尾道駅からほど近い商店街の一角に香味喫茶ハライソ珈琲 はある。
きしむ床を歩き、曇った鏡の前を通り、古いシェードのランプの下に腰を降ろし、中山うりを聴いた。
南勇介のウッドベース、福澤和也のギター、サカモトジャイ庵のスチールパン、そして中山うりのアコーディオンと歌を、この無国籍な空間で聴いていると、赤い大きな風船にぶら下がって、ふわふわと漂いながら、世界の街から街へと飛び回っているような浮遊感に満たされる。
前夜の雨が噓のように晴れ渡ったライブの翌日、赤い帽子のお嬢さんが、アイスもなかをほおばる荒くれ者の前を通って、小さな桟橋を歩く姿を見ていると、赤い風船の旅は幻想だったのか現実だったのか分からなくなった。
忙しくてのんびりと旅に出かけられない日々は、中山うりを繰り返し聴きながら、せめて旅の気分だけでも味わおうと思う。
ギスギスしたり、イライラしたり、キリキリしたり、そういうものとは疎遠のゆるい空気感が好きだ。
高知にはたくさんそういう空間がある。
香南市赤岡の古い街並みにある「道~タオ~」もその一つ。
カフェであったり、レトロ着物やアンティークがセンス良く並ぶ古物店であったり、LIVEやイベントの会場であったり…
11月8日、このタオで簡単写真教室を開きます。
詳しい事が決まったら、改めてお知らせ致します。