くうあり

自分なりの気付きを綴るブログ  

出来栄えじゃない

2015-11-22 08:30:58 | 子育て
一昨日は息子の幼稚園の保育参観と懇談会でした。

保育参観では、「おいもパーティー」をしてくれました。




子どもたちがとても楽しみに準備してきたそうです。

登園途中に息子は、「いままでで いっちばん たのしみなひ!」と言いました。

運動会とか遠足とか、今まで色々あったよ?(笑)一番なんだ!とびっくり。



近所の畑で掘らせてもらったサツマイモをホットプレートで焼いて、年長の子どもたちが保護者や年中や年少の子にふるまう「おいもレストラン」という行事は毎年ありました。

今年は、毎年やるからやるんでなくて、今年の子らしい、今年の子がわくわくするような機会にしようと園長先生が話されたそうです。


新任から3年間持ち上がりの先生は、愛情たっぷり、子どもたちにめちゃくちゃ寄り添ってくれます。

今年はおいもレストランでなくて、おいもパーティーにしたいと子どもたちから意見が出たそうです。

お母さんたちにお芋を焼いて食べてもらう間に、出し物で楽しませてあげようよと。



発表をするとは事前に聞いていました。
しかし、正直言うと、発表班と、調理班に分かれているとは思いませんでした。

遊戯室に設けられたテーブル席には素敵な飾りつけ。

半分の子がエプロンをつけて調理をしたり、重いやかんを運んでお茶をくんでくれます。
やかんのお茶をこぼさず上手に扱っていることにママたちびっくりしていました。


半分の子は楽器の発表の準備。
思わずうちの子、発表ですみません、みたいな気持ちになる。

表舞台が素敵だと思ってしまう私の癖だ。


発表はとても緊張した面持ちだったけど一生懸命取り組んでました。終わった後のほっと安堵した表情から意気込みもすごく感じられました。

調理班もすごく真剣に取り組んで張り切っていました。


おいもパーティーの後は、学級懇談会。

どんな思いでパーティーに取り組んできたのか先生からお話を聞くことができました。

たくさん話し合いをして、子どもたちの思いがいっぱい詰まっていたんだなぁと改めてとても感動しました。



お母さんたちが遊戯室の場所がわからないといけないから、ゆうぎしつこちらですっていう看板を作ろう、という意見が出て、先生は(それ いるっかなー)って心で思ったけど、子ども同士で「それいい~!!」「めっちゃいいかんがえ~」「いっぱい作ろう!」と盛り上がっていたそうです。

そのワクワク楽しくてみんなで高まってる気持ちが素敵なので、「いいと思うよ」って認めて紙を用意してくれたそうです。たとえ文字が間違って「ゆうぎひつ」になってても先生は直すことはしなかった。この時期は文字に興味を持ったり、書いて伝えることが楽しめれば十分だというのは幼稚園教育要領にもありますしね。

大人はどうしても出来栄えや見栄えという目に見えるカタチがあると安心しますから、文字が書けるようになったりすると、「できた」と親もついうれしく思ってしまうので、幼稚園でもガンガン教える園もありますよね。親のウケがいいんでしょうね。

だけど、息子の幼稚園の先生は、もうこの時期は、出来栄えでなくて、思いが高まってるかどうかが全てだとちゃんと押さえて、思いの高まりを認めたり実現させられるように支えたりということに心血を注いでくださってるんですよね。


おいもは、みんなが登園する前に先生がある程度焼いておけば全員が発表することもできるよと話したけど、子どもたちから、自分たちで試食した時に焼き立てがやっぱり美味しかったから焼き立てを食べてもらいたいという声が上がり、子どもが生の芋をホットプレートに並べて焼くところから始めたので時間がかかったんですね。

手品やファッションショーをやりたい子もいたけど、お母さんたちに発表できなかった子は、小さい組の子たちにお客さんで来てもらった時に見てもらえばいいということで納得したんだそうです。

何より、自分たちが焼いた焼き立てのおいもを食べてもらいたいから!なんです。

正直私が先生だったら、全員が発表できるように導いてしまったと思う。

大人の目線で見たら「不公平」だと思うからです。お母さんたちに「うちの子の発表も見たかったのに」と思われたくないと。


しかし、先生の話をしっかり聞いてみて、子どもたちの思いを聞いてみると、調理班と発表班に何の優劣もなかったことが分かりました。一人一人が自分の役割にすごく自信と誇りをもって取り組んでる。

パーティーのその日一日の見栄え出来栄えでなくて、とことんプロセスや子どもの思いを一番大事にしてくださっているんだなぁ。

園長先生によると、息子の担任の先生は子どもの思いをとことん拾って、実現させてくれるので、子どもたちも先生に言いがいがあるんだそうです。だから、パーティーがやらされるものでなくて、自分たちで作ってるものという思いが高まって、あふれてたんだなぁ。

だから、「いままでで いっちばん たのしみなひ!」になったんだなぁ。


先生は、保護者にいい顔をするとか、大人にとっての「平等」なんて視点がなくて、もうほんとに子どもに寄り添って、子どもの生活の一部を私たちに垣間見せてくださったんだなぁと。感激しました。

もうここまで聞いたら、全員が発表する必要なんかなかったことに気づいて、自分が恥ずかしくなってしまったよ。

私は、普段子どもを見栄え出来栄えのいいほうに導いて、子どものちょっとしたアイデアとか気づきとかを見過ごしてしまってないかなと反省しました。


すごく勉強になったし、心が洗われたおいもパーティーでした。

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「空あり kuu-ari /執着を手放す日々」

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