お早うございます。
凍結王の朝食となれば、冬女神の朝食も書かなければこれは完全な片手落ち。それどころか、鉄槌が下るどころか巨大な氷柱が落下するか、荒れる氷海に小舟にて木の葉の如き翻弄されるとも。
「季」素早き厳正中立な差配、今年はこの上もなくその力を早く及ぼされました。畏れ多くも冬の女神。
冬の女神サマの朝食は極めて質素なもの。冬の宮殿に温室があるのは不審に思われるでしょうが、冬を慕い思うがこその「温室」が不可欠であると、とある放浪のシェ…なにがしかの戯作者の進言により作れたのです。女神は外から愛でるだけ。
そうそう、本題に。朝食の為に夜、その刻がくれば温室で咲き誇る薔薇が摘まれます。その刻限は宵の気温が絶体零度に下がる時。
望楼のテラスの石作りの柵に置かれるのです。俗にいう
急速冷凍の「冷刻の薔薇」が饗されます。
飲み物はタダのわき水のお水です、でもこれまた未明の明け方の時にチューリップグラスに入れられ、時をたがわず、氷結する漣のごとき薄氷を所望されます。
そして、朝陽がでて木々の枝の霧氷に集う小鳥たちが落とした儚き「霧氷パスタ」なんぞを口にされます。
そしてメインはダンダン田圃の「黒パンともすげき霜畝」これは来年の為の凍み土の具合を見るため。
デザートは、東向きにある岬のようなトコロの柿の木の「木守り柿」これはことのほか寒東風を受けるもの。