アルブレヒト・デューラー作/1498年
http://christimages.org/biblestories/sodom_and_gomorrah.htm
ソドムやゴモラ、
またその周辺の町は、
この天使たちと同じく、
みだらな行いにふけり、
不自然な肉の欲の満足を
追い求めたので、
永遠の火の刑罰を受け、
見せしめにされています。
「ユダの手紙」/ 7節
新約聖書 新共同訳
ベンジャミン・ウエスト作/1810年
★アルゼンチン大統領、
同性婚カップルの娘のゴッドマザーに
◆AFPBB News2014年4月7日
▲アルゼンチン・コルドバ(Cordoba)のカトリック教会で、洗礼式を終えた娘のウンマ・アスール(Umma Azul Villarroel)ちゃん(2か月)を抱いて笑顔を見せる同性婚カップルのソレダード・オルティス(Soledad Ortiz)さん(右)と、娘のゴッドマザーを引き受けてくれたクリスティナ・フェルナンデス・デ・キルチネル(Cristina Fernandez de Kirchner)大統領の写真を手にするカリーナ・ビジャロエル(Karina Villarroel)さん(2014年4月5日撮影)。(c)AFP/Diego LIMA
【4月7日 AFP】アルゼンチン北部コルドバ(Cordoba)のカトリック教会で5日、同性婚カップルの生後2か月になる娘の洗礼式が行われ、クリスティナ・フェルナンデス・デ・キルチネル(Cristina Fernandez de Kirchner)大統領がこの女児の「ゴッドマザー(代母)」を務めた。
アルゼンチンでは2010年にフェルナンデス大統領の下、中南米で初めて同性婚が合法化され、同性婚カップルの養子縁組も可能になった。しかし、レズビアン(女性同性愛者)カップルの間の子が国内のカトリック教会で洗礼を受けるのは、今回が初めてとみられる。
ウンマ・アスール・ビジャロエル(Umma Azul Villarroel)ちゃんは1月27日、同性婚カップルのカリーナ・ビジャロエル(Karina Villarroel)さんとソレダード・オルティス(Soledad Ortiz)さんの娘として、ソレダードさんの体外受精によって生まれた。
カリーナさんが1日にAFPの取材に明かしたところによると、カリーナさんとソレダードさんは交流サイトのフェイスブック(Facebook)上で、2人の子の母親であるフェルナンデス大統領に「ゴッドマザーになってほしい」と依頼したという。
大統領はこの依頼を快諾し、洗礼式には代理人として海軍のクラウディア・フェノッキオ(Claudia Fenocchio)副官が出席した。
(c)AFP
(AFPBB News2014年4月7日)
★同性婚に反対の米CEO辞任、
欧州の状況は?
小林恭子:リポート:IT&メディア
◆読売新聞(YOMIURI ONLINE)2014年4月8日
ウェブブラウザー「ファイヤーフォックス」を開発する米モジラ社の経営陣トップが、3日、就任から10日ほどで辞任する羽目になった。
6年前、同性同士の結婚に反対する陣営に寄付を行っていたことが問題視されたのだ。世界の先陣を切って同性婚を合法化したのはオランダで、米国では一部の州で合法となっている。同性婚についての態度が経営陣の辞任問題にまで発展するようになった。これまでの経緯と欧州の状況を考えてみた。
▲アイク氏のトップ就任の日、プログラマーの一人が疑問を呈するブログを書いた
モジラ(本社米カリフォルニア州マウンテン・ビュー)の共同創業者で最高経営責任者(CEO)だったブレンダン・アイク氏は、プログラミング言語「Java Script」(ジャバ・スクリプト)の生みの親としても知られる人物だ。
カリフォルニア州では2008年、一時、同性婚が認められた。しかし、これを不服とする声が広がり、住民投票が行われることになり、結婚を男女間に限定し同性婚を禁ずる規定を盛り込んだ州憲法の修正案「提案8号」が投票にかけられた。このとき、アイク氏は提案8号を支持する陣営に1000ドルを寄付していた。法案は可決されたものの、後に連邦最高裁の判断で違憲となった。現在、同州での同性婚は合法となっている。
今年3月24日、アイク氏はモジラのCEOに就任した。寄付の件は以前から知られていたが、トップの座に着任後、注目度が高まった。
就任の挨拶をしたためたブログに、アイク氏は「すべての従業員が平等に扱われ、歓迎されるよう」努力するという決意を述べた。「世界中のさまざまな人々で構成されるモジラが、共通の目的のためにともに働く」ようにするために、「性的少数者」(LGBT=レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランス・ジェンダーの英語の頭文字を並列)の従業員からの助言や支援をいただきたいと表明した。
