千鳥ヶ淵の桜は、シャッターを押せば誰にでも美しく撮れる、
そんなロケーションをしているのがいい。
そして・・・
時には芸術家の魂をも揺さぶる。
ある芸大の日本画の教授が描いた大作の「花筏」は、
千鳥ヶ淵の桜がモデルということで、
「構想3年、仕上げ・・・日」ということだった。
ひょんなことから「花筏」の製作中の現場で、
先生から聞いた言葉であるが、
構想3年にその重みを感じたものである。
先生の言葉を聴いてからは毎年のように千鳥ヶ淵に行って写真を撮っているが、
やはり日本一ともいえる桜の名所であり、
都心にあるため交通の便もよく、
土日の人出は新宿駅のラッシュアワー並みである。
東京メトロの東西線「九段下駅」にて下車、
案内に従ってエスカレーターに乗ってゆくと、
日本武道館近くに出るが、直ぐ目の前から桜並木は始まっている。
3月26日は明治大学の卒業式が行われていて、
駅中から混み合っていたが、武道館入り口を過ぎると混雑は緩和された。
武道館入り口付近からの光景。
千鳥ヶ淵を挟んで両岸に桜というロケーションで、
貸しボートがアクセントになったり、ネックになったり。
ちなみに、
貸しボートに乗るため、朝6時ごろには行列が出来るという。
水上からの写真も撮ってみたいが、
一人乗りでは絵にもならないし被写体として邪魔なだけである。
と、思っていたが、
下の写真の右側の2艘を良く見ると一人で乗っているではないか。
この勇気に感謝し、来年は水面からの撮影もいいかも?
曇っていたので画質のクオリティは良くないが、
このロケーションはここでしか得られないのである。
千鳥ヶ淵の桜と水面を彷徨う恋人達のボートは、
まさに春爛漫の光景である。
以前、千代田区三番町には「山種美術館」があり、
桜の時季には「桜にちなんだ日本画」が展示されていて、
千鳥ヶ淵の桜とともに楽しみの一つだったが、
2009年に広尾に移転してしまった。
山種美術館は兜町の山種ビルにあった頃、
ビルの警備を担当したことがあり顔見知りも多かった。
巡回と称しては「名画鑑賞」をしていた頃が思い出される。