どんなに「自分らしさ」を写真に出そうとしても、
どうしても「撮らされる」時がある。
一瞬の自然の現象であったり、
名の知れた俳優であったり、
芸術作品であったり…。
脇山さとみさんの器を久しぶりに購入した。
物語を感じられる脇山さとみさんの作品の大ファンで、
折を見ては購入してきた。
今回もDMに載っていた器に一目惚れし、即決した。
器には松鶴堂の和菓子を載せて撮りたいとの思いだけはあったが、
いざ載せてファインダーをのぞいてみると…。
赤、オレンジ、青、黄と、色の名前だけ見ると、
サイケデリックを想像するのに、
実際の器はとてもシックでノスタルジックで
調和が取れている。
じっと眺めていると、色と色がその日の料理を楽しみながら、
会話を弾ませているように思えてきた。
器が物語を紡いでいる。
少しカメラの角度を変えようが、
ピンをずらそうが、
光の位置を変えようが、
どこからどう撮ろうが、
ファインダーの中には、
脇山さとみさんの作品が静かに穏やかにそこにただ、あった。
僕の小さな想像力でどんな工夫をしようにも、
シャッターを押したのは、
器の魅力、
器の独創性、
器のもつ物語だった。
すべて器に撮らされてしまっていた。
「さあ、いつでもどこからでも撮ればいい」と、
大いなる母のように器が微笑んでいるようだった。
我輩は猫である
受賞はまだない
高知県文芸賞のポスターが完成しました。
造形作家かわぞえうどうさん、モデルデビュー!
漱石決まってます。
on the planet 2018
LIFEisPHOTO 高橋正徳
2018年のカレンダーのご予約を始めました。
価格1500円(郵送の方は送料200円追加)です。
ご予約は、高橋まで携帯かメールでご連絡ください。
お支払い方法などをお伝えいたします。
携帯 090−5160−8182
メール lifeisphoto.jp@gmail.com
きっと、僕は、
ギャラリー土間と壁のことを
高知新聞さんに大きく取り上げて頂きました。
記事中には書かれていないのですが、
「ギャラリー土間と壁」は、当面の間、
イベント時のみオープンです。
普段はプライベート空間です。
突然、来訪されても対応致しかねます。
ご理解のほど、よろしくお願い致します。
高知新聞web版には、イベント時のみオープンと書かれております。
次回は、8月に沖縄民謡の金城安紀民謡研究所高知教室の唄会と、
10月21or22のどちらかで、とんちピクルスライブを予定しております。
ギャラリー土間と壁
高知県高岡郡四万十町七里甲1337−2
現代アートは、「理解」という言葉で判断してはいけない、ということを知った。
高知県須崎市の「すさきまちかどギャラリー」を拠点に開かれている
「現代地方譚Ⅳ アーティスト イン レジデンス須崎」を観て、
そう確信を持った。
「理解できるかできないか」で、現代アートを観ようとすると、
作品を眺めることよりも、作家の解説を読むことに気をとられ、
解説にならんだ難しい言葉を、脳内で自分の使い慣れた言葉に置き換え、
翻訳していく作業に追われてしまう。
しかも、翻訳が終わったあと、その解説と作品を「理解」できたのかといえば、
それは、はなはだ怪しい。
今回の現代地方譚は、すさきまちかどギャラリーのほか、元銭湯、元耳鼻科、海岸、須崎駅前の空き地で
開かれている。まちかどギャラリーの作品を観ながら、「理解」する努力した結果、
たった30分ほどで、疲れ果ててしまった。
このままでは、他の会場を観て回る気力が失せてしまう。
そこで、「理解」をきっぱりと、頭から捨て去ってみた。
分かろうとしなくていい。
いや、そもそも分かるなんて出来ないのだから、
その努力をするだけ無駄なのかもしれない。
缶コーヒーを自販機で買い、
タバコに火をつけて、散歩のつもりで、元銭湯に向かった。
そこには、竹花綾さんの上の作品があった。
街や浜辺で拾われてきたであろう材木やトタンや網が、
絶妙な間隔で、元銭湯のタイル貼りの床や浴槽に置かれている。
