makoの喜怒哀楽

俳句は自分史・転記は禁じます

七輪ケーキ

2013-02-23 | 日記

皆さんは「七輪」ってご存知でしょうか

今では、ガスコンロ、IHヒーターなど便利なものは当たり前の時代になりましたが

秋刀魚など、七輪に入れた炭火で焼けば美味しくいただけますね

ガスが普及するまではどこの家庭でも薪でお風呂を沸かしたり

ご飯を炊いていたりしていました

その時に出来る炭を「消壷」というものに入れ蓋をすると酸素が入らないので

炭は燃え尽きずに形を留めて残すことができます

 

母が土間に七輪を置きました

消し炭が熾されてその上にはちょっと底の厚いお鍋が載っていたように記憶しています

母は別のお鍋の中に卵を割って、お箸を5,6本握ってシャカシャカ音を立てていました

今では、ボールに卵を割ってハンドミキサーで卵をまったりクリーム状にする

そして、そこに篩った小麦粉をいれてざっくり混ぜればスポンジケーキの生地が出来上がる

お菓子作りの道具が揃っていない時代?

まして、我が家にはそんな道具などあるはずもなく

そこそこに卵が混ざる程度のものだったのでしょう

5、6本のお箸は今でいうところの泡だて器の代用ですね、考えたものだと思います

その音が聞こえると私はワクワクするのでした

今日は香ばしくて美味しいお菓子が食べられると判るからです^^♪

 

既に、七輪の上に掛けられたお鍋は暖められていて

その中に卵と小麦粉の生地が流し込まれます

そして蓋をすれば消し炭の火が程好く生地を焼き上げるのです

途中で蓋を開けて様子を観てからその生地をひっくり返すのですが

別に暖めておいたお鍋を上から被せてひっくり返すのです

そしてそのお鍋をまた七輪にのせて再び焼き上げるのです

お鍋をひっくり返す母の鮮やかな手つきに子供ながら見とれていました

私と弟はもう七輪の側から離れられません^^

弟が触らないように見張り番をするのも私の役目でしたけどね

香ばしい香りがただよってきます

今で言うところの「大判焼き」っていう感じでしょうか

餡も何も入っていないものですが

外は程好いキツネ色、中はふんわり卵色、程好い甘さ

それを作った母はまるで魔法を使っているように見えました

幸せな一こまがそこにありました

程なくして母は他界してしまいました

 

月日は流れ

私はハンドミキサーとオーブンを使って毎日のように

子供たちの為にケーキを焼きました

やがて、一番得意なものは、アップルパイになりました^^v

これはお店に売っているものより美味しいと言われましたね

友を訪ねるときはお土産に持参したものです

パイは、11月頃から3月までくらいと季節限定です

何故なら温度が上がると、生地がダラケて上手く何層にも織り上げられないからです

大理石の板があればいいんですが、そんなの無いですから

テーブルの上を片付けてそこで生地を織り上げていました

結構、力が要ります

パテシエに男性が多いのもうなずけますね

そうして折あげた生地が焼きあがると何層にも膨らむのです

思わず歓声をあげてしまいました^^v

娘が笑っていました

そして、今や、その娘も子供たちの為に時々はケーキ作りを楽しんでいるようです

 

母が七輪で焼き上げたケーキは幸せの味♪

私のケーキも、娘のケーキも幸せの味♪

私のケーキ作りの原点

それは母の「七輪ケーキ」にあったのです

 

画像は引き続き梅林公園です