まかろんのお茶会

日々の小さなことを詩モドキにしてます。
皆さまのお茶菓子代わりに楽しんでもらえたら嬉しいです。

新作 ~ 「黒猫タビィの物語」 37

2013-11-08 22:04:40 | 「黒猫タビィの物語」 2013ハロウィン
ども、お今晩は~。金曜ですねっ。
皆さまいかがお過ごしですか。

まかろんは物語が大好きです。

好きな小説、凄い小説も世の中いっぱいあるけど、
自分で紡ぐのは小説、じゃなくて物語を紡ぎたいです。

どう違うのかは分からないけど。

わくわくできて、ほっとできる、そういう世界をお届けしたいです。

そんな楽しさを皆さまに。


さあ、今日はタビィはどうなるでしょう?


2013年10月1日~ブログ直接投稿 「黒猫タビィの物語」 その37

  人間の自分に 猫の魔法が使えるか
  自信は 全くなかったが 
  かすかな昔の感覚 呼び起こし
  聴こえた声に 波長を合わせ聞いてみる
  あんたはいったい 誰なんだ

<つづき>

子猫はおびえて 縮こまった
仕方がないので さらにそぉっと
意識の声で 聞いてみる
ごめんなさいって どういうことだ
それは 俺に対してなのかい

子猫は 観念したように
起き上がって トビアスを見た
ああやっぱり 私の子
逢いたかった… 逢いたくなかった
立派になって と声は言った

俺があんたの子? と意識は聞いた
なんかの 間違いじゃないのかい
いいえその気配は覚えてる と声は言った
私が生んだ 白い手の子
私が見捨てた 白い手の子

子猫は また小さく震えた
長老たちにすぐ 取り上げられて
でも私も 大して抵抗しなかった
できそこないだと 思ったから
仕えてた魔女に 知られる方が怖かった

子猫は 大きく身を震わせた
私はほんとに ばかだった!
魔女は そんなこと関係なく
私をつかまえ 薬にいれた
子猫は 心配そうにしている女の子を見た

あれは 東の魔女だろう!
子猫は ギャーッと声を上げた
私を連れ帰って 世話をして
何をいったい たくらんでいる!
お前も あいつの仲間なのか

おじいちゃん タビィをおどかさないで!
女の子は 声を上げた
そんなに騒いだら 死んじゃうわ!
トビアスは 子猫に聞いてみた
その手は あの娘がやったのか

<つづく>



人気ブログランキング ← そうさねぇ、とりあえずこのお湯に入ってみないかい?

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新作 ~ 「黒猫タビィの物語」 36

2013-11-07 21:26:23 | 「黒猫タビィの物語」 2013ハロウィン
ども、お今晩は~。幸せ、してますか。

今日ネットを見てたらですね。
「子どもから学ぶ幸せになるヒント18選」とかいうのがあったので、
読んでみました。

ネットってホントいろんな記事が見られて良いですね。

で、その記事にはこまごま書いてありまして、
直観で行動する、とか鼻歌歌う、とか。

可愛いですね。

でもね。

どーでしょう、そういうこと、するから幸せになるのかな?
子どもで、いろんなこと大人が引き受けてくれるから
そーゆーことできるだけなんじゃないかな、って気もします。

まかろんは未熟者ですが、
大人の世界で頑張ってらっしゃる皆さまが、
鼻歌を歌いたくなるような、雨の中をスキップしたくなるような、
そんな茶菓子をお届けできたらいいなと思います。


さて、長くなりましたが、今日はタビィはどうなるでしょう?


2013年10月1日~ブログ直接投稿 「黒猫タビィの物語」 その36

  子猫は 男をじっと見つめた
  そして 細い声でなーごと鳴いた
  ただの猫の鳴き声のようだったけど
  男の耳には 違う声が聞こえた
  ごめんなさい ごめんなさい私の子

<つづき>

久方ぶりの 猫の魔力の声だった
この猫はいったい と
男は思わず 孫娘にたずねた
何ってタビィよ 話したでしょ
おじいちゃんの名前借りたの 気悪くした?

