歴史・音楽・過ぎゆく日常のこと
日日の幻燈






八王子市夢美術館で開催されている「銅版画家・清原啓子」展を観てきました。
31歳でこの世を去るまでの10年程度の活動期間で、彼女が残した作品数は僅かに30点ほどだそうです。久生十蘭や三島由紀夫に傾倒したという彼女の作品は、幻想的で耽美的。そして緻密で物語性を重視したものばかり。確かにひとつひとつの作品の中から、いろんな場面が浮かび上がってくるようです。だまし絵のような技法も使っているように思われました。
作品ノートや鉛筆での下絵デッサンも展示され、まさに彼女の創作すべてをここに集めたといった感じ。そういったデッサンや創作ノートを見ながら、銅版画家って、そもそも絵の才能がないとやっぱりダメなんだなぁ…と。ほんと、鉛筆のデッサンなんて、これ下絵なの?というほどに細かく描き込まれています。
あと根気と情熱。熱しやすく冷めやすい私のような性格では、芸術家には絶対なれないのだ。

八王子出身の彼女、全国的にはあまり名が知られていないようなのが残念。ポスターでもいいから、部屋に飾っておきたいものです。


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