【遊月100物語 その13】豊川稲荷札幌別院すすきのの片隅にその神社はあった。鳥居があったから神社だと思うけれど、お寺みたいだし、よくわからないままお参りをしに一歩足を進めた。この辺は昔遊郭だったから、悲しい女性たちがたくさんいたのだと昔誰かに聞いた。この場所には、生まれることのできなかった子どもたちの供養の碑もあったりと、ちょっとほかの場所とは違う。だからはじめて入る時は勇気がいた。鳥居の近くま . . . 本文を読む
パワースポットを訪れた時に感じたエネルギーを、遊月オリジナルの物語にして100個創作している企画の目次です。2020年冬至からはじめています。現在進行中(^^)/★アーカイブとしてアメブロにも掲載しています。パワースポット物語~誰かのしあわせ物語新しい順に上に来ます。京都鞍馬山入口にて(2005.5.3)遊月ブログ カテゴリー★一覧はこちら【最新】13.幸せの予感~豊川稲荷札幌別院 (1/8)12 . . . 本文を読む
【遊月100物語 その12】比布神社私はじいちゃんが教えてくれるありがたい話が好きだ。この国は神様が作った話も好きだし、夜に口笛を吹いたら蛇が来るみたいな、昔から言い伝えられている話を聞くのが大好きだった。お母さんは「そんなのはおとぎ話だ」とか「おじいちゃんの話は古臭いのよ」とじいちゃんのいないところで批判するけど、じいちゃんの話は、母さんがよく話しているテレビで聞いた情報よりはるかにためになる。 . . . 本文を読む
【遊月100物語 その11】小樽龍宮神社スピリチュアル好きな鞠子に連れられて神社を巡った。「ここは女神様がいるから女性性が強いのよ」と最初に紹介された。確かに優しい雰囲気はあったが、ぴんとこなかった。次に行った神社は女神様と男性の神様がいると言っていた。やっぱりぴんとこなかった。ただ最初の神社の方が優しい雰囲気だったし、2番目の神社は誰でも受け入れてくれそうな感じがした。最後に行った神社は、龍宮神 . . . 本文を読む
【遊月100物語 その10】江ノ島岩屋江ノ島の入口は、竜宮城そのもので感動した。ここは長いこと憧れた場所であり、やっと夢が叶い今まさに洞窟を目指して江ノ島をひたすらひとりで歩いているわけで。夜の飛行機で北海道に帰ることになっていたから、途中の神社や気になる岩などはほぼ素通りで、とにかく洞窟に急いだ。江ノ島はアップダウンの激しい島だった。平坦にしておけばこんなことにならないのに何故こんなに上げたり下 . . . 本文を読む
【遊月100物語 その9】良縁を結ぶ西野神社人を好きな気持ちをコントロールできたら、どれほど救われる人がいるだろう。好きな気持ちを止められるなら苦労はしない。「悪いことは言わないから、忘れなさい」典子は親友だと思っていたのにと、その言葉に悔しい気持ちになると同時に、いいえ、親友だからこそなのだと、ありがたい気持ちにもなる。でも気持ちは動かなかった。「言われなくてもそうしようと思っているの」「それは . . . 本文を読む
【遊月100物語 その8】洞爺湖中の島「北海道で1、2を争うパワースポットなの。一緒に行かない? 」昼休みに休憩室でお弁当食べていると、沙月に誘われた。同期の沙月はパワースポット巡りが趣味で、休みのたびにどこかに行き、山へ登ることもあると話していた。そのせいなのかいつも元気そうで、同じ歳なのに肌もきれいで私よりずっと若く見える。「梨奈、前にパワースポット行ってみたいって言ってたじゃない。ほのかと洞 . . . 本文を読む
【遊月100物語 その7】小樽天満宮担任は「悪いことは言わないからやめておけ」と何度も言ってくる。でも内申点がギリギリってことは、受かる可能性があるってことだ。「そのギリギリに懸けて、もしダメだったらどうする? 中学卒業して浪人するなんて、かなり大変だぞ。悪い事は言わない。今更志望校を変えるのはやめた方がいい」担任にそう言われると途端に不安になる。相手は受験生を捌くプロだ。どれくらいのレベルでどこ . . . 本文を読む
【遊月100物語 その6】札幌諏訪神社「千紘」名前を呼ばれて振り返ると、朝から釣りに行くと言っていた夫が立っていた。「秋くん、どうして? 」階段を降りて駆け寄ると、「転ぶぞ」と心配そうな顔をする。「釣りは? 」鳥居のすぐそばに立っていた夫にそう尋ねると「やめた」とだけ答える。「どうして? 」と聞いたけど、うん。と答えただけで何も言わずに、私の肩にかかっていた茶色いバッグをさりげなく持ってくれる。け . . . 本文を読む
【遊月100物語 その5】北海道神宮頓宮「どうしてうまくいかないの」何度この言葉を口にしたことか。好きでいる気持ちと、相性は別なのだと思う。お互いに好きな気持ちは本当だと思う。なのにいつも口喧嘩になる。しまいには別れようって言葉が出てきて、実際に別れたこともある。理由はいつだって大したことないもの。言葉のきつさとか、大切にしているものが少し違っていることとか。それが別れにまで発展するのだから、心底 . . . 本文を読む