この人生、なかなか大変だぁ

日々の人生雑感をつれづれに綴り、時に、人生を哲学していきます。

バイ菌より怖い除菌剤

2010-06-16 12:42:48 | 意見がありますけど
「みんなの家庭の医学」で台所のスポンジの取り扱いひとつで大変な病気になると放送していた。
何組かの芸能人夫婦が出て、日ごろ家庭で洗い物をした後に使ったスポンジをどうしているか普段通りやってもらって、スポンジにどれだけの細菌が残っているかを実験していた。
ある家庭では洗剤を綺麗に落とした後、しっかり水を切ってシンクのわきに提げていたら細菌のコロニーが20以上出来ていてレッドカードをくらった。ほとんどの家庭が同じような状況だったが、三船美佳夫妻の場合は綺麗に洗い落とし水を切った後に、また洗剤をかけてそのまま置くというやり方だったが、なんと細菌が全く発生しておらず合格点をもらっていた。
後からP&G社の研究員が出てきて、理想的なスポンジの管理は綺麗に洗って水切りした後、除菌性能のある洗剤を8mlほどかけて全体に伸ばして保管しておくといいと紹介するに及んで、巧妙な洗剤会社のコマーシャルだと分かった。

このコーナーにはふたつの疑問点がある。
まず、一つ目は、誰もスポンジを食べないということだ。問題は洗った後の皿やコップがどうなのかである。そのようなスポンジで洗った食器から細菌が出てくるのかどうかを調べるのか本当ではないか。
たとえスポンジに細菌がついていたとしても、洗った後に塩素を含んだ水道水で洗い流しているから、そこで雑菌は落とされているはずである。
われわれが細菌に感染するかどうかを確かめる本当の実験は、芸能人夫婦が洗った後の食器に対する菌の培養実験ではないか。

もうひとつは、そもそもこのコーナーは、ある家庭で洗剤を使わないでさっと洗ったコップにカンピロバクターとかいう食中毒の原因になる細菌がついていて子どもが食中毒にかかってしまったということから始まっている。
スポンジに問題があったのではなく、その雑な洗い方に問題があったのである。では、必ず洗剤を使わないといけないかというとそうではない。水道水には殺菌力のある塩素が含まれていて、水洗いだけでも雑菌は落とせるから、三十秒以上流水で洗い流して下さいという結論で済んだはずだ。
かつてO‐157の食中毒のとき「カイワレ大根」犯人説があったが、その時「カイワレ大根」を水道水に三十秒つけ置きしていたかどうかがポイントになっていたのをご記憶の方も多いと思う。たいがいの食中毒の原因になるような菌は水道水で十分退治できるのだ。

そして大事なのは、番組のなかで、みんながみんな食中毒を起こすのではなく、免疫力の低下していた人にだけ発症する場合があると触れていたことである。結局はそこなのだ。
われわれの周りの空気中や身の回りのすべての環境には雑菌やら細菌が充満していてわれわれは日頃から吸ったり口の中に入ったりしている。それで病気になる人、ならない人に分かれてくるのは、環境の中に細菌があることが病気になる直接的な原因ではないということなのだ。
つまりこのコーナーは洗った食器ではなくスポンジの細菌検査をしたこと、しかも細菌があってもかかる人とかからない人があるという事実にもかかわらず、視聴者にたいして二段階の脅しをかけたということなのである。

まな板も除菌!手も除菌!ソファーも絨毯も除菌!
消毒、消毒と喧しい昨今のコマーシャル。いまにもわれわれがバイ菌に殺されてしまうかのように脅し続ける。
われわれにとって素性の知れた大腸菌などの細菌とは長い年月の付き合いで体の中にはきちんと免疫システムが出来ているのだ。<参照「ばい菌はわたしたちの味方」(http://blog.goo.ne.jp/l09zvzte17295729/e/122f920c958a2dc66ad966f21d9e693c)>

むしろ恐ろしいのは、化学的に造られた薬剤(化学物質)や遺伝子組み換え食材など未知のものである。体内の免疫システムはこれらの物質の情報を持っていないからどんな影響が出てくるかわからないのだ。
P&G社の研究者が、除菌性能のある洗剤には細菌の細胞膜を通過して破壊する力があると自慢していたが、そんな消毒剤がわたしたちの体の中に入ってしまうことの方がよっぽど怖いことなのである。
長い年月をかけてその毒性をチェックしておかないと、後々サリドマイド児やカネミ油症の事件どころではなくなるかもしれない。
洗剤会社などの儲けじゅく(売らんかな)に乗って酷い目にあわないようにご用心、ご用心。

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