LGBTの従業員が新経営陣の下では平等に扱われない、歓迎されないという懸念が出るだろうことをアイク氏は自覚していたようだ。
しかし、アイク氏の就任後、怒りを表明する声がソーシャルメディアに発生し、従業員の1人がブログで人事に疑問を呈した。結果、CEO選任に抗議して経営陣3人が辞任した(モジラ側はアイク氏の就任と辞任とは関係がないと説明している)。
大手デート・サイト「OkCupid」も抗議の意を表明した。モジラ社のブラウザー、ファイヤーフォックスを使って同サイトにアクセスすると、「アイク氏は同性愛者のカップルに反対する人物」なので、同社のブラウザー利用者はサービスを利用できないとするメッセージを画面に出した。
アイク氏が辞任を決めたのはこの抗議運動発生から間もなくであった。
性別や年齢、人種の違いのみならず、性の指向によっても人は差別されるべきではない――こうした考え方が欧米諸国で浸透してきた。しかし、同性婚の合法化まで進んでいる国は必ずしも多くはない。
米国で同性婚が認められている、あるいはまもなく認められる予定となっているのは17州だ。
欧州ではオランダ(2000年)に続いた国として、ベルギー、デンマーク、フランス、アイスランド、ノルウェー、ポルトガル、スペイン、スウェーデン、英国(イングランド・ウェールズ地方)がある。欧米以外ではアルゼンチン、ニュージーランド、南アフリカ、ブラジル、カナダ、ウルグアイ、メキシコ(一部のみ)。
欧州諸国で同性愛自体を違法とする国はないが、同性愛に対する見方は地域によって大きく異なる。昨年、ロシアでは18歳以下に同性愛の情報を宣伝すると罰金が科される同性愛者宣伝禁止法が施行された。今年2月ロシア南部ソチで開催された冬季五輪の際、この法律に抗議するデモが発生し、英国でも著名文化人、知識人らがソチ五輪をボイコットするべきだと政府に呼びかけた。
米シンクタンク、ピュー・リサーチ・センターの調査リポート(昨年12月)によると、欧州では地域によって同性愛の支持率が大きく上下する。
同性婚以前の認識として、「同性愛者は自分たちの思うままに自由に生きるべき」と言う見方に賛成した人の割合は西欧・北欧で圧倒的に高い。トップのオランダが92%、これにスウェーデン、デンマーク、ベルギー、英国、ノルウェー、フランス、アイルランド、スイス、ドイツ、スペインが続いた(80%以上)。
一方、東欧・南欧では支持率が低くなる。チェコが65%、ギリシャが50%、スロベニア、ブルガリア、ハンガリー、ポーランド、スロバキア、エストニアが40%台で、クロアチアが38%、リトアニアとウクライナが28%、そしてロシアは25%であった。
リポート内の調査によると、同性婚や同性同士のカップルの養子縁組を支持する人はオランダ、ベルギー、スペインなどで70%以上を占める一方で、東欧のポーランド、ハンガリーでは20―30%であった。アイク氏の同性婚反対陣営への寄付行為は、国によって欧州では問題とはならなかったかもしれない。
英イングランド・ウェールズ地方では3月29日に同性婚が合法化されたばかりだ。2005年からは、同性の2人の関係(パートナーシップ)に対して、男女の夫婦とほぼ同等の権利を認める法律「市民パートナーシップ法」が施行されたが、今回は「結婚」が可能になった。
英国国教会の教会法は結婚を「男性1人と女性1人」の結合と定めている。同性婚が合法となる以前は反対の立場をとってきた教会は、法律施行後、同性婚の儀式の遂行を強制されない権利を得た。
過去の寄付行為で辞任したモジラのアイク氏。「過剰な迫害にあったのではないか」とBBCのテクノロジー担当記者が、4日、モジラに勤務するデベロッパーの1人に聞いている。このデベロッパー自身が同性愛者である。「そうは思わない。アイク氏が過去に人種差別や女性蔑視の運動に加担していたということが早く分かっていたら、もっと多くの人がすぐに辞任するように言ったのではないだろうか」と答えている。「同性愛者の問題と言うよりも、人権の問題なのではないか」。
アイク氏が何らかの宗教的な理由から同性婚に反対したのかどうかは不明だが、急展開となった辞任劇。果たして不当に押し出されたのか、当然の報いだったのか、議論は続きそうだ。
2014年04月08日 09時09分 Copyright
© The Yomiuri Shimbun
(読売新聞(YOMIURI ONLINE)2014年4月8日)
また、神はソドムとゴモラの町を
灰にし、滅ぼし尽くして罰し、
それから後の不信心な者たちへの
見せしめとなさいました。
ペトロの手紙二/ 2章 6節
ジョン・マーティン作「ソドムとゴモラ」1854年
ジャン=バティスト・カミーユ・コロー作/1857年
