モコモコとした古い音の向こうから真摯な音楽が語りかけてきました・・・。
ベートーヴェン/交響曲第7番 イ長調作品92
管弦楽:ベルリン国立歌劇場管弦楽団
指揮:ハンス・クナッパーツブッシュ
録音:1929年
グリーンドア盤
ずっと前、LPの時代に東芝EMI(当時は、「東芝音工」だったかな?)から「9人の指揮者によるベートーヴェン交響曲全集」というのが出ました。
全てモノラルのヒストリカル音源によるセットでしたが、その中の7番が、このクナッパーツブッシュ盤でした。
1929年の、とても古めかしい音で、当時は特にクナッパーツブッシュらしさも感じることができず、一応、カセットにコピーしたものの聴き返すこともほとんどなく40年ほどが過ぎていました。
先日、この演奏のCDを入手しました。
クナの演奏を、そんなにたくさん聴いているわけではなく、新しく出合う度に、私の「クナ観」は広がり続けているわけですが、それでも、この演奏では(私でも知っている範囲の)「クナらしさ」は、まだ希薄かと思います。
しかし、よくよく耳を澄ませて聴いていると、「未来のクナ」に連なる音楽が鳴っていることに気が付きます。
まずは冒頭から9小節までのフォルテの和音と漂うような管のフレーズの対話。
陳腐なたとえで申し訳ありませんが、この曲は、この冒頭部分で、それが(あとがどうなろうと)「地上の演奏」か「天上の演奏」なのか決定されると私は思っています。
どんなに美しく絶妙であっても「地上の演奏」である場合もあり、逆に霞がかかっていたり、ささくれだっていたりしても「天上の演奏」の場合もあります。
今、即座に思い浮かぶのは、いくつかあるフルトヴェングラー指揮の同曲。
それらはいずれも「天上」だと私は思っています。
このクナッパーツブッシュの古い録音はどうだったかと言うと、これも「天上」の音楽になっていました。
それから第2楽章の終結に向かっていくp(ピアノ)、pp(ピアニシモ)が続く部分。
この、まるで辺りがみるみる夕闇から暗闇へと移ろいゆくような見事な表現は、他の演奏では聴いた憶えがありません。
クナッパーツブッシュの指揮では、テンポの変化や間合いの取り方が(よく言われているのとは逆に)全く自然で必然的に聴こえることがよくありますが、ここもその一例でしょう。
このCDはクリストファ・N・野澤氏の所有するSP盤を「銘器クレデンザによるアコースティック再生をそのままステレオ収録した」とあります。
たしかに、他のSP復刻盤たちとは一風変わった再生音でありました。
クナッパーツブッシュのベト7は他にもあるようですが、それは未聴です。
ベートーヴェン/交響曲第7番 イ長調作品92
管弦楽:ベルリン国立歌劇場管弦楽団
指揮:ハンス・クナッパーツブッシュ
録音:1929年
グリーンドア盤
ずっと前、LPの時代に東芝EMI(当時は、「東芝音工」だったかな?)から「9人の指揮者によるベートーヴェン交響曲全集」というのが出ました。
全てモノラルのヒストリカル音源によるセットでしたが、その中の7番が、このクナッパーツブッシュ盤でした。
1929年の、とても古めかしい音で、当時は特にクナッパーツブッシュらしさも感じることができず、一応、カセットにコピーしたものの聴き返すこともほとんどなく40年ほどが過ぎていました。
先日、この演奏のCDを入手しました。
クナの演奏を、そんなにたくさん聴いているわけではなく、新しく出合う度に、私の「クナ観」は広がり続けているわけですが、それでも、この演奏では(私でも知っている範囲の)「クナらしさ」は、まだ希薄かと思います。
しかし、よくよく耳を澄ませて聴いていると、「未来のクナ」に連なる音楽が鳴っていることに気が付きます。
まずは冒頭から9小節までのフォルテの和音と漂うような管のフレーズの対話。
陳腐なたとえで申し訳ありませんが、この曲は、この冒頭部分で、それが(あとがどうなろうと)「地上の演奏」か「天上の演奏」なのか決定されると私は思っています。
どんなに美しく絶妙であっても「地上の演奏」である場合もあり、逆に霞がかかっていたり、ささくれだっていたりしても「天上の演奏」の場合もあります。
今、即座に思い浮かぶのは、いくつかあるフルトヴェングラー指揮の同曲。
それらはいずれも「天上」だと私は思っています。
このクナッパーツブッシュの古い録音はどうだったかと言うと、これも「天上」の音楽になっていました。
それから第2楽章の終結に向かっていくp(ピアノ)、pp(ピアニシモ)が続く部分。
この、まるで辺りがみるみる夕闇から暗闇へと移ろいゆくような見事な表現は、他の演奏では聴いた憶えがありません。
クナッパーツブッシュの指揮では、テンポの変化や間合いの取り方が(よく言われているのとは逆に)全く自然で必然的に聴こえることがよくありますが、ここもその一例でしょう。
このCDはクリストファ・N・野澤氏の所有するSP盤を「銘器クレデンザによるアコースティック再生をそのままステレオ収録した」とあります。
たしかに、他のSP復刻盤たちとは一風変わった再生音でありました。
クナッパーツブッシュのベト7は他にもあるようですが、それは未聴です。
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