まかろんのお茶会

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新作 ~ 「妖精の結婚式」 その154

2014-08-24 22:11:51 | 未完「妖精の結婚式」 2014梅雨
続きでーす。


2014年6月10日~ブログ直接投稿 「妖精の結婚式」 その154

  けれどと 蒼い紫陽花は地面の中に
  なんとか もうほんの少し根を伸ばした
  この娘は それと関係なく接してくれた
  お願いです・・ と妖精は必死に訴えた
  私に ここにいさせてください・・・

<つづき>

暗い人影は 地面にひざをついたまま
眼鏡の奥から 紫陽花をまっすぐ見た
紫陽花はまた 枯れ始めていた
君ハ死ヌコトニナルネ と影は言った
分かっております と妖精は言った

イヤ分カッテイナイ と影は言った
君ノ王ガ 君ヲ取リ返シタガッテイル
何ガ何デモネ・・・
影は 薄ぼんやりとした空を見上げた
空は紅みが増し ちりちりと震えていた

王ハコノ身体ゴト アノ光ノ路ニ
君ヲ 連レ込モウトシテイル
影は不穏な空の下 淡々と言った
ドウイウコトカ 分カルカイ・・?
紫陽花の精は はっと影を見た

コノ娘ハ焼カレテ 存在ノ核マデ消滅スル
ムキ出シニナッタ君モ と
影は眼鏡越しに 紫陽花をじっと見た
同ジク光ノ中デ 焼キ尽クサレル
王ハ 君ヲ守ルダロウカ・・?

紫陽花は黙って 話す影を見つめた
ソウ・・分カッテキタネ と影は言った
君トイウ意識ハ オソラク灰モ残ラナイ
彼ガ必要トシテイルノハ 君ノいのちノ力
君トイウ器ハ ドウデモ良イコト

影の腕の中に 大きな植木鉢が現れた
サアマダ間ニ合ウ ココカラ出ヨウ
囲イカラ出レバ 君ノ王トテ手出シデキナイ
コノ国ノ土ガ 喜ンデ君ヲ受ケ入レル
影はまた 銀色に光るスコップをかざした

<つづく>


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