高知市を流れる鏡川を空から撮りました。
地吹雪の舞う南会津の大地。
雪が世界から色を消し去ったような白墨の世界を、
赤い閃光が突如、切り裂いた。
雪煙を上げなら突き進む会津鉄道の列車に、
「赤い彗星」と名付けたくなった。
吹雪が収まった湯野上温泉駅では、
列車の前にたまった雪を、職員総出で取り払っていた。
尾瀬への玄関口として知られる檜枝岐村。
南会津町から雪道を走らせ、村の中心部に到着すると、
路傍に立つ六地蔵が迎えてくれた。
綺麗に掃き清められた地蔵の周辺は、
地元の人が丁寧に雪をかき、大切に守ってきた様子がうかがえる。
夜の間中、雪が降り続けた翌朝。
景色は一変していた。
六地蔵は、一夜にして深い雪の中へ。
この日は、一晩で56センチの積雪があった。
吹雪の会津盆地。ホワイトアウト寸前。
遥か向こうに、薄ぼんやりと、果樹園が浮かんでは、消えた。
太陽が力を振り絞って、地上に光をもたらそうとするも、
一瞬にして、厚い冬の雲に力負けしてしまう。
大きなお社の伊佐須美神社の境内では、
とうの昔に落葉してしまった広葉樹の枝に、
雪の花が咲き乱れていた。
雪はアートだ。
冬の朝。
太陽の光が、雪のキャンバスに描く絵には物語がある。
人には決して作れない造形物。
空想の生き物たちが、森の中で宴を開いているようだ。
福島県と栃木県との県境の森。
西の空には沈みゆく月。
雑木林は、昇ってきた太陽にほんのりと赤く染まり、
月は最後の力を振り絞り存在を誇示しようとしていた。
180度反対を振り向くと、地平線から顔を出したばかりの太陽。
世界を真っ赤に染めながら、太陽は昇る。
月は、その勢いに押されるように、西の空に消えていった。
濃紺から薄い赤色に変わる朝の一瞬の出来事。
福島県只見町の伊南川は霧の名所でもある。
日の出前の数分だけ現れる神秘的な現象だった。
まだ太陽が昇る前、世界から色が消えた。
水墨画を見るようだった。
ようやく昇った太陽も、濃霧に遮られ、光は届かなかった。
ガラガラと雪よけの扉を開きながら、「ただいま!」と言いそうになる宿に出会った。
福島県昭和村にある「 やすらぎの宿 とまり木」がそうだ。
山の幸がふんだんい入った晩御飯がまた美味しい。手料理がたまらない贅沢さ。
2日から福島県内に泊まっているが、とまり木の料理が一番うまかった。
「やすらぎの宿 とまり木」
福島県大沼郡昭和村大字大芦字大向4478
Tel. 0241-57-3110
奥会津を流れる伊南川の向こうに、
満月が昇る。
「ヤサホーヤ 唄がきこえる 眠らずに朝まで踊る
ヤサホーヤ 焚火を囲む 吐く息の白さが踊る
解き放て 生命で笑え 満月の夕」
中川敬と山口洋が、阪神・淡路大震災の時、被災地で作詞作曲した
「満月の夕」が、脳内でリフレインしていた。
「沼沢湖のヒメマスがうちの名物だったんだけど、出せなくなってねぇ」と、昨夜泊まった民宿の老女将が話していた。
金山町の沼沢湖名産のヒメマスは、3年連続禁漁になった。理由は、100ベクレルを超えるセシウムが検出され続けているから。
「鮎は大丈夫って言われてるけど、なんか、お客さんには出したくなくってねぇ、悪いけんど今日のは養殖なんだよ、申し訳ないねぇ」
今年はいつになく豪雪らしい。その降り積もった雪の上を、生き物たちは自由に駆け回る。