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第二十六夜 怪談 魔の交差点(一)

2010-08-18 07:24:43 | 不思議夜話
 暑い日が続きます。外を歩くのがつらいです。しかし、お体に大切に、夏バテしないようにいきましょう。


 今回の話は、たぶん長くなるので、数回に分けて書いていこうと思います。実は「不思議夜話」は、この話を書きたくて始めたようなものでして、ヴィクター最大のピンチに遭遇した実体験です。
 でも、信じるか、信じないかは、あなた次第です。


 この手の話に、「魔の踏切」とか、「魔の交差点」とかありますが、共通しているのが、その場所で事故が多いということです。
 今回取り上げる話も他例にもれず、その場所では事故が多発していました。しかも半端な数じゃない。月に一件は、必ず発生する。ひどいときは、週に2回以上発生することもありました。


 その場所は、一見、とても見通し良い場所の十字路で、ちょうどすり鉢のように、底の部分で交差していて、片側一車線の道です。
 周りは、民家とかはなく田んぼがあるだけ。そして道は、周りの田んぼより高くなっていて、視界を遮るものは何もありません。
 もちろん、道は直線で、それぞれが一本道。まさにきれいな十字路になっています。交通量もさほど多くないのですが、なぜか事故多発地帯なのです。


 事故に遭うのは人間ばかりではありません。猫、犬、スズメ、キジなどさまざまな動物が事故に巻き込まれるのです(もちろんカエルも)。
 しかも頻繁に…… 。


 ヴィクターは、ある時期、コンビニのバイトのため、その道を自転車で通っていたのですが、数ヶ月の間に、何度も事故現場に出くわしました。


 あるときなど、バイト帰りに自転車に乗っていると、反対車線から一匹の黒猫トボトボと渡ってきます。
 すると、猫の後方からヘッドランプをつけた車が一台、近づいてきました。しかし、黒猫は、トボトボと歩き続け、そのまま後ろ足を跳ね飛ばされてしまいました。
 その瞬間、空中に2メートルくらい舞上がり、後方三回転(キャット空中三回転ではないですが)して、ヴィクターの目の前に墜落。
 そして壊れたおもちゃのように体を痙攣させて息絶えました。 ――わぁ、嫌なモノを見ちゃったよ―― と思いながら、不思議なことに気がつきました。


 その猫なんですが、ふつう道路をトボトボと渡ってきますか? 走り抜けると思うのですが…… 。しかもヘッドライトをつけて車が近づいてくるんです。途中で気がついて逃げると思いませんか?
 そのときの猫は、一切わき目も振らず、まっすぐヴィクターの自転車を目指して歩いてきたんですよね。ちょっと不気味な感じがしました。


 まあ、この一件くらいなら、そのまま忘れていたと思うのですが、次は犬でした―― (つづく)。



第無夜 怪談 コーヒーブレイク 其の伍(後編)

2010-08-11 08:31:31 | 不思議夜話
 前回の続き―― 。


 バスケ部の彼は、仕方なく件のトイレへいきました。中に入ると、すべてのトイレの扉が閉まっていました。部活の最中です、本来この時間帯は空いているはずなんですが、満室でした。
 彼は、一番手前から順にノックしていきました、


 トントン…… 。するとしばらくして、中からトントン…… と返してきます。次の場所も、その次の場所も同じでした。
 残りは、件の開かずのトイレしかありません。しかし、扉には「使用禁止」の張り紙がしてあります。
 もちろん彼も、妖怪の話を知っていましたから使いたくありませんでしたので、しばらくその場で待つことに…… 。
 しかし、一向に出てくる気配がしません。だんだん事態が切迫してきます。我慢できなくなってきたのです。今さら違うトイレに行く余裕もありませんでした。


 そこで仕方なく「開かずのトイレ」の前に立ち、ドアノブに手をかけると、ロックしてあるはずの扉が開くではありませんか。そこで一瞬躊躇したのですが、生理的欲求に耐えられず中に入って用を足すことにしたのでした。


 中に入り、扉を閉めて準備をすると、天井から声がしました。


 「赤が好いか? 青が好いか?」


 普通この手の場合、用を足した後に声が掛かるものですが、そのときは用を足す前でした。しかも通常は「赤いチャンチャンコが好いか? 青いチャンチャンコが好いか?」と聞いてくるはず。うわさではそのようになっていました。


 でも考えてみてください。彼は、事態が切迫していてやむなく、このトイレに入ったのです。緊張感がなくなった後ならまだしも、切迫した状態でどのよう声をかけられても、まともに答えられるわけがありません。


 それに彼には早く戻らなければならない理由がありました。バスケ部の練習はきつかったので、トイレにかこつけてサボる部員が時どき出没した。そこでサボり防止のため、トイレは5分で済ませ体育館に戻る必要があったのです。


 そこで余裕のなかった彼は「どっちだっていい!」と、答えたのです。


 しかし、天井からは、さっきほどより大きな声で「赤が好いか? 青が好いか?」と繰り返します。
 彼は、いよいよ面倒臭くなってきて、投げやりに言います。


 「ああー、もうクソー、どっちだっていい! 勝手にしてくれ!」


 すると、天井からの声が突然とまり、しばし沈黙…… 。そしてトイレ内の電灯が消えたかと思うと―― 。
 暗闇となったトイレの天井から、ボタボタボタッと、頭上に大量の何かが落ちてきて、それを被った彼は、大きな悲鳴を上げて気を失ってしまったのです。


 それからしばらくして、なかなか戻ってこない彼を心配したバスケ部の先輩が様子を見にきました。すると、トイレに中は電気が消えて暗闇の中。しかも異臭がする。


 先輩は、急ぎ電灯のスイッチを入れると、「使用禁止」で閉まっているはずの「開かずのトイレ」が開いているではありませんか。どうやら異臭はそこからしてきます。


 恐る恐る近づいてそっと覗くと、中には赤や青色のう○○まみれになって気絶している彼を発見したのでした(お食事の方、大変申し訳ありません)
 それ以来、その開かずのトイレに出没する妖怪を「赤座布団」と呼ぶようになったのでした。


 なぜなら、テストで悪い成績をとると、個人個人に渡されるテストの成績表に赤ペンで点数を書かれて、そのうえ点数の下に赤い線が引かれます。この赤い線を赤座布団と言い、余分なものがついていると言うことで、件の妖怪にう○○まみれにされた―― 。つまり余分なものをつけられた、に掛けて「赤座布団」となったのです。 ――そんな臭い話でした(笑)。


P.S これでなぜ、学校の七不思議の1番目「体育館裏の開かずのトイレ」の話が、コーヒーブレイクの回に書いたのか、お判りになっていただけたかと存じます。お粗末さまでした…… (汗)。



第無夜 怪談 コーヒーブレイク 其の伍(前編)

2010-08-10 06:57:45 | 不思議夜話
 本来ならば、怪談話でなくて、ちょと横道に逸れた回ですが、今回は特別、学校の七不思議の1番目「体育館裏の開かずのトイレ」について書いていこうと思います。


 都市伝説の「赤い紙、青い紙」という話は、ご存知でしょうか。


 夕方の学校で、少年がトイレで用を済ませ、拭こうとすると紙が無かった。するとどこからともなくこんな声が聞こえてきた。



「赤い紙が欲しいか? 青い紙が欲しいか?」


少年が「赤い紙」と答えた。 その瞬間、身体中から血が噴き出し、少年は死んでしまいました。


この話を聞いた別の生徒は、怖がりながらも我慢できずにトイレに行った。
 するとやはり「赤い紙が欲しいか? 青い紙が欲しいか?」という声が聞こえて来た。少年は血が噴き出した話を思い出し、「青い紙」と答えた。


その瞬間、少年は身体中の血液を全て抜き取られ、真っ青になって死んでしまいました。


 と、この「赤い紙、青い紙」を元にしているのが、「体育館裏の開かずのトイレ」で、出没する妖怪が「赤座布団」と言います。
 トイレの天井から「赤が好いか? 青が好いか?」と聞いてくるのです。


