ベートーヴェン/ピアノ・ソナタ第15番ニ長調「田園」op.28
ピアノ:ジャン・ベルナール・ポミエ
録音:1992年
ジャン・ベルナール・ポミエの弾くベートーヴェン・ピアノ・ソナタ全集を、もう随分と前から順番に聴いています。
先日、やっと20番まで来ました。
いよいよ、(あまり気が進まない)21番「ワルトシュタイン」ですが、その前に小休止(私の「小休止」は結構長い・・・)。
ピアノ・ソナタには好きな作品がたくさんありますが(というか、ほとんど好きです)、ここ数年は15番ニ長調がとても気に入っています。
通称「田園」と呼ばれています。
シュナーベルの全集を聴いた時は、この曲から聴き始めて、前期と後期の両端から真ん中へと互い違いに聴き進んで行きました。
牧歌調のヘ長調ではありませんが、いかにも「田園(パストラル)風」を思わせる持続低音(ドローン)を持つ両端楽章や終楽章の田園舞曲風のリズムなどから、出版社が「田園」と銘打ったらしいですね。
で、私は、この持続低音の上に控えめに歌いだされる両端楽章が特に気に入っています。
ベートーヴェンにしては「ほどほど」の燃焼度であることも聴き易い一因かも知れません。
1番からずっと聴いてきたポミエのスタイルから予想するに、この曲に関しては、私的には「ややミスマッチかな?」と思いましたが、いや、なかなか素晴らしかった。
ちょっと「見え過ぎちゃって困る」感はありましたけどね。
優れた楽曲は多様なアプローチに十分に耐えうる許容力を持っているのだとあらためて思ったのでした。
それにしても、ポミエのタッチは聴いていて本当に気持ちいい。
もう何というか「小賢しい」とか「指先のなんとか」とスレスレなんだけど全然違う。
センスなんですかね。よく分かりませんが、とにかくいい。
「ワルトシュタイン」以降も早く聴きますか。
珍しく予約購入までしたポリーニの全集が、棚で「早く聴いてよ」と待っていますので。
聴くころには廉価再発なんてことになってしまうと可哀そうですもんね。
しかし・・・昨夜は寝落ちにバックハウスの同曲を聴いてたら、結局最後まで聴いてしまいました。
バックハウスは別格です。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます