この人生、なかなか大変だぁ

日々の人生雑感をつれづれに綴り、時に、人生を哲学していきます。

人生悲喜こもごも

2025-01-21 15:59:33 | 人はなぜ生まれ、そして死んでいくのか
ドキュメント72時間<新春スペシャル>を見た。その中で山田五郎が選んだ「24時間格安スーパー(大阪)」が心に残った。
場所はわからないが、パチンコ店のネオンのような派手なお店である。大阪の人ならきっとすぐわかることだろう。

筋トレを頑張っている26歳男性。モテるためにやっているという。甘いものが好きだが今はガマンしている。シックスパックを見せてくれた。
航空系のグランドスタッフを目指していた25歳の女性。コロナの時期にあたったために募集がなく就職できず断念。知り合いに誘われて居酒屋に勤めている。お肉を買っていて、明日の休みひとり焼肉パーティーをすると帰って行った。
彼らに身につまされることはない。まだ未来があると思うからだろう。

このスーパーは明け方の3時過ぎから100円引きがはじまる。
72歳の女性。50代の娘と暮らしているらしい。
娘は不登校になって、いまでも引きこもりがちのようだ。
夫の遺族年金でふたりの生活を賄っている。
ハンバーグ弁当が目当てだったようだが、今朝はひとつしか残っていない。おにぎりも1個60円で安いんですよと言う。

午前4時になると100円引きがさらに安くなって半額となる。
318円の刺身が半額の159円になるのだ。138円のおにぎりセットが69円。298円のカレーが149円になる。
88歳の男性がやってきて200円になった弁当をふたつ買った。
「毎日はけえへんけどな、これでふつかほどいけるからな」と自転車に乗って去って行った。

運転代行の仕事を終えた68歳の男性。8年前に定年になったが、わけあって年金がないらしい。なんとか今の仕事を見つけたという。「仕事がなくなったら、路頭に迷ってしまう。病気をしないように生活するのがいちばんじゃないですかね」と苦笑いしながらカツオのパックを買って行った。料理はよくやっているらしく、ニンニクをすりおろしてレモン汁をかけるとうまいという。

朝10時過ぎ、雨合羽を着た女性が品定めをしている。ヘルパーをしている介護福祉士(72)である。訪問介護の利用者さんに買い物を頼まれているという。
小学校6年生の頃、牛の世話をしている時に機械に挟まれて右手の指5本を失ったらしい。
いろいろ大変なことは当然あっただろうが、そのハンディキャップを受け入れてよく生きている。
犬などが脚を失いながらも健気に生きているのを見ることがある。
彼らは失った脚にいつまでも恬淡しない。今ある脚だけで走ろうと悩むことなく素直に生きている。
悟りを開いた仏陀のようである。
彼女にもそんな気配があった。

アスレチッククラブの清掃を終えてきた68歳の男性。下の歯が3本ぐらいしか見えない。
機械メーカーに勤めていた。青森の出張を終えてさあ帰ろうと思ったら、明日沖縄に飛べと言われる昭和のサラリーマンだった。
胃がんになって手術もした。家には月に2日いたかどうかだったという。
下の息子が学校の先生になったとたんに離婚となった。
最初は会いたいと思っていたが、今では寂しさも感じない。
ビール2本とつまみを買って「朝5時半から、テレビを見ながら一杯やって寝る。自由気ままで楽しい」と言いながら帰って行った。

人生悲喜こもごもだねぇ。
明日も知れない毎日だが、今を生きれば何も怖くない。
死に絶えたら誰かに後始末をしてもらうしかないが、死んでしまえば気にもならない。
今を一生懸命生きるしかないでしょう?

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