今年4月から名古屋市の市税事務所ができた。まだ1カ月しかたっていないので利便性について市民の評価はこれからであろう。またそこで働く職員の声も、僕はまだ聞いていない。だからここで書くことは、退職者のふと思った感想に過ぎない。なお僕は市民税の賦課については経験があるが、市税の徴収と他の市税の賦課は経験していないので思い違いもあるかもしれないのでそのつもりで。
従来市税についての賦課および徴収は16ある区役所と、いくつかの区役所支所の税務課(市民税課も含む)と納税課が行ってきた。今回それを廃止して、市内3か所の市税事務所とそれに付随する3か所の出張所の計6か所に市全体の賦課と徴収を集約したもの。なお区役所でも申告や証明の一部税務事務の窓口が残る。これにより将来的には税務関係の職員を20%削減できるらしい。また差し押さえなどの滞納処分の効率化を目指していると思う。これは市の広報にははっきりと言っていないが、そういうことだと思う。なぜなら税の未納の徴収だけなら、地域事情に詳しい区の職員が便利だからである。収納事務を集約して専門性を高めるということは、区役所では滞納者の事情とかあるいは職員の事務能力と意欲のある無しにより滞りがちになる差し押さえなどの滞納処分が、効率的に執行されると考えられるからである。
4月1日に実施される人事異動を、3月末の中日新聞でみたときふと思ったことがある。そうそう名古屋市の人事異動で役職者(係長級以上)については、地元の中日新聞の名古屋市内版に掲載されるのだ。「市税事務所ができるのだな。課長と係長級(係長と主査)に知った人が何人もいるなあ」。と思いつつ、あれ?と思ったことがある。係長級の人間が多いのである。「ひょっとしたら税務事務所というのは、主事(事務職のひら職員)か少なくて、係長級だけで仕事をするところかな?」
どうやらこれは誤解らしい。市税事務所ができても、区民の利便のため区役所にも申告や税務証明の窓口が残るのだが、どうやらそこにその係長級の人たちが窓口要員の主査として市税事務所から派遣されると思われる。「思われる」というのは僕の想像。というのは4月以降に市関係者であったのは退職者だけだから現状をよく知らないのだ。はじめ僕は、区に残る税務窓口は4月に各区役所にできる企画経理室の職員がやるものと思っていた。ところが市職労のホームページを見ると、区役所に駐在する税務窓口の主査は、区長とも区民生活部長とも関係がなく、トラブルが起きたらテレビ電話で市税事務所と相談するという。とすると、区役所に駐在する税務窓口の主査は、区役所の職員ではなく市税事務所の職員が区役所派遣されに過ぎないことになる。
ここで僕が懸念することを3つ書こう。1つはこの区役所の税務窓口の主査だ。主査は係長級だがラインでなくてスタッフ。つまり自己の判断で仕事ができる。長としての部下はいないが、通常は助手として手伝ってくれる主事がいる。しかし税務窓口の主査には区役所の職員は所属が違うので無関係である。かわり税務窓口の主査には、嘱託職員が3~5名つくそうである。これが問題だと思う。通常主査は係長級に昇任したばかりの人がなることが多い。逆に嘱託職員は60歳で定年退職した職員がなる。嘱託職員が課長係長で辞めた人かもしれない。たぶん考慮されて、税務窓口主査もある程度年輩で、嘱託も主事でやめた人だろう。そうでないとやりにくいと思う。また嘱託員の人事管理はどうなのだろう。嘱託員の休暇予定は当然把握していないと困ることになるが、ラインでない主査がそこまでできるのか。ひょっとしたら税務窓口の主査と嘱託員が毎日市税務事務所に出勤してから、そこから各区役所に出向くのかな。まあ、こんどあったら税務事務所に異動になった人に聞いてみよう。
2つは、市の広報では、市税事務所では職員の専門性が高まると言っている。従来も税金の仕事は税務課や納税課の職員が行っていて、住民票の交付する職員が一緒にやっていたわけではないので専門の職員がやっていたことになる。つまりここでの専門性とは、財政局の職員として人事異動も財政局主税部内で行うということ。いままでで税務課および納税課の職員は各区役所の所属であり、人事異動は同じ所属(同じ区役所)内で行われることが多い。つまり税務課市民税係の職員が市民課窓口係にいくとか。係長および課長もおなじだ。だからこれからは、財政局所属の職員として、市税務事務所内、市税務事務所間、市役所主税部と市税事務所の異動で役所生活を過ごす者もでてくる。でも市職員としてそれが良いのかな。もっと他の部門からも市民生活を見た方がよりよい人生になると思うけど。
