◇
◇
冒頭に掲げたのは、
9月に出版された
エコノミスト誌の
マンション特集号
中の記事だが、
◇
タワーマンションの修繕積立金不足を
論じたその記事の中で
修繕積立金を一気に 2.5倍に
引き上げたという
武蔵小杉のタワマンの事例
が紹介されている。
◇
当初の修繕積立金を
低く設定し
月々の負担を小さく見せて
安易に売りさばく、、、、
というのは
タワマンに限らず
どの新築マンションでも
多かれ少なかれ
行われていることだが、
通常のマンションの場合
すでに大規模修繕の歴史も古く
統計的に予測可能なところから
(そして、購入者側にも
ある程度予見があるから)
修繕積立金の不足というのは
それほど起こらないし
起こりようもない
(たとえ生じても大した額にはならない)
と言われている。
◇
これに対し、
大手ゼネコンですら
入札を辞退するほどの
難工事といわれる
タワマンの大規模修繕
( → サクラダファミリア
と呼ぶ業界人もいる )
の場合、
事例の積み上げはこれからで
そもそも素人には
当初の修繕積立金が
過小見積りに基づくものかどうか
判断のしようもない。
◇
まさに、そこが
タワマン業者の
つけ入るスキ、、、、
というわけだが、
◇
それにしても
( 修繕積立金が不足するのは必至で
その不足額は天文学的、、、、
とは従来から言われてきた
こととはいえ )
2.5倍 とは !
◇
下に掲げたのは、
タワーマンションの悲惨な未来
を予言して
出版以来話題騒然の
「限界のタワーマンション 」
とその内容紹介。
◇
第2章で、タワマンの
大規模修繕の問題(点)が
詳しく書かれている。
◇
![]() |
限界のタワーマンション (集英社新書) |
榊 淳司 | |
集英社 |
( kindle版あり )
◇
◇
「 大規模修繕は ?
災害リスクは ?
子育て環境は ?
健康影響は ?
資産価値は ?
――あらゆる意味で、タワマンは限界にきている !
◆ 迷惑施設化するタワマン
武蔵小杉や湾岸エリアのタワマンなど、
地元の自治体や住民を取材。
実際の暮らしぶりや、
タワマン住民と非タワマン住民の間の溝、
交通・保育園・学校の整備状況などを調査。
果たして、タワマンは
人間の住み家としてふさわしいのか ?
◆「タワマンの子どもは成績が伸びない」!?
教育熱心な住民が多いと言われるタワーマンション。
しかしタワマンで子育てをすることに警鐘を鳴らす専門家もいる。
その真意は――?
◆ 2037年、いくつかのタワマンが廃墟化する
多額の費用と、合意形成の難しさで、
大規模修繕は困難を極める。
なぜ、2037年なのか ?
その理由は本書で!
◆タワマン居住で失うもの
眺望の良さや豪華な共用施設に目を奪われるが、
災害時のリスクや、
子どもや健康への影響など、
見落とされている点があまりにも多すぎる !
【目次】
(抜粋) 序章 タワーマンションが大好きな日本人
イギリス人はタワーマンションをどう考えるか/
高層住宅は主に低所得者向けの住まい /
成功してタワーマンションを買う人々/
「タワマン購入者は見栄っ張り」
第1章 迷惑施設化するタワーマンション
タワマン銀座・武蔵小杉の悲惨な状況/
「繰り返される ”痛勤地獄” 」/
寒空や炎天下の中を歩かされる園児たち/
なぜ番町にはタワマンがないのか? /
「タワマン」に”NO”を突き付けた神戸市/
住宅の業界人は
タワーマンションに住んでいない
第2章 タワーマンション大規模修繕時代
2回目の大規模修繕はさらにハードルが上がる/
スーパーゼネコン5社が見積もりを辞退 /
2037年、いくつかのタワーマンションが廃墟化する /
タワマンだからこその問題点/
投資目的で購入されたタワマンの末路
第3章 災害に弱いタワーマンション
長周期地震動という新たな脅威 /
長周期パルスでタワマンが倒壊する可能性も /
電力供給が途絶えると、水も出ないのがタワマン /
不動産価値も下落する/
タワマン住民で避難所が溢れる
第4章 タワーマンションで子育てをするリスク
タワマンに住むと心身の健康に支障をきたす?/
「25階以上で生存率ゼロ」 /
「タワマンの子どもは成績が伸びない」/
子どもが高層居住によって失うもの/
子どもの心を蝕む階層意識/
タワマンは「人間の業」を象徴
終章 それでもタワーマンションに住みますか ?
少なくとも、女性と子どもはタワーマンションを避けるべき/
すでにタワーマンションは必要とされていない
【著者プロフィール】
榊 淳司(さかきあつし)
住宅ジャーナリスト。
1962年、京都府生まれ。
1980年代後半から30年以上、
マンションの広告・販売戦略に携わる。
その経験を生かし、
購入者側の視点に立ちながら、
日々取材を重ねている。
著書に、『マンション格差』(講談社現代新書)他多数 」
◇
![]() |
限界のタワーマンション (集英社新書) |
榊 淳司 | |
集英社 |
( kindle版あり )
◇
京都移住について考える・「老後は京都で」~トップページに戻る
( インスタグラム版「老後は京都で」は → コチラ )