女の子は 思慮深げな顔をした
片手ない子に おじいちゃんの名なんて
ごめんなさいって 思ったけど
なんか この子見たときに
おじいちゃんのこと 思い出したの

この子は女の子なのかい と
トビアスじいさんは 尋ねた
男の子よ と孫娘は答えた
いくらなんでも 女の子に 
おじいちゃんの名なんてつけないわ

そうか と言ってトビアスじいさんは
タビィと名付けられた 子猫を見た
さっきの声は 女だったが
そう思いながら 近寄ってみた
ほらおいで 子猫ちゃん

床にしゃがんで 手を伸ばしてみる
震える子猫は 一層小さくうずくまり
哀しげな目だけを ひたりと据えた
トビアスにまた 音にならない声が聴こえた
ごめんなさい ごめんなさい私の子

人間の自分に 猫の魔法が使えるか
自信は 全くなかったが 
かすかな昔の感覚 呼び起こし
聴こえた声に 波長を合わせ聞いてみる
あんたはいったい 誰なんだ

<つづく>



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コメント (2)
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新作 ~ 「黒猫タビィの物語」 35

2013-11-06 21:52:56 | 「黒猫タビィの物語」 2013ハロウィン
ども、お今晩は~。

さむっ。寒くなりましたね~。
皆さま、いかがお過ごしですか。

物語、って書くの大変ですね!

まかろんはついったーで詩を書き始めて、その流れからなんとなく
物語を書き始めたのですが、
詩は、一瞬の「ああ・・・!」を何とか形にしよう、という試みなので、
あまり下調べ、というものは要らないんですよね。
その「ああ!」が何なのか、を心の中に潜って探し出す作業は必要ですが。

物語、となると、結構至る所で下調べが必要になるんですねぇ。
今回書いてみて、びっくりしました。
昨年も物語詩書いたけど、その比じゃなかった。

2~3行の描写の根拠を探して半日くらいネットで検索しまくったり。
こーゆー意味でもっと違う言い方ないかなー、とか。
類語辞典、うぃき、知恵袋、イメージ画像、見まくります。

ネットなかったら、とても10月1日に間に合いませんでした。
というより、多分、どこかで書けなくなって挫折してたと思います。

インターネット、偉大です。
タダで情報を惜しみなく投稿して下さる無数の皆さま方に。
そしてもちろん、読んで下さる方の応援パワーに。

感謝します。


さあ、今日はタビィはどうなるでしょう?


2013年10月1日~ブログ直接投稿 「黒猫タビィの物語」 その35

  そうは言っても結局は 自分たちが
  世話することに なるんだろうな
  両親二人は ため息ついて
  でも 我が子の妙な意気込みに
  気押され 許すことにした

<つづき>

ところが 女の子は頑張った
ぼろ布で温め ミルクをあげて
トイレやご飯 爪切りも
周りの大人に 聞きながら
毎日毎日 頑張った

子猫は なかなか良くならなかった
どんなに 女の子が構っても
おびえたように 部屋のすみで
小さく 震えるばかりだった
女の子は おじいさんに話した

男は 孫娘の話を聞いて
子猫の様子を 見に行った
身体が不自由な動物を 拾うとはな
あの娘(こ)もどこかで 昔のことを
覚えてるのかも しれないな

男は 魔王の城で垣間見た
老婆の痛みを想って 心を痛めた
小さなあの娘は 守ってやりたい
そう思いながら 戸を開けた
黒い子猫が 顔を上げた

子猫は 男をじっと見つめた
そして 細い声でなーごと鳴いた
ただの猫の鳴き声のようだったけど
男の耳には 違う声が聞こえた
ごめんなさい ごめんなさい私の子

<つづく>



人気ブログランキング ← 謝り合うより、笑い合う社会になるといいですね。

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新作 ~ 「黒猫タビィの物語」 34

2013-11-05 21:21:38 | 「黒猫タビィの物語」 2013ハロウィン
連休明けですね、皆さま今日はいかがでしたか。

今日は天気が良くて、それはむろん良いことですが
(濡れる心配がなくて動きやすいですし、洗濯物も乾きますしね)
昨日ご紹介した動画を再度見てたら、雨の音って良いですね~。

特に夜、家の中から聞く雨は素敵です。

で、昨日の動画の関連物、ということで、こんなのを見つけました。

YouTube 「大阪上空に二重の虹

またはYouTubeで、「大阪 二重 虹」と検索してみて下さい。
「大阪 虹」でも出るんですが、二重と入れると他の二重虹映像が見られて良いですよ。

まかろんも二重虹を見たことあります。ディズニーランドで。
夕方くらいだったかな。
アトラクションの建物と建物の間にぶわっとかかっていて、
自分の目の錯覚かと、どきどきしました。

でも同行者も「これ演出?」と聞いてきたから、ホントにあったんだと・・思う。


皆さまにもそうした夢の魔法が届きますように。


さあ、今日はタビィはどうなるでしょう?



