黒幕が

「９９．９パーセント　悪性の肺がんです」

レントゲンに映っているビー玉ほどの大きさの白い影を見ながらの説明です。


息子２人　夫の弟２人　広島に来てくれて　
改めて説明を受けたのは　明日が手術という日でした。

表面から細胞がとれる場所ではないとの事で

「切開して始めて０．０１パーセント　そうではない事もあります」

０．０１パーセントでありますように。

みんなしてお祈りしました。

結局　白い影は　気質化性肺炎と診断され　

夫の背中に１０センチ、７センチ　２センチほどの
３ヶ所の傷後は夫の痛い歴史として、今でも残っています。

何十年ものお付き合いのたばこも　これを機会に　おさらばです。



病院とは無縁だと思っていた夫でした。

今では、このおかげと言ってはおかしな話になりますが、

私達を脅かす　黒幕の存在を知る事となりました。

黒幕＝前立腺がんです。

ＰＳＡ５．４でした。

１１ヶ所の細胞の中から３ヶ所にがん細胞が見つかったのです。

肺がんもどきの手術から１ヶ月ほどして
今度は本命の前立腺がんの摘出手術です。

保険会社の人が　一緒に手術をすれば痛い思いを２度もしなくてすんだのに
と言ってくださいましましたが

２か所のがんが見つかれば転移しているとみなされ　この時点で　手術より
抗がん剤の投与となっていたでしょう。

夫は大きな手術を　２度しましたが　
手術ができるという事はよかったのだと言っています。


術後　１年たたない内に　ＰＳＡの数値が上昇し始めたので
リュープリンの投与が始まりました。

１ヶ月効く分３回　　３ヶ月効く分３回　の投与でＰＳＡ数値が落ち着き


病院からは　一度始めたら　止めることはありませんと言われましたが

私達の　たっての希望で　リューープリン投与をやめてもらいました。

リュープリン投与を止めてから９月で４年になります。

定期検診では

０７－３月　　ＰＳＡ　０．２
０８－１月　　ＰＳＡ　０．３６
０８－５月　　ＰＳＡ　０．５３
０８－８月　　ＰＳＡ　０．４２
０８－１２月　ＰＳＡ　０．４２
０９－３月　　ＰＳＡ　０．５３３

これが現在の数値です。

少し上昇の兆しですが

経過観察で　何も投与していません。

一度上昇しかかった数値が　下がっている事が　非常に興味あり、

次回の数値が気になるところです。



今年の７月で


黒幕の切除から（手術）丸６年になります。

けっして安心しているわけではありませんが・・・。



夫も私も　今を仲良く元気に　笑って楽しく過ごそうと　決めています。


子供たちと離れて暮らしても
集まった時には旨い酒を共に飲んで、語らい、
孫に癒され　それが今の私達には最高の幸せです。

毎日を生かして頂き　感謝です。
ありがたく　ありがたく　過ごしています。



「阿字の子が　阿字の古里　立ち出でて　また立ち還る　阿字の古里」

八十八ヶ所巡りをしていた時に見つけた　お経本の中の弘法大師御詠歌より。