市役所という組織をどの面から見るかということで人生の意味が違ってくる。ある人には出世の階段のあるヒエラルキーのある官僚組織とのみ見える。「2ちゃんねる」の名古屋市職員のスレッドを見ると、「人事課に行くにはどうすればいいのですか」などという書きこみが時々ある。市民に対応するより職員を管理する部署の出世が早いからである。でも管理部門ばかりにいると、具体的問題の具体的解決の能力がなくなる。そうすると数値目標とか言い始める。数値目標とは、具体的な問題がわかっていないのと、数値の操作で成果が上がってなくても上がったように見せることができるという役人好みの手法で便利だからである。むかし市の職員だったとき、全市で超過勤務削減の数値目標を出せということがあった。たぶん今でも続いている。基準年にたいして何パーセント削減せよという。でもこれはすでに無駄な超勤をしていない部署は困るわけである。一番困るのは、過去に同じ部署の報告数字で、超勤時間からその年の特殊要因とこじつけ操作して大幅に超勤時間実績を減らして報告して目標達成としていることである。そうするとその大幅に削減された実際とは違う数値が基準となるので後の担当者が困ることになる。超勤を削減しようとするなら、数値目標はだめで、同じような仕事をしている部署の担当者を集めて、仕事の種類と仕方を比較点検することである。そうすれば合理的な仕事法や、また省略しすぎて違法などの弊害のある仕事も見つけ出せる。要するに数値目標を云々する人は問題がわかっていないし問題を解決する能力もない。「インフレ目標値」とか「デフレギャップ」とかを聞くと、日本の教育システムが間違っているなと思う。
話は戻って、市役所を出世の階段のあるヒエラルキーのある官僚組織ととると、出世に効率的かもしれないが、無意味な人生を送ることになる。ではどうみるか、それは自分が給料もらって世の人に奉仕できる手段と見をことだ。でもこれは僕の独断。自分と家族を養う職場でもよい。でもそれだけではないはず。ドライブで景色を見ながら行くのが良い。いきなり高速道路に入ると早く遠くへ行けるかもしれないが景色は見えてない。海岸も山も田園も見ることができる区役所で回った方がよいのではないか。
3つ目の懸念は、市民の目から隔離された場所に大人数職場ができることである。市の職員でも心身上の問題や、能力や、労働意欲の問題から、職場の戦力にならないだけでなく職場規律や職場環境に問題がでる人々がいる。そういう人を少人数の係に置いたので、他の職員に大きな負担になる。公務員は原則クビにならない。そういう人は、大きな人数の職場を回されることになる。つまりその人が働かなくても、多くの人数で同じことをやっているので何とかなるということである。一番の解決は、そういう人たちを、給料が低くなっても能力に合った職種に本人の同意を得て移動できる制度を作るとであるが、そんな制度はまだないと思う。市税事務所ができたことにより、数名ずつそうした人を配置できる場所ができたことにある。そういう使われ方は現状では仕方がない面があるが、問題は市税事務所が区役所より市民の目につかない点である。正しい解決とはちがうイジメ等の温床になりかねないのではないか。
従来市税についての賦課および徴収は16ある区役所と、いくつかの区役所支所の税務課(市民税課も含む)と納税課が行ってきた。今回それを廃止して、市内3か所の市税事務所とそれに付随する3か所の出張所の計6か所に市全体の賦課と徴収を集約したもの。なお区役所でも申告や証明の一部税務事務の窓口が残る。これにより将来的には税務関係の職員を20%削減できるらしい。また差し押さえなどの滞納処分の効率化を目指していると思う。これは市の広報にははっきりと言っていないが、そういうことだと思う。なぜなら税の未納の徴収だけなら、地域事情に詳しい区の職員が便利だからである。収納事務を集約して専門性を高めるということは、区役所では滞納者の事情とかあるいは職員の事務能力と意欲のある無しにより滞りがちになる差し押さえなどの滞納処分が、効率的に執行されると考えられるからである。
4月1日に実施される人事異動を、3月末の中日新聞でみたときふと思ったことがある。そうそう名古屋市の人事異動で役職者(係長級以上)については、地元の中日新聞の名古屋市内版に掲載されるのだ。「市税事務所ができるのだな。課長と係長級(係長と主査)に知った人が何人もいるなあ」。と思いつつ、あれ?と思ったことがある。係長級の人間が多いのである。「ひょっとしたら税務事務所というのは、主事(事務職のひら職員)か少なくて、係長級だけで仕事をするところかな?」
どうやらこれは誤解らしい。市税事務所ができても、区民の利便のため区役所にも申告や税務証明の窓口が残るのだが、どうやらそこにその係長級の人たちが窓口要員の主査として市税事務所から派遣されると思われる。「思われる」というのは僕の想像。というのは4月以降に市関係者であったのは退職者だけだから現状をよく知らないのだ。はじめ僕は、区に残る税務窓口は4月に各区役所にできる企画経理室の職員がやるものと思っていた。ところが市職労のホームページを見ると、区役所に駐在する税務窓口の主査は、区長とも区民生活部長とも関係がなく、トラブルが起きたらテレビ電話で市税事務所と相談するという。とすると、区役所に駐在する税務窓口の主査は、区役所の職員ではなく市税事務所の職員が区役所派遣されに過ぎないことになる。
