私が最初に覚えた試割りは自然石割です。
高校時代、空手を習っていた同級生が仲間内に広めたのが始まりで、
一時期学校内では自然石割が流行り、
休み時間になると校内や学校の近くに割りやすそうな形の石を探しては割っていました。
おかげで校内には適当な大きさの石が全部割れてしまっているという事になってしまいました。
試割りでは色々な失敗談もあります。
以前、ある会場で試割りをすることになり、
当時私が通っていた道場の館長が主催者側と打ち合わせをした際、
主催者側の方が気を使って瓦は用意しますと言われ
(当然、知らない方は普通の建築用の瓦を割っていると信じています)
その館長は試割り用の瓦があると言う事を言い出せず、
何とかなるだろうと言う思いで(試割りをするのは私達道場生なんですが)
せめて波瓦だけはやめて下さいとだけ言ったらしいのですが、
当日会場に用意してあったのは、
それはもう立派な建築用のキレイな青い瓦。
試割り用の瓦よりかなり厚く、
どう見ても硬そうなその瓦を見て一同
“どうすんのん?”
でも、その時は念の為に試割り用の瓦を持ってきていましたので、
何とかその場をしのぐことができました。
また、以前勤めていた会社のバーベキュー大会での事、
酔った勢いで、
その時に鍋料理の台として使っていたブロックを冗談で正拳で叩くマネをしていたら、
何時の間にか酔っ払い(会社の上司達や社長)が集まりだし
“割れ割れ”
と大騒ぎに。
引くに引けなくなった私は、仕方なく挑戦。
いや~しかし建築用のブロックは硬かった。
私の手が血だらけになった上、
調子に乗った酔っ払いの先輩が足で砕こうとジャンプしてブロックの上に乗ったところバランスを崩してこけて腕を骨折。
一気に皆の酔いが醒めました。
しかし、良い事もありました。
空手の後輩が結婚し、その披露宴の席で試割りを頼まれた時の事です。
披露宴の席では道場関係者は私一人、
他は知らない人ばかりでチョット寂しい気分のまま、試割りを行なう時間がきました。
まず新郎が手刀で瓦割り、
見事に割れて“おおー”と言う歓声。
続いて私が掌底瓦割り
(これはほとんど手のひらを瓦から離さずに、まるで気で割ったように見え、見た目はハデなんですが、
実は体重が掛けやすくコツさせ知っていれば簡単です)
終わった瞬間、拍手喝さい。
両家の親族の方からは握手攻め、もうその場は誰が主役かわからん状態に。
テーブルに戻っても今まで知り合いが誰も居なく一人浮いていたのに、
急に色んな人から話し掛けられ、すっかり気分を良くして会場を後にしました。
この他にも試割りに関しては色んな失敗談や笑い話があります。
「試割り」
知らない人から見ると凄い事みたいですが、
ちょっとコツを知っていれば瓦や板等少ない枚数なら簡単に割れます。
ただ、枚数が増えた時やバット折りで何本も同時に折る時はそう簡単にいきません。
でも、ネットで調べたら試割り用の瓦、板、ブロック、バット等と何件もヒットする時代です。
昔ほど試割りを見て
“凄い”
と思う人はいないでしょうね。