静かな場所

音楽を聴きつつ自分のため家族のために「今、できることをする」日々を重ねていきたいと願っています。

アーノンクールの新しいベートーヴェン録音(交響曲第4番、第5番)を聴く

2016年02月05日 20時47分53秒 | ベートーヴェン

ベートーヴェン/交響曲第4番、第5番

管弦楽:ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス

指揮:ニコラウス・アーノンクール


録音:2015年5月8-11日、ウィーン、ムジークフェラインザール(ライヴ)



 ごく稀に「新譜」も買います。
 このCDは、発売が予告されて間もなくカートに入れましたが、その後心変わりして削除しました。
 ところが、その後アーノンクールの引退が発表され、当演奏がどうやら彼の「最後のレコーディング」になりそうだということで、単純な私は再びカートに入れました。
 そうか、アーノンクールも、もうそんな歳になったのか・・・なんて、ちょっと感慨もあって・・・。
 当ディスクについての業者コメント(HMVエルパカ・サイト)。いろいろと書かれています。
icon 今日、それが届いて、さっそく聴きました。
 ちょっと前のモーツァルトみたいなことがあるかも知れないので、ちゃんと最初から通して聴きました。


 4番が始まって・・・うん、なるほど、木管のちょっとしたフレージングの妙が聴いていて楽しい。全然厭味がない、とか思っていると主部へ。
 思っていたよりも、けっこう「普通」(もちろん、彼なりの)。
 テンポが無茶苦茶速いわけでもなく、所々で間合いを長めに取っていて(これは、このディスク全体に言える特徴です)、ピリオド系で時々出会う、「けたたましさ」「騒がしさ」みたいな感じがあまり無く、全体に静謐な雰囲気を感じました。

 5番では、その「間合いの多用」が「固唾をのむ」瞬間を幾度かつくり出していました。
(5番に移る前は、モーツァルト三大交響曲のこともあって、一応、楽しみにしていましたが十分にブランクがありました。)
 ほとんど瞬間みたいな短い時間の中で「ゥタタタ・タ」が畳み掛けて重なる様はすばらしい。
 みんな、同じようなことをやってるのでしょうが、アーノンクールはなんか違う、なんてのは贔屓目で聴いているからか?
 第2楽章の、ちょっとテヌートを入れ込んだ独特の歌い回しは、不思議なことに、ずっと昔に聴いたワルター指揮コロンビア響のリハーサル盤の感動を思い起こさせました。
 第3楽章はもちろんリピート有りで、トリオではフリッツ・ライナーとよく似たことをやっていました。
 ライナーより、もっと思いっきりやっていました。
「あっと驚く局面」は第4楽章で1回、いや1.5回ありました。
 思わずニンマリ。



 私は、特に彼の熱心なファンではありませんが、アーノンクールには子どもの頃からお世話になってきましたので勝手に親近感を抱いてきました。
 ヨーロッパ室内管との全集も持っていましたが、数年前に手放しました。
 ベト全は手元にたくさんあって、随分と「処分」しました。
 特に「ピリオド系」「古楽系」やそれに準ずるタイプは12種ほど所持していたもの全部手放しています。
 でも、アーノンクールのセットは、また聴きたいと思えてきました。
 1番や2番は彼のを聴きたいと思うこともあるし、3番、9番も良かった印象があります。
「田園」がゆったりと始まるのもよかったです。
 四半世紀前に一度聴いただけで「なんじゃ、これは!」と、即売りとばしたヴィヴァルディ「四季」も、今、聴いたら印象違うかも?

 まだまだ未聴が多いのアーノンクール。ぼちぼちと聴き進めていこうと思っています。

Beethoven: Symphonies Nos. 4 & 5
Nikolaus Harnoncourt
Sony Classical


ベートーヴェン:交響曲第4番&第5番「運命」
ニコラウス・アーノンクール(国内盤)
SMJ


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