水元公園の雑木林を散策したことのある人なら、
恐らく目にすることがあるであろう、カラストラップ。
2001年12月から東京都では、有害鳥獣捕獲を行なっているので、
すでに10年になる。ということは、捕獲目標の5000羽は1年間の数値であろうから、
年度目標が達せされ続けておれば、5万羽も捕獲したということになるが・・・・
都心でゴミをあさったり、子育期に人を襲うのはハシブトガラスで、
本来は、この烏の捕獲が目的であるはずなのだが、
ハシブトガラスは頭が良くて、成鳥はカラストラップを認識していて、
絶対に近付かないという。
ハシブトは人が地上の石を拾う仕草をするだけで逃げていく知恵者なのだ。
なので、
巻頭の写真のように捕獲されているのは全てハシボソガラスである。
団地の近くに毎年営巣するカラスもハシブトガラスで、
時折通学途中の小学生が襲われている。
さらに、
そんなことを知ってか知らずか「餌付け」している団地住民が数名いる。
団地では規則によって犬猫の愛玩動物を飼うことはできない。
団地世帯の5割近くが60歳以上ということもあって、
愛玩動物を飼えない団地暮らしの寂しさをカラスの餌付けで紛らわしているのかもしれない。
老人が子供だった頃に歌にも唄われるほどに慣れ親しまれたのは
ハシボソガラスだが、ハシブトとの区別はできていないのかもしれない。
頭が良くて凶暴性を発揮するハシブトガラスは、
山奥に住んでいて昔は見かけることはなかったのである。
見かけないから当然「カラスに襲われた」なんて話もなかったのだが、
環境の変化で、餌が沢山あって猛禽がいない市街に住み着いた。
餌が豊富なので、数も増えて「有害鳥獣」となった。
ハシブトが増えたため、ハシボソは年々数を減らしているという。
さらに、カラストラップでも捕獲され・・・・?
捕獲されたハシボソガラスは処分されずに放たれているのだろうか?
それとも・・・・
公文書にはその区別が表示されていないので、
もしかすると単に「カラス」として処分されているのかもしれない。
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