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第62回神宮式年遷宮奉祝
伊勢市民オペレッタ
ヨハン・シュトラウスⅡ/こうもり(全曲)
(日本語上演)
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チラシ表裏はこちら
このところの妻不調、それに二人の子どもの外出支援の手配と準備でバタバタしてて、大雨警報の出ている伊勢に向かう電車に乗ったのは開演17分前。
宇治山田駅から会場まで、雨中小走りに・・・あっ、私と同じくホールへ走る人発見!
指揮者登場の拍手を聞きながら、客席後方のドアへと階段を駆け上がり、真っ暗なホールに入って一呼吸するかしないかのうちに序曲が鳴り響きました。
ざっと見渡すと、客席はほとんど人で埋まってて、とりあえず一番後ろの通路からの鑑賞となりました。
音楽が始まってしまえば、立っていようが座っていようが、あんまり関係なくて、そこはもう音楽の世界。
あのまま座ってたら、ひょっとしたら朝からのバタバタの疲れが一気に出て、眠っちゃったかも知れないから、立ってて正解だったかも???
いつもより小振りな、しかし、いつものほんわかした伊勢管の音が、ちょっと深いオケ・ピットから響いていました。
セリフの多いオペレッタですから、満場の聴衆も大いに楽しんでいたと思います。
出演者のみなさんの、今日一回きりの本番に賭ける意気込みは素晴らしかった。と、同時に、素晴らしい音楽とストーリーに身を委ねて、のびのびと、楽しみながら演じておられる姿が印象的でした。
もう何か月も前から、フェイスブックの(ロザリンデ役のめぐみさんが開設した)「伊勢市民オペレッタ『こうもり』」のページに、その練習状況や裏方さんたちの準備の様子がその都度アップされていて、私たちの期待を膨らませてきたのですが、いざ本番のステージに接して、思ったのは、失礼ながら正直「ここまで、やってくれたか」という嬉しい驚きでした。
「市民オペレッタ」という言葉から、もし「素人芝居」とか「地方のじこマン劇場」などを連想していたとしたら、それはとんてもない見当違い。
もちろん、いろんな意味でより高いテクニカルな舞台を望む人は、わざわざここに来なくても、どこかの都市部で他団体のステージを観ればいいわけですが・・・。
でも、この日の、このステージの素晴らしさを何と形容すればいいのか???
やはり、雰囲気を盛り上げステージをまとめていったのはソリストを演じたプロの人たち。
実際のところは知りませんが、本当に楽しそうに歌い演じておられましたね。
ホール最後列の私のところまで、すべての台詞は明瞭に聞こえました。
作品の性質上、ギャグも満載で、ご当地ネタ、特産品ネタ、人気ドラマ・ネタ、時事ネタ、出演者ブライヴェート・ネタの連発に、会場も大いに沸きました。
第2幕が始まり、豪華な衣装に身を包んだ(友人知人多く含む)合唱陣を見たときは、最初「熟年男女の華麗なる合コン」(?)かと思われましたが(特に男声陣を見て、そんな感じでした・・・失礼!)、すぐに目が慣れました(?)。なかなか、素人集団とは思えない適切な演技でよかったです。中には、第9でソリストされるプロの方もひっそりと混じっておられたようですが・・・。
舞踏会のクライマックス、所謂「ガラ」では、イーダ(勝原美和)のソロによる「春の声」(これ、なかなか心憎い選曲ですね)と、安田博子バレエ研究所の4人による「雷鳴と電光」が演奏されました。
笠井さんと廣さんの「師弟夫婦」も、遠目には違和感なかったです。廣さんの声を聞いてて「成熟」という二文字がうかびました。笠井さんも、すんごく若返って見えたのは、廣さんのせい、そして音楽の魔法のせい、そして・・・私の居た場所からステージまでの距離のせい???
それから、プリント役の橋本さん、気のせいかなぁ、彼は高校生の時からキャラ変わってないなぁ(以下略)。
ずっとむかし、某ジョイントコンサートでご一緒した小川智津留さんのオルロフスキー、ステージ映えしてました。存在感!
山村さんの可憐なアデーレ、かわいかったですね。
ファルケ、アルフレート、フランクの客演御三家により、舞台の安定感は盤石でありました。
フロッシュの桑元さんがオケのヴァイオリン奏者と聞いて二度びっくり・・・いやぁ、多芸多才な方がいるもんですね。
そして、いつもながら誠実と「純な熱」を絵に描いたような大谷さんの指揮。
立ちっ放しの3時間でしたが、幕間に体操などして、鑑賞中も足でリズム取ったりして、けっこう楽しかったです。
舞台から遠くて、ステージ上の友人知人たちの表情や細かな動きがはっきり見れなかったのだけは残念でした。
カーテンコール後、すぐにホールを飛び出し、私が駆け込むまで待っていてくれた(みたいな)近鉄急行に飛び乗って、帰りました。
幸せなひとときでした。
今回の上演にかかわった多くの方々、本当にお疲れ様でした。すばらしいステージをありがとうございました。
確実に進化しているめぐぞうさんを聴けて、本当にうれしく思いました。
自分には想像もつきませんが、これだけのステージを実現させるまでには、大変な努力と根気が必要だったことでしょうね。
前回の「魔笛」以上に感動しました。
もちろん、応援し続けたいと思います。
次はいつになるのかな?楽しみです。
セリフは、レコードの対訳などと比べたら、もう全然違いました。会場全体が「内輪ネタ」を共有できるのも地方公演ならではですね。
オルロフスキー(ずぼん役)もぴったんこの風格で、「退屈病」の微妙な雰囲気もばっちり感じさせてました。
この半年、家庭を犠牲にして稽古や制作に没頭しましたが(笑)こんな舞台が伊勢でできたことが夢のようです。あっという間に過ぎ去ってしまいましたが、恐らくこれからも続く音楽活動の節目となり、更にいい音楽を創りだそうと思いました。それでこそ今回の公演が『いい舞台だった』と語り継がれると思います。
先生、これからもどうぞ応援してください。ありがとうございました!