旅の途中で

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最近読んだ本

2010年08月18日 23時02分53秒 | 
 小暮写真館 宮部みゆき著

古い商店街にある写真館に引っ越してきた、主人公の少年とその家族、少年をとりまく友人達の物語です。

平凡でどこか冷めている少年の元に「心霊写真」が持ち込まれ、その謎を解いていきながら、色んな人生と出会って成長していく・・・という内容なんですが・・・

最初のうちはとにかく怖い!です

心霊写真の描写が怖くて怖くて、昼間に人の多いカフェに出かけて読んだりしていました(笑)

私みたいな怖がりさんでも、読み進めるうちに怖さはなくなるので(慣れ?)、頑張って読んでみて下さい。
宮部さんらしい、人々に優しい目線を向けた物語です。
読み終わった後にほっこりできます。

主人公の少年を取り巻く家族や友人達が個性的で、少年がより平凡になりがちですが(笑)それだけに少年に対する思い入れも強くなります。


 カデナ 池澤夏樹著

これ、すっごいおもしろかったです~

カデナとは、沖縄の嘉手納基地のことです。
ベトナム戦争末期の沖縄を舞台にして、ベトナムの人々をアメリカの攻撃から守るために、アメリカ空軍を相手にスパイ行為を行う人々の事を描いています。

人々といっても、スパイ組織はたったの4人。
しかも別に特殊な訓練を受けた人達じゃなく、模型屋を営む老人やドラマーの青年、基地内で働く女性、そしてベトナム人の老人です。

巨大なアメリカ空軍を相手にしながら、4人とも悲壮感がなく、それぞれの生活を送りながら「片手間に」スパイ行為を続けているような身軽さがあります(もちろん捕まったら大変なんですが)。

そんな彼らの活躍が爽快で、誰かを助けたいと思った時には、こんな風に飄々と動けたら理想的だと思いました。

第二次大戦中の沖縄やサイパンで行われた残虐な行為や、ベトナムに爆弾を落としに行くアメリカ兵の心の病も取り上げていて、すごく考えさせられる内容でした。
そして改めて、沖縄は特別な歴史を歩んだ土地なんだと感じます・・・

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今は、同じく池澤夏樹さんの「パレオマニア」を読んでいます。
西洋史好きの私には楽しい内容です