 ヴィクターが通っていた中学校の体育館裏は、松林になっていて昼でも薄暗い場所です。だから、そこにあるトイレは、昼でも電灯を点けないと暗くて、ものがよく見ないくらいでした。
 その男子トイレには4つの大用の便器があって、その一番奥がうわさの開かずのトイレでした。現に扉に「使用禁止」の張り紙がしてあり、開かないようにロックがしてありました。


 体育館は、主にバスケット部が使用していました。自慢ではありませんが、その頃のバスケット部は、とても強くて全国大会の常連で、優勝、準優勝、ベスト3など華々しい活躍をしていました。
 だから、それに比例して朝昼晩と、凄まじい練習を誇っていました。それはもう、勉強などする暇なんかないくらいに…… 。


 ところで中学になると、やたらテストが増えます。学期ごとの中間テスト、期末テストなど。中間テストは5教科(国数英理社)、期末テストは9教科(5教科+音体美図)です。
 ヴィクターの通っていた中学では、成績上位は張り出され、逆に平均点の半部以下の点を取ると、「赤点」となって追試を受ける必要があります。。もちろん教科ごとにです。
 さらに、その追試で平均点以下だと、補習を受けなけれならなくなります。もちろん教科ごとに。


 しかも追試で「赤点」を取った場合、最悪な事態が発生します。親を呼ばれての三者面談を受けるのです。そして、この事態を「赤座布団」と言われていました。
 結構、勉強にも力を入れていたんですよね。何せモットーが「文武二道」でしたらから…… 。


 だから、レベルの高いスポーツ部の生徒たちは、テスト期間になると悲壮感が漂うといった感じで、ちょっと可哀想でした(ちなみにヴィクターはテニス部)。


 そして悲劇が起きます。とあるバスケット部員が、期末テストで「赤座布団」を取ってしまったのです。しかも5教科も―― 。
 彼は悲嘆に暮れながらも部活をサボるわけにはいかず練習に参加します。しかし、時間が経つにしたがってテスト結果が頭をよぎります。
 親にどのように話すかを考えると、お腹が痛くなってきて、仕方なく件のトイレへいく―― 。


 と、ちょっと長くなりましたので、続きは次回…… 。
  



第二十五夜 怪談 理科準備室の頭蓋骨

2010-07-29 14:17:46 | 不思議夜話
 今日は雨降りで、幾分か暑さも抑えられたすごし易い日です。雨は憂うつと言うけれど、時折は降ったほうが良いということでしょうか。


 ヴィクターが中学に通っていた頃の理科の先生が、ちょっと変わった趣味の持ち主で、解剖が好きだったんですよ。
 なんでも解剖しちゃうんです。ある時なんか近くでサギ(空飛ぶ鳥の鷺です)が車と衝突して死んでしまったことがありました。
 その場にいた先生は、そのサギの死体をもらい受けて、解剖標本にしたんですよね。そんな感じで、あれらこれやを解剖するんで、理科室にはかなりの数の解剖標本がありました(一人で理科室にいると、かなり不気味なんですよ)


 そして何でも解剖する、つまり切り刻んでしまうので、"切り裂きジャック"とか、ジャックに因んで、理科の先生ということから、いつも白衣を着ていたことから"悪のブラックジャック"とか、"死神ジャック"とか、密かに呼び称されていたんですよね。


 そんなちょっと気色の悪い先生が担当の理科の実験は、当然、理科室で行われるのですが、実験の前準備や後片付けは、持ち回りで生徒たちが行うようになっていました。いわゆる週番というやつです。


 そんなある日、理科室の隣にある理科準備室(例の死神ジャック先生の控え室も兼ねている)で、生徒たちが実験の準備をしていると、薬品棚の上に木箱があるのに気づいたんです。
 2メートルくらいある薬品棚の上に一つだけポツンと、人目につかないように壁に引っ付けるようにして置いてありました(上の方の薬品を取るために職員室から脚立を借りて、その上に載ったことで初めてその箱に気づいたそうです)


