新作 ～ 「妖精の結婚式」 その２

続きです～。


2014年6月10日～ブログ直接投稿　「妖精の結婚式」　その２

　　まあいいやと　歩き出そうとすると
　　どうしよう・・・　とまた声が
　　何が？誰が？と　辺りを見回す
　　簡単なことなら　助けてあげたい
　　大ごとだったら　逃げるけど！

＜つづき＞

声はこの辺からしたよね　と
さやかさんは　紫陽花の葉を眺めた
葉影にカエルがいるのに　気づいた
緑色の小さなカエル　丸い目が可愛い
他に人や動物の気配は　なかった

まさか　このカエルなはずないけど
そう思いながら　さやかさん
冗談のつもりで　声かけた
ねぇ　困ったって聞こえたけど
誰が言ったか　君知ってる？

カエルは　口をぱかっと開けた
けどそれきり　ゲコとも言わない
まあそうだよねと　歩き出そうとすると
貴女　僕の言葉分かるんですか
と声が　聞こえた

へっ？と　さやかさんは振り返った
雨に沈む茂み　空気はみっしり水と緑
どこから声がしたって　おかしくない
でもこの声はと　見回すさやかさんの目が
葉影のカエルの目と合った

カエルはも一度　口を開いた
あの　僕の言葉分かるんですか
確かにはっきり　そう聴こえた
えーと　これどうしたらいいんだろう
さやかさんは　どきまぎした

この・・カエルがしゃべってる・・
ってことでいいのかなッ　まさかね！
思わずまじまじ　カエルを見てると
そうですよね・・・とカエルはしょんぼり
とぼとぼ　茂みの奥にもぐろうとした


＜つづく＞



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