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バーンスタイン生誕100年祭。
今回はリマスター・エディションではなく、最近届いた1枚です。
ハイドン/ミサ曲第7番ハ長調「戦時のミサ」
パトリシア・ウェルズ(sop)
グヴェンドリン・キルレブルー(m-sop)
アラン・ティトゥス(ten)
マイケル・デヴリン(br)
ノーマン・スクリブナー合唱団
レナード・バーンスタイン指揮の管弦楽団
1973年1月20日、ワシントン・ナショナル・カテドラル
“・・・この曲を録音したしたのは1973年1月20日、首都ワシントンのワシントン・カシードラル(大聖堂)においてだが、この日はリチャード・ニクソンの大統領就任式の日でもあった。
実は1日前の19日夜、この同じ大聖堂でバーンスタインは「平和のためのコンサート」を企画し、この曲を演奏しており、このレコードからあがる全収益も、ベトナム平和促進の活動のため、大聖堂のフランシス・セイヤー司祭長の自由裁量で使える基金の一部に寄付されることになっているのだ(「現代を生きるバーンスタイン(木村英二)」~CBSソニーSOCO46ライナー・ノートより~)”
手塚治虫のマンガ「雨のコンダクター」でも描かれた、有名な「平和のためのコンサート」、その翌日のセッション録音です。
このコンサートについては、当時のFM雑誌や音楽雑誌でも採り上げられました。
“19日、つまり大統領の就任式の前夜には、全く対照的なムードの二つの音楽会があった。(中略)一つのコンサートは、ケネディ・センターでオーマンディが指揮したフィラデルフィア管弦楽団の演奏会で、例の勝ち誇った大砲の音を入れたチャイコフスキーの序曲「1812年」が演奏された。
こちらの演奏会は就任式委員会の企画した正式行事で、正装して来なければならず、250ドル以上の席を買った人には、ニューヨーク市内ロング・アイランド産の仔鴨とカリフォルニア・ワインつきのキャンドルライト・ディナーも用意される。
一方のバーンスタインの演奏会は非公式で、タダ(無料)で、席は早い者勝ち、抗議というよりはむしろ‘平和の嘆願’をスローガンにしていたが、曲目の選択という点だけからみても、両者の意図の対立は明白だった(引用、前述と同じ)”
雨の中、大変な数の人がつめかけ、中に入り切れなかったたくさんの人たちは外部スピーカーから流れる演奏に耳を傾けた・・・などなど、当時からちょっと「伝説」っぽいコンサートとして私は認知していました。
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この演奏を初めて聴いたのはFMでした。
吉田秀和氏の「名曲の楽しみ」で採り上げられ、その放送を吉田さんの話共々丸ごとラジカセで録って、それを繰り返し聴いたものです。
「アニュス・デイ」における強烈なティンパニの強打は、今聴いても身震いするものがありますが、当時、(たぶん)多感な中三だった私にとっては、それこれ全身に電気が走るかのような衝撃でした。
上に書いたようなコンサートの経緯について知っていましたから、思いっきりバイアスがかかっており、なおさらでした。
レコードは、その後、東京に出向いたときに中古で買いました。
77年か78年か、そのあたりでした。
CDは、ロイヤル・エディション盤で聴いてきました。
CD化されて、録音はややよくなった印象でしたが、今回のセットに入っているものは、さらに音が整えられている印象でした。
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もともとSQ4チャンネルということで、ソリストの配置はヴェルディ「レクイエム」と同じく通常とは逆の並びになっています(合唱は通常通り)。
オーケストラは「急きょ掻き集められた」ということですが、今回のセットでは「ニューヨーク・フィル」となっています。
これ、たぶん間違いでしょう。
(あるいは(寄せ集め」とは言え、ニューヨーク・フィル主体であったということなのか???)
