大久保長安の聖地巡礼at八王子、第3回目は八王子市街から北東方面、浅川を渡って大和田地区に残る庚申塔です。東光寺の塀沿いに古い石の塔が3体並んでいます。JR八王子駅から徒歩だと30分程度。バスなら10分弱、大和田坂下のバス停で下車。
「大久保長安に迫る」(揺籃社・2013年)の記述には、長安が甲州街道の大和田坂から高幡不動尊に向かう分かれ道に建立したと云われている、とあります。出典がわからないので、そういう伝承が残っている程度にとらえておくといったところでしょうか。道路や住宅地の整備により、元の場所から今の位置に移されたと思われます。
大和田は現在は八王子市ですが、江戸時代、この辺りは上大和田村(その南側に下大和田村)。江戸方面から歩いてくると八王子宿に入る直前の集落です。
東光寺は「新編武蔵風土記稿」など、江戸時代の地誌や紀行文に短いですがその名が記されています。
【大和田の庚申塔】
3つのうち、真ん中にあるのが庚申塔。青面金剛(しょうめんこんごう)と、その下に三猿(見ざる・言わざる・聞かざる)が彫られています。802ちず楽会様のサイトによると、この庚申塔は「甲州街道の大和田坂の坂上から稲城へ向かう道の分岐点にあったものだという」とのことです。
【三界萬霊塔】
左側の石碑は「三界萬霊(さんがいばんれい)塔」と刻まれています。三界とは仏教で無色界・色界・欲界を指し、そこに棲むすべての霊を供養するための塔とのこと。寺院にはよくあるそうですが、今までは意識していなかったので、スルーして気付いていませんでした。
台座には玉川連と彫られています。側面には年月が刻まれているようですが、摩耗していることもあり、素人の私には読み取れませんでした。
【高幡不動道標】
右側の石碑は「高幡山不」とあります。802ちず楽会様のサイトによると、「元は甲州街道の南側、八王子往還の日野市の高幡不動へ通じる道の分岐点にあったという」とのこと。文字が「不」で終わっているのは、下部が破損してしまったということでしょうか。
調べた範囲では、長安との直接の関連を示すような資料などは見当たりませんでした。彼は八王子の町づくりを差配し、また全国的な街道整備にも中心的な役割を果たしたことから、長安に絡めた伝承となったということかな、と思います。
今回、記事を参照・引用させていただいた、802ちず楽会様のサイトはこちらです↓
802ちず楽会 様