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「 新潮社の元編集者で、
小林秀雄氏の本の担当者として「本居宣長」
「小林秀雄全集」などを造った池田雅延氏が、
小林氏の作品を月々1作取り上げ、
その奥深い世界をご案内します。
お聞きいただく音声は、
東京神楽坂に2014年秋にオープンした
〈la kagu〉のレクチャースペース〈soko〉で
池田氏が行っている連続講座
「小林秀雄と人生を味わう夕べ」からのものです。
ご 挨 拶
池 田 雅 延
小林秀雄先生が亡くなられてからもう30年にもなりますが、
先生の本はいまなお売れ続け、
年々新しい読者が生まれ続けています。
そして近年は、小林秀雄を読みたいがどこから読んだらよいか、
何と何を読んだらよいかといった質問も
たくさんいただくようになりました。
そこへ昨年の秋、
新潮社の倉庫をリニューアルしてオープンする〈soko〉で
小林先生のことを聞かせてほしいという相談が寄せられ、
それなら「小林秀雄作品案内」といった趣で、
私が先生から直接聞いた話も織りこみながら
進めていこうということになりました。
小林先生は、日本における近代批評の創始者・構築者として
大きな足跡を残しましたが、
高校時代・大学時代は小説家を志していました。
その小林青年が、小説家ではなく批評家となるに至った過程には、
今にして思えば宿命的といってよい岐路がありました。
2015年4月からの6ヶ月は、
「一ツの脳髄」「様々なる意匠」「志賀直哉」「Xへの手紙」
「アンドレ・ジイド」「故郷を失った文学」の6作を取り上げ、
〈批評家小林秀雄〉が誕生するまでの道筋をたどります。
もっとも、この講座は、
本格的な小林秀雄解説を行おうとするものではありません。
〈soko〉へ足を運んで下さった方々との、
いわば内輪の茶話会です。
そもそも私は、こういうお話をするについては素人です。
したがって、お聞き苦しいところも多々あることと思いますが、
そのあたりはどうかお赦し下さって、
ネットを通じて〈soko〉の茶話会にご参加下さり、
小林秀雄作品を読まれるに際しての
一助としていただければ幸いです。 」(内容)
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