新作 ～ 「妖精の結婚式」 その１８

続きでーす。


2014年6月10日～ブログ直接投稿　「妖精の結婚式」　その１８

　　ここいらの奴は　知らないが
　　浮かれて早目に来る奴もいるからな
　　妖精は　カエルをちらっと見た
　　カエルは　小さくうなずいた
　　まあ前日までにやっとくのが　無難だな

＜つづき＞

偉そうにと　さやかさんは眉をしかめた
土日をつぶして　余所の庭掃除とか
一応　人目を避けなきゃいけないとか
そんな苦労は　この妖精さまの
小さな頭には　ないらしい

けど　小さなカエルが手の上で
妖精を見て　おどおどしてるのを見ると
怒りは　ため息に変わった
まあいいや　とさやかさんは思った
ちゃっちゃと掃除して　それで終わりだ

えーとそうしたら　と
さやかさんは　カエルに言った
今度の土曜に　また来るわ
朝から来るから　また案内してね
カエルは何かを言いかけ　コクンとうなずいた

“ドヨウ”がいつだか　分かんねーんだろ
妖精が　傘の柄から茶々をいれた
カエルは　可哀そうなほどうろたえた
おい地味女　と妖精は言った
今日は　何曜日だ

木曜よ　とさやかさん
コイツとは話したくないんだけど
と思いながら　答えた
じゃあ明後日だな　と妖精は言った
明後日だぞカエル　覚えとけ

はい　お待ちしてます
ありがとうございます
とカエルは二人に　明るく言った
あーあと思いながら　さやかさんは
そぉっと庭を出て　家に帰った


＜つづく＞



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