私の母の9人のうちの一番上の長女が危篤だという知らせをうけた。93才になる叔母は2010年震災の1年前に、岩手県の山田町から埼玉の娘のところにお世話になっていた。震災の時は叔母さまが住んでいた家は波をかぶったので、命拾いをしたと思ったものだ。あれから13年がすぎるのだな。
危篤の知らせを受けた翌日に、実母と姉妹の二人を車に乗せて、運転手を夫に頼んで高速を走らせた。到着は夜の10時すぎであった。残念ながら車をはしらせている16時30分頃に施設で息を引き取っていた。最後の言葉は聞けなかったが、お線香を亡くなったその日に上げられたのはよかったのかな。
私が離婚して、シングルマザーの時は、時々埼玉から、段ボールでお菓子を送ってくれていたっけ。そして風の便りにわたしが、再婚したことをききつけたようで、埼玉から電話を私にかけてきたっけな。
「あつこ~~、よかったな~あ~」深い深い言葉が電話の向こうから聞こえてくる。よっぽど私の事を不憫に思い、心配してたんだろうなあ、本当に私は罪な人間だったな。そう思いつつも、思い出話に私の従兄にあたる亡くなられた叔母の娘にその話をした。そうしたら、このおばの娘も娘で、正座して今の私の夫に「あつこをよろしくお願いします」とあいさつをするのだ。「え~??」と私も、周りも笑うが、本当に心のある親族ばかりで私はつくづく果報者だ。
母親の兄弟姉妹は岩手に残り7人健在である。長兄が先に亡くなり二人目が今回の長女になる。離れていても心はつながっていたようで、妹弟たちは、なんだか力が抜けたなあ、と珍しく愚痴が出ている。
埼玉から帰ってきた後に、盛岡で一晩寝たあとに、夢をみた。
目の前に岩場があって、水がながれているのだ。5つの魂を流すんだ、と、そういって、亡くなった叔母の本家の長男が水の流れる上の岩から石っころを私の前に流すというか転がしてくる。5つの石を流すんだ、とそういいながら。
手のひらよりも小さい石っころを、魂だと言ってころがしてくるのだ。
起きてから考えた。5つの魂か。石っころを流した従兄はおじいさん、おばあさん、そして今回の仏さまになる叔母様の兄である父と、母親、そして、叔母様、確かに5人になるね。おばさまは老衰でしたから大往生でした。娘家族、孫にも優しくされて亡くなりました。心のある親に育てられた子たちが心ある子供を育て心ある子が親になり心を繋いていくだろう。魂は続く。心も続く。
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