先日公園を歩いていると、公園の友に出会った。
顔見知りで時折世間話などをすることはあるのだが、
出会って2年以上もたっているのに、お互いの名前は知らない。
公園友は公園内の午前中の散歩を日課としており、
午前中に用件がある時は午後の散歩をしているとのことで、
その鍛えられた脚力は相当なものであり、私よりも歩く速度は早い。
で、話をしながら遊歩道を歩いていると、
公園友が「バナナのように見えた」というのが巻頭の写真の「棕櫚の花」である。
遠目には確かに黄色いバナナがぶら下がっているようにも見えなくは無い。
それにしても1本の木にこれほど多量の種をつける木は珍しく、
50年後はさらに繁殖して、里山の様相が一変してしまう恐れがあるのでは・・・と思う。
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大量の実をつけるため、野鳥などに食べられて繁殖するのだが、
成長が遅い割には、火に強く、湿地や乾燥地を選ばないため、
里山などでの繁殖が問題となってきているようだ。
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私の撮影地である「二十一世紀の森と広場」や「大町公園」でも普通に見られ、
以前訪問した我孫子の「谷津ミュージアム」の里山でも繁殖していた。
半世紀以上も前は庭木として植栽され「棕櫚縄」や「箒」などに加工され利用されていた。
子供の頃、葉を枝ごと根元から切り取って「ハエ叩き」を作ったりしたこともあり、
何かと利用価値はあったのだが、現在では利用する人は殆ど居ないと思われる。
棕櫚の種類は幾つかあるらしいが、一般に「シュロ」と呼ばれるのは「ワシュロ」で、
葉が垂れ下がる特徴があるという。
下の写真の棕櫚は民家の庭先にあったものであり、
枝打ちがしてあり、良く手入れされている様子が窺がえる。
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成長は遅いが、日陰でも着実に成長している生命力の強さは侮ってはいけないのかもしれない。
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