地上を旅する教会

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でもその一滴の水があつまって大海となるのです。

時の満ちるに及んで【“崩壊”寸前の中央アフリカ共和国】

2014-02-11 19:02:39 | 今日の御言葉
photo 上村愛子 (産経新聞2014.2.10 写真)



御旨の奥義を、
自らあらかじめ定められた計画に従って、
わたしたちに示して下さったのである。

それは、時の満ちるに及んで
実現されるご計画にほかならない。

それによって、
神は天にあるもの地にあるものを、
ことごとく、キリストにあって一つに
帰せしめようとされたのである。

「エペソ人への手紙」 1章9, 10節
新約聖書 口語訳




神様は常にあなたのことを
愛しておられます。
ですから、あなたは
神様に愛された分だけ
多くの人に尽くしてあげなさい。

人の和は、与えることによって
大きく広がっていきます。





★“崩壊”寸前の中央アフリカ共和国

◆ナショナルジオグラフィック 公式日本語サイト 2月10日(月)20時4分配信




▲チャドの特殊部隊の支援の下、中央アフリカ共和国の首都バンギから避難するイスラム教徒たち。宗教間の暴力によって数千人が命を奪われ、100万人近くが家を追われている。 (PHOTOGRAPH BY MARCUS BLEASDALE VII)

 中央アフリカ共和国に、再び暴力の火の手が上がっている。この数カ月で数千人が命を奪われ、人口の20%にあたる100万人近くが住む場所を失った。

 紛争が再燃したのは2012年12月。国際人権保護団体「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」によれば、イスラム教徒を中心とする反政府民兵組織の連合体「セレカ」と、キリスト教徒の民兵「アンチ・バラカ」が報復を繰り返し、数千人もの死者が出ているという。

 2013年3月を境に暴力はエスカレート。寄り合い所帯のセレカが首都を制圧、キリスト教徒のフランソワ・ボジゼ(Francois Bozize)大統領を亡命に追い込んだ。中央アフリカでは、人口の50%がプロテスタント・カトリックで、イスラム教徒は15%と少数派だ。

 ボジゼ氏の後釜に座ったのは、中央アフリカ初のイスラム教徒の大統領ミシェル・ジョトディア(Michel Djotodia)氏。しかしその後、賃金未払いなど不満が募ったセレカに離反が相次ぎ、同年9月にジョトディア氏は解散を宣言する。混乱収拾には至らず今年の1月10日、収まらない宗教間対立に対する国際的な圧力を受けて辞任した。

 後任には、中央アフリカ初の女性大統領、カトリーヌ・サンバパンザ(Catherine Samba-Panza)氏が就任。首都バンギの元市長でキリスト教徒だが、イスラム教徒からも支持を得られる超党派と期待されている。

 議会選出の後、さっそく双方に平和を呼び掛けたサンバパンザ氏だが、暴力の応酬はいまだ続いているという。ナショナル ジオグラフィックの寄稿者で、数カ月にわたって中央アフリカの危機を記録しているイギリスの報道写真家、マーカス・ブリーズデール(Marcus Bleasdale)氏に話を聞いた。

◆ここ数日の様子はどうですか?

 恐怖としか言いようがありません。実質的な国の体制は崩壊寸前です。私がアフリカ各地で目撃した中でも最も恐ろしく残忍な方法で、毎日のように隣人同士が命を奪い合っています。リンチや暴徒による襲撃も頻発し、腕を切り落としたり、タイヤを首に掛けさせガソリンをかぶせて火を付けるのです。タイヤネックレス(Necklacing)という蛮行で、まるで1990年の南アフリカのようです。

 今日だけでも、命の危険を感じたイスラム教徒1万人が、バンギや周辺の町から北の隣国チャドに逃げ込んでいます。切り刻まれたり、路上で暴徒に襲われるといった残虐行為が絶えないからです。地域や家、モスクは略奪や放火に遭い、避難するしかない状況です。

◆暴力の発端は何ですか?

 暴力と憎悪の原因は、数カ月に及んだイスラム教徒の連合体セレカによる統治です。率直に言って、キリスト教徒に対する仕打ちは恐ろしいものでした。

 私は、セレカによる暴虐を1年を通じて取材したのでよく知っています。多くのキリスト教徒がバンギを去り、数千人が茂みに身をひそめ、10万人以上が空港の難民キャンプに逃げ込みました。

 昨年3月以降の中央アフリカは地獄そのものでした。

◆フランス兵1600人とアフリカ連合の兵士4000人が現地の平和維持に尽力していますが、どれくらいの効果が出ていますか?

 彼らの派遣は歓迎すべきですが、とても現実に対処できる人数ではありません。実に勇敢な仕事ぶりとは言え、この国はフランスより大きいのです。周辺の町は言うまでもなく、バンギの統制すら追いついていません。

 今日も車を運転していると、酷いリンチを受けた遺体が道路に横たわっていました。同じような光景を今日だけで7度も目にしています。

◆状況は悪化しているのですか?

 国際社会や政治家は否定しますが、私の16年間の取材中、最も暴力と憎しみに満ちていることは確かです。

 昨日、3万人以上のイスラム教徒が暮らす町を訪れました。8つのモスクはキリスト教徒にすべて焼き払われ、残っていたのはわずか300人だけです。今は、フランスの平和維持部隊が周囲を固めるモスクに身を寄せています。

◆現在の政治状況は?

 議会選出により、新大統領が誕生しました。彼女の言葉はとても平和的で希望に満ちており、暴力をやめるよう訴え掛けています。

 数日前、彼女は、キリスト教徒主体のFACA(国軍)に向けて演説、暴力を終わらせなければならないと訴えました。ところが、大統領が去ってわずか5分後、FACAは各国の報道陣の目の前でイスラム教徒の男性に襲いかかり、惨殺したのです。まったく手が付けられないほどの混乱状態です。

Brian Clark Howard, National Geographic News


★集団殺害・レイプ容疑…国際刑事裁が予備的調査

◆2014年2月8日18時28分  読売新聞

 【ブリュッセル=寺口亮一】オランダ・ハーグの国際刑事裁判所(ICC※)のベンソウダ主任検察官は7日、キリスト教系とイスラム教系の武装勢力同士による抗争が続く中央アフリカで、集団殺害や人道に対する罪などICCが裁く犯罪が行われた可能性があるとして、予備的調査を開始すると発表した。


 同氏は声明で、2012年9月以降、宗教の違いを理由に何百件もの殺人やレイプ、拷問などが行われた疑いがあると指摘した。情報収集と分析を行い、正式な捜査に移行するかどうか決定する。

 旧宗主国フランスやアフリカ連合(AU)が軍事介入している中央アフリカには、欧州連合(EU)も加盟国で組織する部隊を派遣する方針を決めている。

 ※ICC=International Criminal Court

(2014年2月8日18時28分  読売新聞)




【今日の御言葉】