【今日の御言葉】
http://christimages.org/biblestories/sodom_and_gomorrah.htm
ソドムやゴモラ、
またその周辺の町は、
この天使たちと同じく、
みだらな行いにふけり、
不自然な肉の欲の満足を
追い求めたので、
永遠の火の刑罰を受け、
見せしめにされています。
「ユダの手紙」/ 7節
新約聖書 新共同訳
ベンジャミン・ウエスト作/1810年
★アルゼンチン大統領、
同性婚カップルの娘のゴッドマザーに
◆AFPBB News2014年4月7日
▲アルゼンチン・コルドバ(Cordoba)のカトリック教会で、洗礼式を終えた娘のウンマ・アスール(Umma Azul Villarroel)ちゃん(2か月)を抱いて笑顔を見せる同性婚カップルのソレダード・オルティス(Soledad Ortiz)さん(右)と、娘のゴッドマザーを引き受けてくれたクリスティナ・フェルナンデス・デ・キルチネル(Cristina Fernandez de Kirchner)大統領の写真を手にするカリーナ・ビジャロエル(Karina Villarroel)さん(2014年4月5日撮影)。(c)AFP/Diego LIMA
【4月7日 AFP】アルゼンチン北部コルドバ(Cordoba)のカトリック教会で5日、同性婚カップルの生後2か月になる娘の洗礼式が行われ、クリスティナ・フェルナンデス・デ・キルチネル(Cristina Fernandez de Kirchner)大統領がこの女児の「ゴッドマザー(代母)」を務めた。
アルゼンチンでは2010年にフェルナンデス大統領の下、中南米で初めて同性婚が合法化され、同性婚カップルの養子縁組も可能になった。しかし、レズビアン(女性同性愛者)カップルの間の子が国内のカトリック教会で洗礼を受けるのは、今回が初めてとみられる。
ウンマ・アスール・ビジャロエル(Umma Azul Villarroel)ちゃんは1月27日、同性婚カップルのカリーナ・ビジャロエル(Karina Villarroel)さんとソレダード・オルティス(Soledad Ortiz)さんの娘として、ソレダードさんの体外受精によって生まれた。
カリーナさんが1日にAFPの取材に明かしたところによると、カリーナさんとソレダードさんは交流サイトのフェイスブック(Facebook)上で、2人の子の母親であるフェルナンデス大統領に「ゴッドマザーになってほしい」と依頼したという。
大統領はこの依頼を快諾し、洗礼式には代理人として海軍のクラウディア・フェノッキオ(Claudia Fenocchio)副官が出席した。
(c)AFP
(AFPBB News2014年4月7日)
★同性婚に反対の米CEO辞任、
欧州の状況は?
小林恭子:リポート:IT&メディア
◆読売新聞(YOMIURI ONLINE)2014年4月8日
ウェブブラウザー「ファイヤーフォックス」を開発する米モジラ社の経営陣トップが、3日、就任から10日ほどで辞任する羽目になった。
6年前、同性同士の結婚に反対する陣営に寄付を行っていたことが問題視されたのだ。世界の先陣を切って同性婚を合法化したのはオランダで、米国では一部の州で合法となっている。同性婚についての態度が経営陣の辞任問題にまで発展するようになった。これまでの経緯と欧州の状況を考えてみた。
▲アイク氏のトップ就任の日、プログラマーの一人が疑問を呈するブログを書いた
モジラ(本社米カリフォルニア州マウンテン・ビュー)の共同創業者で最高経営責任者(CEO)だったブレンダン・アイク氏は、プログラミング言語「Java Script」(ジャバ・スクリプト)の生みの親としても知られる人物だ。
カリフォルニア州では2008年、一時、同性婚が認められた。しかし、これを不服とする声が広がり、住民投票が行われることになり、結婚を男女間に限定し同性婚を禁ずる規定を盛り込んだ州憲法の修正案「提案8号」が投票にかけられた。このとき、アイク氏は提案8号を支持する陣営に1000ドルを寄付していた。法案は可決されたものの、後に連邦最高裁の判断で違憲となった。現在、同州での同性婚は合法となっている。
今年3月24日、アイク氏はモジラのCEOに就任した。寄付の件は以前から知られていたが、トップの座に着任後、注目度が高まった。
就任の挨拶をしたためたブログに、アイク氏は「すべての従業員が平等に扱われ、歓迎されるよう」努力するという決意を述べた。「世界中のさまざまな人々で構成されるモジラが、共通の目的のためにともに働く」ようにするために、「性的少数者」(LGBT=レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランス・ジェンダーの英語の頭文字を並列)の従業員からの助言や支援をいただきたいと表明した。