2013年10月1日~ブログ直接投稿 「黒猫タビィの物語」 その34

  男は 小さな柔らかな身体を抱きしめた
  まだ痛みを知らない寝顔に 感謝した
  知らず 涙が目からこぼれた
  来てくれてありがとう とささやいた
  お父さんったら と娘は笑った

<つづき>

娘の生んだ 女の子は 
これまた ごく普通に成長していった
あまり 我がままを言わない子だったが
何かをしたいと 思ったときの
頑張りようには 驚かされた

この猫を飼いたいの と
ある日 女の子は帰るなり言った
腕の中には 弱りはてた
片手のない 黒猫がいた
道のごみ箱に 捨てられてたの

確かに可哀そうだけどねぇ と
母親は 女の子に言った
わざわざ 拾ってこなくても
女の子は 引かなかった
ちゃんと世話する お願い母さん

女の子の母親は 嫌がった
こんな汚い子猫 お父さんだって
ダメって言うわよ 返してきなさい
死んじゃうわ と女の子
だったら父さんに 聞いてみる

だけど 目やにだらけの片手の猫には
やっぱり 父親もしぶい顔
それでも女の子は 引かなかった
お小遣いも 減らしていいし
全部 あたしが世話するから

そうは言っても結局は 自分たちが
世話することに なるんだろうな
両親二人は ため息ついて
でも 我が子の妙な意気込みに
気押され 許すことにした

<つづく>


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新作 ~ 「黒猫タビィの物語」 33

2013-11-04 22:01:01 | 「黒猫タビィの物語」 2013ハロウィン
ども、お今晩は~。
急に寒くなってきましたね、皆さまお元気ですか。

なんか、ハロウィン用の茶菓子(詩)を続けているせいで、
今いち11月だ!という気持ちがしないのですが
(おまけに街は11月すっ飛ばしてXmasっぽくなってきてるし)
急に寒くなってきて、気が引き締まってきました。

皆さまの心に映る11月の世界はどんなものですか。

ところで昨日のタヴィの話にちなみまして、こんな映像、ご存じですか。

YouTube 「Rainbow - end to end -

YouTube で 「rainbow end to end」と検索しても出てきます。

皆さまに素敵な11月が訪れますように。


さあ、今日はタビィはどうなるでしょう?


2013年10月1日~ブログ直接投稿 「黒猫タビィの物語」 その33

  一つの満ち足りた光が 全てを照らしていた
  泡たちの輝きも 一つの光に溶け合った
  タビィの意識の身体も 薄く薄くなって
  天上に広がる 愉快な世界に
  透明な光となり 吸い込まれていった

<つづき>

それからまた 長かったなぁ
おじいさんは いやタビィは独り思った
タビィは 人間の少年に生まれた
ときたま 何かを感じるだけの
ごく普通の 少年だった

ごく普通の少年は 
ごく普通の少女に出会って
笑って喧嘩し 結婚した
時は流れて ごく普通の子が生まれ
大騒ぎする内に 大きくなって孫が生まれた

娘の腕から 誇らしげに差し出された
小さな身体を 抱き止めたとき
初老の男は そのしみ一つない顔に
まだらな樹皮のような 顔を見た
嘲笑と妬みに苦しんだ 哀しい老婆の顔を見た

男は 瞬時に思い出してた
黒猫のこと 白い手のこと
独りで物影に寝た夜のこと
荒野の小屋と 黒い城
のたうち回ってた 魔女たちのこと

男は 小さな柔らかい身体を抱きしめた
まだ痛みを知らない寝顔に 感謝した
知らず 涙が目からこぼれた
来てくれてありがとう とささやいた
お父さんったら と娘は笑った

<つづく>



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※変更:2018年8月30日
男は 小さな柔らかな身体を抱きしめた → ~小さな柔らかい身体を
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