数年前、富士山のまわりを一周した時、その深さに気が遠くなってしまった、忍野八海にあった清らかな泉。
美しく澄んでいて深くて。
だけど、あんなにも残酷な冷たさという感じでもなく、どちらかというと、熱が底にあるような、静かな温かみ。
赤い炎より青い炎のほうが熱いと聞いたことがあるけど、赤い竜ではなく、青い龍が、その炎を静かにたたえてわたしのまわりに眠っている。
そんな気持ちになる。
それはもう、すでに青いフェニックスになっている。
炎が生まれるとフェニックス。
炎がおさまると眠れる青い龍。
そして、とても静かだ。
まるで湖の底にいるみたいに、何もなく透明な世界。
ひたすらひたすら眠っている青い龍。
龍に、どうして眠っているのか聞いてみた。
龍は何も答えず、澄んだ眼を開いてわたしを見た。
まだ、赤ちゃんなのか。
それとも若いのか。
とてもピュアな目をしているなぁって感じる。
そしてそれはいとおしい存在で。
ふいに声がした。
私の耳に微かに聞こえたその言葉で、私の心はさらに深まる。
清らかで厳かで神の気を帯びたその声が私の心を癒していく。
目の奥にしずかに答えを携えて、また龍は眠った。
なんだかいとおしくて涙が出た。
もう旅立つんだね。
青空にきっと似合う龍は、あと少しだけわたしのそばで眠ってくれている。
湖のほとりで、わたしは彼が立派になって戻るのを待つだろう。
黄金に輝くあの美しい木の下で。
透明なスライムのようなものでできた、丸いボールを見せてくれた。この前のお祭りで友達がすくったのをもらったらしいんだけど。
どんどん小さくなって消えちゃうらしいんだけど、割ったら、透明なのに、プラチナ色に光って、もう、何なのかわかりません!
はじめてみるんだけど、何これ?(笑)