どこまでがこの銭湯にそもそもあったものなのか、どれが意図的に置かれた作品なのか、
一見すると判別できない。
この板は作品で、ここの鏡は元々あったもので、じゃあこの埃の積もったたらいは・・・
「理解」を捨てたはずだったのに、またも「理解」の罠にはまりそうになってしまった。
どれが作品でどれか元銭湯の名残なのか、この作品を見る上で重要ではない。
アーティストインレジデンスとは、須崎そのものをアートと化すための、アートイベントなのだ。
そうすると、街と作家の融合がこの作品なのだ。
竹花さんは、あえて、作品と名残の境界を曖昧にしているのではないか。
床に坐り直し、缶コーヒーを飲みながら、
この銭湯がまだ現役だったころに思いを馳せてみた。
ちゃぽーんと湯船に水が滴る音が、男湯に響く事は、もう二度とない。
時代の変遷。この旧市街地にまだ活気のあった時代。
すこしおセンチな気分になりながら、竹花さんの作品をあとにした。
銭湯を出たとたん、自分の感覚が、作品を観る前と後で、
少し変わっていることに気がついた。
街がアートに見えるのだ。
なんでもない電線に止まった無数のムクドリ。
カンカンカンと遮断機が降り、
アンパンマン列車が横切っていく。
次の目的地。富士ヶ浜までの道中が楽しいこと、楽しいこと。
右に左にカメラを向けながら、ぶらりぶらりと、街を歩いた。
たどり着いた富士ヶ浜で、衝撃を受けた。
KOSUGE1-16と読み方のわからない作家さんの作品「fate」
浜の草の生い茂る一角にぽつんと置かれた作品。
寺田寅彦の随筆「嵐」が、この浜で拾ってきた石や板、トタンなどに書かれている。
ただそれだけなのに、何の予告もなく、突然と現れた映画のクライマックスを見たような
高揚感に包まれた。
浜辺に腰をおろし、タバコに火をつけ、コーヒーを口に運び、
心を落ち着けて、「嵐」全文を読んだ。
嵐は、寺田がここで病気療養をしていた明治34年ごろに書かれた随筆なのに、
まるで、いま、ライブで書かれたのではないかと思えてきた。
随筆の登場人物「熊さん」が、いまにもそこを歩いてきそうだ。
明日は天気が荒れるらしい。
熊さんのバラックが飛ばされないか、心配になってきた。
熊さんは現れなかったけれど、
浜では、高校生だか中学生だかが、楽しそうに遊んでいた。
アートは理解ではない。
アートは刺激なのだ。
竹花さんの作品が、KOSUGE1-16さんの作品が、
僕にシャッターを押させてくれた。
会期 12月10日~23日 10:00~22:00
会場 沢田マンションギャラリーroom38
高知市薊野北町1-10-3
漂流から定住へ
40年近くにわたり流転を続けた旅も、今年春、高知に定住を決め、終止符を打った。
高知に暮らすと決めた理由は・・・
世界は写真に溢れている。
四国大陸賛歌。
高橋正徳 プロフィール
日本写真家協会<JPS>会員 四万十町在住
朝日新聞記者、カメラマンを経て2015年春、高知へ定住。
風景、人物などをテーマに写真と映像を手がける。
ドローンによる4K動画の空撮も。
イベントの詳細はこちらです。
白藍と呼ぶのか、水色というのか、淡くはかないこの小さな花器に一目惚れしました。
内田鋼一展。今回、DMの撮影を担当させていただきました。
アルコギャラリーで12日まで開催しています。
花と器「SUMI」企画「内田鋼一展」
高知市はりまや町2-10-1 アルコギャラリー
11:00−19:00
https://www.facebook.com/events/717588235013268/
瓜南直子さんと、向き合うことが最後まで出来なかった。
自分自身のずる賢さを刃物でえぐられ、浅はかな知識をパリパリと剥がされる、そんな恐怖を覚え、近づくことも出来ず、逃げた。
3回忌に合わせ2冊の本が刊行された。
本を通して、向き合うことに挑戦してみようと思う。
今度は逃げ出さない…
瓜南直子作品集 兎神国物語 KANAN NAOKO
絵画を生きて――月の消息