 木箱の側面は、当然、木板でできていたのですが、四面の内の一面だけがガラス張りになっていました。
 そのガラス張りになっている面が棚の壁面に向けられていたので、最初は全部が木板で覆われていると思ったそうです。
 ――何だろう?―― と不思議に思った生徒は、木箱をぐるりと回転させると、そこには人間の頭蓋骨が入っていました。
 つまり骨格標本というものです。しかし、よく見ると標本にしてよくできている。本物みたいで(といっても本物の頭蓋骨をじかに見たことがあるわけではないのですが)、TVで見たとおりです。
 しかも、ところどころに土がついていて、妙にリアルなんです。


 なにせ中学生ですから、話題に飢えている時期ですからねえ、あっという間に話に尾ひれ葉ひれがついて、 ――あの死神ジャックが密かに解剖した人間の頭蓋骨に違いない―― ということになったんです。


 しかし、あの頭蓋骨はどういった謂れのものか、まさか、じかに先生に聞くわけにもいかず、謎のままなんですよ…… 。そんな不思議な話でした。



第二十四夜 怪談 野球場バックネット裏に立つ首吊りの木

2010-07-26 13:48:35 | 不思議夜話
 まだまだ夏は始まったばかりだというのに、しかし、暑いです。めちゃ暑いです。


 前々回に引き続き、学校の七不思議から、第5番目の野球場バックネット裏に立つ首吊りの木をお送りします。


 ヴィクターが中学校時代のクラスメートであるC君が体験した話です。自分たちが通った中学の野球グランドには、そのバックネット裏に大きなくすの木が一本立っています。
 この木、学校ができる前から立っていて学校を造るとき、一時植え替えをしてその後、現在の野球グランドのバックネット裏に移設されたくすの木なんですね。
 大きく枝を張って葉をたくさん茂らし、夏なんかちょいと涼しい木陰なんかを作る場所なんですが、誰も近くに寄り付こうとしません。


 なぜなら、この木で首吊り自殺する人がたまに出るからなんです。


 クラスメートであるC君は、野球部員で毎日のようにこの木の近くに行きます。仕方ないですよね。バックネット裏に木は立っているんですから。
 野球部は練習熱心で、朝は、6時からの朝練、昼の休憩時の昼練。そして夜8時までみっちり行なわれる夜練とハードな練習をしていました。
 当然C君も練習に参加していたのですが、この木の不気味さにいつも気を病んでいたんですね


 何しろ下級生は練習の準備とか後片付けをしなければならないので、朝は6時前から夜は9時頃までこのグランドにいるわけで。あんなある日―― 。


 朝練の準備で5時半頃にグランドにやってくると、バックネット裏に誰かいる。 ――いつも自分が一番乗りなのに、珍しいことがあるもんだ―― と思った。
 しかし、よく見ると、足が宙に浮いている!? くすの木が風にあおられて枝を揺らすと、宙に浮いている足がゆらゆらと揺れる。


 首吊りだった!! 慌てて後から来た学校の野球監督に知らせ、その後は朝練どころではなかった。学校もその日は、グランドの使用禁止、体育の授業も取りやめになったのでした。
 話には聞いていたが、まさか自分が第一発見者になるなんて…… 、C君はかなりショックを受けたのでした。


 幾日もして野球の練習を再開したのですが、どうも例の木が気なるのです。そんなある日、夜練が終わって、グランド整備などの後片付けをしていると、風も吹いていないのに、例のくすの木が、ばさばさっ、と枝の葉を鳴らすではありませんか―― 。
 C君たち(一人ではなく、下級生部員が数人いたそうです)が、驚いてくすの木を見ると、葉っぱを茂らした枝から伸びた人間の足が、ゆらゆらと揺れていたそうです。その場は、みんな一斉に逃げ出したのですが…… 。


 以後、時々このくすの木で風に揺れる足を見かけたそうです…… そんな不思議な話でした。