらないんだ」というわけで…… いるんだよね、こういう男は…… 


 「産むな」、「産みます」と言う問答があったかどうか分からないけれど、何とゼウスは子供を産ませないためにメーティスを頭から丸呑みしてしまったのだ。


 しかし、しばらくすると激しい頭痛に襲われた(腹痛じゃあないよ、頭痛だよ)七転八倒するゼウスの様子を見て助けに来たのが、使者の神ヘルメース。ゼウスの苦しみようにただごとではないと感じた彼は、鍛治の神ヘーパイストスを呼んできた。


 ヘーパイストスは、苦しむ姿のゼウスを見ると、商売道具の槌を大上段に振りかざし、ゼウスの脳天に目掛けて一打のもとに叩き割っちゃんだよ。


 当然、頭痛はぴたりと止まった。(そりゃあ、止まるよ。というより普通、死んじゃうよ)そして割れた頭から産まれ出たのがアテーナー…… 身に甲冑を纏った、背の高い灰色の目をした乙女だった。(あー、余りリアルに想像しないように)


 父親の頭(叡智)から産まれた彼女は知恵の女神であり、永遠の処女神として都市の守護神だった。中心的なポリス(都市)の名前がアテーナーであるのは、彼女にちなんで付けられている。