ここで僕が懸念することを3つ書こう。1つはこの区役所の税務窓口の主査だ。主査は係長級だがラインでなくてスタッフ。つまり自己の判断で仕事ができる。長としての部下はいないが、通常は助手として手伝ってくれる主事がいる。しかし税務窓口の主査には区役所の職員は所属が違うので無関係である。かわり税務窓口の主査には、嘱託職員が3~5名つくそうである。これが問題だと思う。通常主査は係長級に昇任したばかりの人がなることが多い。逆に嘱託職員は60歳で定年退職した職員がなる。嘱託職員が課長係長で辞めた人かもしれない。たぶん考慮されて、税務窓口主査もある程度年輩で、嘱託も主事でやめた人だろう。そうでないとやりにくいと思う。また嘱託員の人事管理はどうなのだろう。嘱託員の休暇予定は当然把握していないと困ることになるが、ラインでない主査がそこまでできるのか。ひょっとしたら税務窓口の主査と嘱託員が毎日市税務事務所に出勤してから、そこから各区役所に出向くのかな。まあ、こんどあったら税務事務所に異動になった人に聞いてみよう。
2つは、市の広報では、市税事務所では職員の専門性が高まると言っている。従来も税金の仕事は税務課や納税課の職員が行っていて、住民票の交付する職員が一緒にやっていたわけではないので専門の職員がやっていたことになる。つまりここでの専門性とは、財政局の職員として人事異動も財政局主税部内で行うということ。いままでで税務課および納税課の職員は各区役所の所属であり、人事異動は同じ所属(同じ区役所)内で行われることが多い。つまり税務課市民税係の職員が市民課窓口係にいくとか。係長および課長もおなじだ。だからこれからは、財政局所属の職員として、市税務事務所内、市税務事務所間、市役所主税部と市税事務所の異動で役所生活を過ごす者もでてくる。でも市職員としてそれが良いのかな。もっと他の部門からも市民生活を見た方がよりよい人生になると思うけど。
市役所という組織をどの面から見るかということで人生の意味が違ってくる。ある人には出世の階段のあるヒエラルキーのある官僚組織とのみ見える。「2ちゃんねる」の名古屋市職員のスレッドを見ると、「人事課に行くにはどうすればいいのですか」などという書きこみが時々ある。市民に対応するより職員を管理する部署の出世が早いからである。でも管理部門ばかりにいると、具体的問題の具体的解決の能力がなくなる。そうすると数値目標とか言い始める。数値目標とは、具体的な問題がわかっていないのと、数値の操作で成果が上がってなくても上がったように見せることができるという役人好みの手法で便利だからである。むかし市の職員だったとき、全市で超過勤務削減の数値目標を出せということがあった。たぶん今でも続いている。基準年にたいして何パーセント削減せよという。でもこれはすでに無駄な超勤をしていない部署は困るわけである。一番困るのは、過去に同じ部署の報告数字で、超勤時間からその年の特殊要因とこじつけ操作して大幅に超勤時間実績を減らして報告して目標達成としていることである。そうするとその大幅に削減された実際とは違う数値が基準となるので後の担当者が困ることになる。超勤を削減しようとするなら、数値目標はだめで、同じような仕事をしている部署の担当者を集めて、仕事の種類と仕方を比較点検することである。そうすれば合理的な仕事法や、また省略しすぎて違法などの弊害のある仕事も見つけ出せる。要するに数値目標を云々する人は問題がわかっていないし問題を解決する能力もない。「インフレ目標値」とか「デフレギャップ」とかを聞くと、日本の教育システムが間違っているなと思う。
話は戻って、市役所を出世の階段のあるヒエラルキーのある官僚組織ととると、出世に効率的かもしれないが、無意味な人生を送ることになる。ではどうみるか、それは自分が給料もらって世の人に奉仕できる手段と見をことだ。でもこれは僕の独断。自分と家族を養う職場でもよい。でもそれだけではないはず。ドライブで景色を見ながら行くのが良い。いきなり高速道路に入ると早く遠くへ行けるかもしれないが景色は見えてない。海岸も山も田園も見ることができる区役所で回った方がよいのではないか。
3つ目の懸念は、市民の目から隔離された場所に大人数職場ができることである。市の職員でも心身上の問題や、能力や、労働意欲の問題から、職場の戦力にならないだけでなく職場規律や職場環境に問題がでる人々がいる。そういう人を少人数の係に置いたので、他の職員に大きな負担になる。公務員は原則クビにならない。そういう人は、大きな人数の職場を回されることになる。つまりその人が働かなくても、多くの人数で同じことをやっているので何とかなるということである。一番の解決は、そういう人たちを、給料が低くなっても能力に合った職種に本人の同意を得て移動できる制度を作るとであるが、そんな制度はまだないと思う。市税事務所ができたことにより、数名ずつそうした人を配置できる場所ができたことにある。そういう使われ方は現状では仕方がない面があるが、問題は市税事務所が区役所より市民の目につかない点である。正しい解決とはちがうイジメ等の温床になりかねないのではないか。