美田残すな？

６３歳と６０歳の姉妹が餓死したというニュースを見た。どうでもいいニュースが多い昨今の中で、このニュースにはちょっと衝撃を受けた。
まず、ひとつはこの現代に餓死する人がいたという事実である。妹だか姉だかは心筋梗塞と言っていたが・・・。
そして、この姉妹は資産家の娘で多額の相続を受けていたという話で、そんな金持ちがなぜ餓死しなくてはいけなかったのかということだった。

一部の報道では、土地を売った五千万円が相続税の延滞金のごく一部にしかならなかったというものがあったが、素人で計算しても五千万円が延滞税のごく一部に相当といわれたら、その相続金額は大変なものだと推測できる。
仮に五千万円が延滞税の５０㌫だったとしても、もし父親がなくなった１０年前から溜まったとして、相続税の最高課税は５０㌫だから、単純計算でも１４億以上の資産があったと考えられるのだ。
ちょっとやそっとでなくなるお金じゃない。

例えば１日１０万円使ったとして、もし、一日に１０万円使い切ることを考えてみて欲しい。普通の生活ではまず難しい。それでも一年で３，６５０万円、十年としても３億６，５００万円にしかならない。
よっぽどアホなことをしない限りなくならないお金だと思う。もし素っからかんになっていたとしたら、おそらく彼らだけで無くしたものではないだろう。親戚やら、誰かにたかられたに違いない。その末路がプライドと引き換えに餓死では・・・。

親心としては娘たちの行く末を考えて資産を残したのだろうが、決して子どもたちの役に立っていない。
親は美田を残すのではなく、生きる力を残してくれていたらと思わせる痛ましい話である。