このような大きなセットもののデータ間違い、けっこうありますね。困ったものです。
それはともかく、寄せ集めオケとはいえ、終始「有機的」な響きが聴かれる、これはまさに「心がこもり切った」名演奏です。
バーンスタインが後年バイエルン放送響と再録音したものより、私はこちらが好きです。
今回はリマスター・エディションではなく、最近届いた1枚です。
ハイドン/ミサ曲第7番ハ長調「戦時のミサ」
パトリシア・ウェルズ(sop)
グヴェンドリン・キルレブルー(m-sop)
アラン・ティトゥス(ten)
マイケル・デヴリン(br)
ノーマン・スクリブナー合唱団
レナード・バーンスタイン指揮の管弦楽団
1973年1月20日、ワシントン・ナショナル・カテドラル
“・・・この曲を録音したしたのは1973年1月20日、首都ワシントンのワシントン・カシードラル(大聖堂)においてだが、この日はリチャード・ニクソンの大統領就任式の日でもあった。
実は1日前の19日夜、この同じ大聖堂でバーンスタインは「平和のためのコンサート」を企画し、この曲を演奏しており、このレコードからあがる全収益も、ベトナム平和促進の活動のため、大聖堂のフランシス・セイヤー司祭長の自由裁量で使える基金の一部に寄付されることになっているのだ(「現代を生きるバーンスタイン(木村英二)」~CBSソニーSOCO46ライナー・ノートより~)”
手塚治虫のマンガ「雨のコンダクター」でも描かれた、有名な「平和のためのコンサート」、その翌日のセッション録音です。
このコンサートについては、当時のFM雑誌や音楽雑誌でも採り上げられました。
“19日、つまり大統領の就任式の前夜には、全く対照的なムードの二つの音楽会があった。(中略)一つのコンサートは、ケネディ・センターでオーマンディが指揮したフィラデルフィア管弦楽団の演奏会で、例の勝ち誇った大砲の音を入れたチャイコフスキーの序曲「1812年」が演奏された。
こちらの演奏会は就任式委員会の企画した正式行事で、正装して来なければならず、250ドル以上の席を買った人には、ニューヨーク市内ロング・アイランド産の仔鴨とカリフォルニア・ワインつきのキャンドルライト・ディナーも用意される。
一方のバーンスタインの演奏会は非公式で、タダ(無料)で、席は早い者勝ち、抗議というよりはむしろ‘平和の嘆願’をスローガンにしていたが、曲目の選択という点だけからみても、両者の意図の対立は明白だった(引用、前述と同じ)”
雨の中、大変な数の人がつめかけ、中に入り切れなかったたくさんの人たちは外部スピーカーから流れる演奏に耳を傾けた・・・などなど、当時からちょっと「伝説」っぽいコンサートとして私は認知していました。

この演奏を初めて聴いたのはFMでした。
吉田秀和氏の「名曲の楽しみ」で採り上げられ、その放送を吉田さんの話共々丸ごとラジカセで録って、それを繰り返し聴いたものです。
「アニュス・デイ」における強烈なティンパニの強打は、今聴いても身震いするものがありますが、当時、(たぶん)多感な中三だった私にとっては、それこれ全身に電気が走るかのような衝撃でした。
上に書いたようなコンサートの経緯について知っていましたから、思いっきりバイアスがかかっており、なおさらでした。
レコードは、その後、東京に出向いたときに中古で買いました。
77年か78年か、そのあたりでした。
CDは、ロイヤル・エディション盤で聴いてきました。
CD化されて、録音はややよくなった印象でしたが、今回のセットに入っているものは、さらに音が整えられている印象でした。
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もともとSQ4チャンネルということで、ソリストの配置はヴェルディ「レクイエム」と同じく通常とは逆の並びになっています(合唱は通常通り)。
オーケストラは「急きょ掻き集められた」ということですが、今回のセットでは「ニューヨーク・フィル」となっています。
これ、たぶん間違いでしょう。
(あるいは(寄せ集め」とは言え、ニューヨーク・フィル主体であったということなのか???)
このような大きなセットもののデータ間違い、けっこうありますね。困ったものです。
それはともかく、寄せ集めオケとはいえ、終始「有機的」な響きが聴かれる、これはまさに「心がこもり切った」名演奏です。
バーンスタインが後年バイエルン放送響と再録音したものより、私はこちらが好きです。
これはSQ4チャンネルの癖をうまく聴きやすくしたなぁとお気に入りです。
そうか、明日はいよいよ生誕100年ですね。レコ芸9月号でも表紙&特集になっていました。
昔、ソニーの廉価盤(と言っても2000円くらいはした)で買った聴いた音源(それらのいくつかは、あまり音のよくない1000円くらいの廉価盤CDでも出ていた)を、ジャケにひかれて、ぽつりぽつりと買ってみるかなあ。
謙一さん、やはりダットン盤(SACD)買われましたか。私も、ぼちぼちと高音質盤に手を出しつつありますが、先立つものとの相談の日々です。
モトさん、国内千(+α)円盤、まだ1枚も買っていません。その前にBPOとのマラ9を国内緑盤で買い直してみようかな?なんて考え中です。