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バルザックに
絶対の美を追求した画家を
主人公にした
「絶対の探求」という小説
があるが、こちらは
完璧な論文を書くために
無限に推敲に次ぐ
推敲を重ねた挙句
遂には自殺して果てる
ロイトハマーという
狂気の科学者を描いた小説。
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独り屋根裏部屋に籠り
数式や発想メモを
壁いっぱいに貼り付け、、、
といった暮しに
ある人は
哲学者のヴィトゲンシュタイン
を想い、ある人は
社会(大学)との関係をたって
証明不可能といわれていた
フェルマーの最終定理
に挑み続け
遂にはそれを解いた
アンドリュー・ワイルズを
連想するのだろう。
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私の場合は、、、というと、
遺品を整理するなかで
はじめて
故人の巨大な足跡を知る、、、
といった点で
清朝末期の相場師
陳雅山を連想した。
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ちなみに、
陳雅山というのは、
日清戦争の際に
清朝が日本に支払った賠償金
(当時の日本の国家予算の4倍
と言われている)
に匹敵する資産を相場で築いていた
という事実が
死後になってはじめて
人の知るところとなった、、、
という伝説の相場師。
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陳雅山がどういう生活を
送っていたのか
知る由もないが、
まぁ、まぁ、
この小説の主人公のそれと
似たり寄ったりだったのではないか。
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「 自殺した友人の遺稿
を整理するために
動物剥製師宅の屋根裏部屋
にこもった
主人公が見出したものはなにか。
三つの狂気が交錯し
交響する戦慄的なカオス。
ベルンハルト中期の長篇、
ついに邦訳。 」(内容)
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