ビストロ レアール

石川県小松市にある「ビストロ レアール」のシェフがつづるあんなことこんなこと

ジャルディニエのアラン

2005年07月23日 | フランスこぼれ話
ノルマンディーで働いていた時
私の部屋の隣りに
アランの仕事古屋がありました
仕事小屋と言うほどのものではないのですが
庭仕事の道具が置いてあり
よく ジャンルーやキュイジニエの溜まり場になっていました

それも そのはず
彼の穏やかな人柄でだれにでも
好かれていました
彼が怒ったのを見たのは一度だけ

ハーブ園のセルフィーュを
誰かが
いいかげんに刈り取って
セルフィーュの所だけ
ぐちゃぐちゃになっていた時だけです

アランには二人の娘がいて
確か5歳と七歳で超かわいかったのを覚えています
アランの家に夕食に呼ばれた時
夕食前にガレージでアランと卓球をしていると
ドアのかげから二人で
はずかしそうなものめずらしいそうな
かんじで目が合うと
ニコッとしてうつむいて
フランス人形のような
愛らしい子達でした

夕食の時間になり
アランと奥さんと二人の娘達二人と
5人でテーブルに

私が持っていったワインを開け
前菜にサラダとジャンボン ド パリ(豚のもも肉を整形してあるハム)
メインディッシュはピザ ワンカット!
地元特産ご存知
カマンベールチーズ
(フランスの発音ではCから始まる単語はキャと発音するので
ここでは正しくはキャマンベールです)
残りのワインを開けて
じつに一時間

「シンプルでしょもちろん
寮に帰った時には
サンドウィッチを頬張りました!」

食事中はつたないフランス語で
あれやこれや話しました
娘さん達に折り紙の鶴を折って
プレゼントすると
みんな驚いて
作り方を教えてほしいと言われ
子供達とアランと奥さんも一生懸命になって
出来上がったときには
みんな大感激!でした

次の日に
アランが
「マサこれうちの娘達から」と
渡された封筒のなかには
娘さんたちがクレヨンで
一生懸命に書いた絵が入っていました

下の娘さんが家の絵を(後にグランメゾン ミッシェルトラマ)
上の娘さんの絵にはフランス国旗はためく白い船に
ボーダーのシャツを着た船員さんが描かれていて
(後に船で行くクラブメッド グルメツアー
フランス ニューヨーク十四日間船の旅にと勝手にこじつけています)
二枚とも
大きかったり小さかったりのアルファベットで
pour massaマサへと書かれていて
最高にうれしかったのを覚えています

そんな温かい家族で
ノルマンディのレストランを
上がる時には
「マサ フランスで何かあったら 電話しろよ」と
言ってくれたアランも私の良き友達でした。



アラン!
今だから言うけど
セルフィーュ刈り取ったの
セドリックだぞー



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