LGBTの従業員が新経営陣の下では平等に扱われない、歓迎されないという懸念が出るだろうことをアイク氏は自覚していたようだ。
しかし、アイク氏の就任後、怒りを表明する声がソーシャルメディアに発生し、従業員の1人がブログで人事に疑問を呈した。結果、CEO選任に抗議して経営陣3人が辞任した(モジラ側はアイク氏の就任と辞任とは関係がないと説明している)。
大手デート・サイト「OkCupid」も抗議の意を表明した。モジラ社のブラウザー、ファイヤーフォックスを使って同サイトにアクセスすると、「アイク氏は同性愛者のカップルに反対する人物」なので、同社のブラウザー利用者はサービスを利用できないとするメッセージを画面に出した。
アイク氏が辞任を決めたのはこの抗議運動発生から間もなくであった。
性別や年齢、人種の違いのみならず、性の指向によっても人は差別されるべきではない――こうした考え方が欧米諸国で浸透してきた。しかし、同性婚の合法化まで進んでいる国は必ずしも多くはない。
米国で同性婚が認められている、あるいはまもなく認められる予定となっているのは17州だ。
欧州ではオランダ(2000年)に続いた国として、ベルギー、デンマーク、フランス、アイスランド、ノルウェー、ポルトガル、スペイン、スウェーデン、英国(イングランド・ウェールズ地方)がある。欧米以外ではアルゼンチン、ニュージーランド、南アフリカ、ブラジル、カナダ、ウルグアイ、メキシコ(一部のみ)。
欧州諸国で同性愛自体を違法とする国はないが、同性愛に対する見方は地域によって大きく異なる。昨年、ロシアでは18歳以下に同性愛の情報を宣伝すると罰金が科される同性愛者宣伝禁止法が施行された。今年2月ロシア南部ソチで開催された冬季五輪の際、この法律に抗議するデモが発生し、英国でも著名文化人、知識人らがソチ五輪をボイコットするべきだと政府に呼びかけた。
米シンクタンク、ピュー・リサーチ・センターの調査リポート(昨年12月)によると、欧州では地域によって同性愛の支持率が大きく上下する。
同性婚以前の認識として、「同性愛者は自分たちの思うままに自由に生きるべき」と言う見方に賛成した人の割合は西欧・北欧で圧倒的に高い。トップのオランダが92%、これにスウェーデン、デンマーク、ベルギー、英国、ノルウェー、フランス、アイルランド、スイス、ドイツ、スペインが続いた(80%以上)。
一方、東欧・南欧では支持率が低くなる。チェコが65%、ギリシャが50%、スロベニア、ブルガリア、ハンガリー、ポーランド、スロバキア、エストニアが40%台で、クロアチアが38%、リトアニアとウクライナが28%、そしてロシアは25%であった。
リポート内の調査によると、同性婚や同性同士のカップルの養子縁組を支持する人はオランダ、ベルギー、スペインなどで70%以上を占める一方で、東欧のポーランド、ハンガリーでは20―30%であった。アイク氏の同性婚反対陣営への寄付行為は、国によって欧州では問題とはならなかったかもしれない。
英イングランド・ウェールズ地方では3月29日に同性婚が合法化されたばかりだ。2005年からは、同性の2人の関係(パートナーシップ)に対して、男女の夫婦とほぼ同等の権利を認める法律「市民パートナーシップ法」が施行されたが、今回は「結婚」が可能になった。
英国国教会の教会法は結婚を「男性1人と女性1人」の結合と定めている。同性婚が合法となる以前は反対の立場をとってきた教会は、法律施行後、同性婚の儀式の遂行を強制されない権利を得た。
過去の寄付行為で辞任したモジラのアイク氏。「過剰な迫害にあったのではないか」とBBCのテクノロジー担当記者が、4日、モジラに勤務するデベロッパーの1人に聞いている。このデベロッパー自身が同性愛者である。「そうは思わない。アイク氏が過去に人種差別や女性蔑視の運動に加担していたということが早く分かっていたら、もっと多くの人がすぐに辞任するように言ったのではないだろうか」と答えている。「同性愛者の問題と言うよりも、人権の問題なのではないか」。
アイク氏が何らかの宗教的な理由から同性婚に反対したのかどうかは不明だが、急展開となった辞任劇。果たして不当に押し出されたのか、当然の報いだったのか、議論は続きそうだ。
2014年04月08日 09時09分 Copyright
© The Yomiuri Shimbun
(読売新聞(YOMIURI ONLINE)2014年4月8日)
また、神はソドムとゴモラの町を
灰にし、滅ぼし尽くして罰し、
それから後の不信心な者たちへの
見せしめとなさいました。
ペトロの手紙二/ 2章 6節
ジョン・マーティン作「ソドムとゴモラ」1854年
ジャン=バティスト・カミーユ・コロー作/1857年
【今日の御言葉】