
「大林さんと」
6月1日、再びトラックのスタートラインに立ちました。
18年前、交通事故で手足の自由を奪われ、走ることは出来なくなりました。大阪国際女子マラソンにあこがれ、走ることに夢中だった私…。
ジョギングシューズが車椅子に変わりました。次なる目標は、車椅子でアンツーカーのトラックを走ること。握力ゼロ、残されたわずかな肩の力では無理かなあ…でも、もう一度走りたい。
6年前から、この夢に向かって車椅子を漕ぐ練習を始めました。と言っても、家の中を行ったり来たりですが、1日の目標は400M。たまに、800M。力がついて、腕も首も太くなり、家の中では、それなりに動けるようになりました。体力もついたのか、風邪をひかなくなりました。
受傷6カ月、入院先の病院で脊損の車椅子屋さん、大林さんに出会いました。テニス、マラソン、トライアスロンなどスポーツをされ、いつも笑顔で元気はつらつの大林さん。当時「障害者=暗い・おとなしい」と思っていた私には、話すたびに驚きの連続でした。不安だらけだった当時、あれやこれや質問したりわがままを言ったり。でもいつも、笑顔で受け止めてくれ「何事も10年よ、焦りんさんな。」と励ましてくれました。
あれから18年、いまだに助けられています。大林さんと話していると、前向きになれるんですよね~
5月になると、夕方毎週金曜日、広島ビッグアーチで障害者の練習が始まります。6月1日、大林さんからお誘いを受け、参加させていただきました。
※ビッグアーチは、受傷した年に完成、そしてアジア大会開催。私は、アジア大会をつなぐ聖火ランナーとして走らせていただくことになり、楽しみにしていたのでした。
アンツーカーの上を走れるかどうか緊張します。ドキドキしながら、競技場へ入りました。
18年ぶりの競技場。受傷1カ月前に走った、岡山山陽女子ロードハーフ以来です。自己ベスト更新で大阪国際女子マラソン出場記録達成、あの時のことが懐かしく思い出されます…。
練習されている皆さんの姿、元気が出る!時々大きく深呼吸して、しばらく眺めていました。しかし、400Mのトラック、広いよなあ~。あの頃は、広いなんて思わなかった。大好きだった5000M、12週と200M。今から思えば、よく走ってたもんだあ。
「漕げなかったらどうしよう。」と怖さがじゃまをして、なかなか動けません。
練習時間も残り少なくなり、恐る恐るトラックの上で漕いでみる。「動いた!漕げる!」感動の瞬間でした。
18年ぶりにスタートラインへ立つ。

大きく息を吸い込み、スタート!

今日はとにかく100Mが目標。ゆっくりゆっくり進んで行く、まるで這うようなかたつむりです(笑)

マラソンシューズで走ると、あんなに気持ちよかったアンツーカークッションが、こんなに重たく感じるなんて…。
走り(漕ぎ)ながら、いろんなことを思い出していました。大林さんとの出会い。入院中、リハビリの後も廊下を漕ぐ練習をしたこと。その時、いつも横で励ましてくれた、入院中の車椅子のおじさんのこと。しんどいリハビリの後、出来るようになったことが増えた喜び…。
気が付くと、日は沈み…

約100M、30分で完走。走った(漕いだ)道のりを振り返ってみました。すご~い!こんなに走った(漕いだ)んだあ。

思わず自分で自分をほめてしまいました。今度は、400Mトラック1周を完走したい!力と体力を付けないとね。頑張るぞー!
夢が叶った記念すべき日。誘って下さった大林さん、ありがとうございました。付き合ってくれたhideさん、さんきゅ!
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます