【遊月100物語 その4】日光二荒山神社離婚して一人でまだ幼い息子の、のっぶを育てることになった。小さい子どもを抱えての再就職はままならず、必死で探してなんとか小さい会社の事務のパートを見つけた。せっかく雇ってもらったのに、保育園に預け始めたのっぶは、短い間に何かといえば熱を出し、ある日とうとう水疱瘡になってしまった。一週間休みが欲しいと上司に伝えたら、「わかったよ、いつまでも休んでいなさい。もう . . . 本文を読む
【遊月100物語 その3 阿寒ヤイタイ島】まじで意味がわからなかった。ある時を境に、いわゆるスピリチュアルとかが好きな奴らが、どんどんこの小さな町に押し寄せてくるようになった。この町の湖に浮かぶ神の島とやらに行くために、わざわざ小船をチャーターして、パワースポットなんたらに行くことが、特別なことであるような顔をしながら受付にやってくる。事務の女の子を雇うまでもない小さな釣り船屋だから、受付から船で . . . 本文を読む
【遊月100物語 その2】カトリック小樽教会 富岡聖堂「今日の夜、サンタさん来てくれるかな」妹のまりかが、心配そうにそう聞いてきた。「昨日もお弁当のにんじん残していたし。まりかのところにサンタさんが来るなんて半分半分だよ」お姉さんのイゲンをタモつ声でそう言ってやる。私がまりかに話す態度がいつも偉そうだとママが言ったら、パパが「違うよ、ゆきなは姉としてのイゲンをタモつためにそんな言い方してんだよな」 . . . 本文を読む
【遊月100物語 その1】白石弁財天鯉が池で跳ねた音で目を覚ますと、新緑の木々に覆われた階段を、ひとりの女性がゆっくりと降りてくるのが見えた。池に浮かぶ祠の女神に願かけにやってきた人だろうか。私は池のそばの高い木の梢に腰掛けて、その子のことをぼんやり見ていた。橋を渡り始めたとき、その子は突然こちらを振り返った。その子と目があったので、ああ、私が見えるのだと思った。すると、「見えています」とその子が . . . 本文を読む
12月~1月のお勧めメニュー::::::::::୨୧::::::::::୨୧::::::::::୨୧:::::::::::プロローグと言う感じで物語をかけました。ちなみにこれは私の通っていた幼稚園の写真なのですが、恐ろしいことにあの頃とほとんど変わっていないのです。本当は昨日行った白石神社とかもう一つの神社のことを書こうと思っていたのですが、すべての物語の始まりはストーンサークルであるべきだと思っ . . . 本文を読む
【遊月100物語 そのプロローグ】小樽ストーンサークル結構前のことだ。大陸でウィルス性の病が流行り、有名な巨大遺跡に行くはずの観光客たちが、アジアの端にある小さな遺跡を見るために、小樽に来ているらしいとニュースで見た。幼い頃に遊びに行ったその遺跡が懐かしくて、20年ぶりに見に行った。その遺跡は3000年前からそこにあった。東日本で1番大きいと言われている、平地にある明るいストーンサークルを見たあと . . . 本文を読む