旅の途中で

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最近読んだ本

2013年03月24日 22時47分19秒 | 
 世界でいちばん長い写真 誉田哲也 著

あのサスペンス「ストロベリーナイト」のシリーズを書いている作者です。
でもこの本はサスペンス色はゼロで、隅から隅まで青春物です。

中学校の人気者と子供の頃から親友で、いつもその後ろにいるような気弱な主人公の宏伸が、ある珍しいカメラと出会って夢中になり、少しずつ変わっていく物語です。

この主人公がほんっとにもう情けなくて!(笑)
言動もはっきりしないし、自分に自信なさすぎでオドオドしてるし、クラスメイトでしっかり者女子の三好さんじゃなくても、「しっかりしいや」と背中に渇を入れたくなるような男子なんです

まぁでもこういう子って多いですよね。
どちらかというとこういう子の方が多いんじゃないか?

大人になった私だって、いまだに自分に全然自信が持てなくてウジウジしちゃうし。
(大人になった分、言う事は言うようになってきたけど(余計な事も・笑))

その親友が転校しちゃってから、前にも増して落ち込む日々を送る宏伸。
そんな彼が、ひょんなことから360度の長~~い写真を撮影できるカメラと出会って、その撮影に夢中になり、すごい写真を撮っちゃったりしながら、少しずつ生気を取り戻していくのが気持ち良かったです。

宏伸が、一面のひまわり畑を撮影する事に成功した描写なんて、すごい感動的でした。
その長い写真が、私の目の前に広げられたような錯覚も感じました。

彼がその後、どんな風に成長していくのかわかりませんが、きっとカメラは手放さないんじゃないかな~と思います。

そうあってほしいです。