今回の「鮫」も読むのは難しかったけど いろいろ考えながら投句しました。自分ではいいなと思っていたものはすべてボツで 並になったのもなんでこれが選ばれたんだろうと不思議に思います。
でもメンバーのみなさんの作品を見ていくと 俳句の中に「鮫」らしさが読み込まれていて 「鮫」のイメージがなんとなく怖いというのが読まれているだけの私の句とは違うなあと思うようになりました
では、俳句部の皆さんの俳句を紹介させていただきます。
~人選~
一度だけ人喰う鮫と呼ばれたり 猫ミシン
猫ミシンさん、初めまして!初めましてでいきなり人選とは!素晴らしい!!
普段から温厚で怒らずにいる人ほど怒こらせたら大変なことになる・・・人喰い鮫とよばれるほど恐ろしい形相になってしまったのでしょうか・・この人を二度と怒らせてはいけません。
地球儀や網膜を裏返す鮫 ツユマメ末っ子
鮫って獲物にかみつくときに白目になる習性があるんだよね。目を守るために裏返しにするらしいけど 見ていると不気味でこわいですよね。でもそんな鮫の目のでんぐり返しを くるくる回る地球儀と感じるあたりが末っ子君のすごいところ!怖いけれど鮫も地球のなかまだもんね。
鮫ずらり高熱出した枕元 どくだみ茶
高熱が出るときって 体の奥のところからなんだかぞわぞわしてきて、悪寒が繰り返し繰り返し背骨を登っていく感じで気持ちが悪い 頭痛や節々の痛みでどんな姿勢をとっていても苦しくてしかたない。まるで枕元に冷たい海の底から上がってきた濡れた鮫たちがじっとこちらをみてるようにこれから自分がどうにかなるんじゃないかという不安にも体が震えてくる。
あの鮫の鼻っ柱はつぶらなり まこ
恐ろし気な鮫の顔・・・どうみたって恐ろしい、そんな鮫の鼻っ柱がつぶらとな!確かに ちょんちょんとついている鼻の穴はつぶらでかわいいかもしれない。思わぬ大発見が楽しい一句です。
鮫のいる海だと聞いているのに 季切少楽
鮫のいる海・・なにか不気味な様子の海なんだろうか、そして今目の前に広がっている海は あの恐ろしい鮫がいるとはおもえないような 美しく穏やかな海が広がっているのでしょうか・・・果たして作者の脳裏にはどのような海が広がっているんでしょう。読む人によってうかんでくる海の表情が違うだろうなあ・・そんな想像を広げられる幅の広い句だと思います
軽トラの荷台はみ出し鮫走る Dr.でぶ
漁港の軽トラの荷台にはあがったばかりの鮫がど~~んと置かれている。大きな鮫だ。口を開け、しっぽが荷台から飛び出している。市場に向かうために走り出した軽トラ、いっしょに 鮫も走り出しているではないか・・・市場へと向かう道を 鮫が走っていく
鮫の背はしなやかにUターン血を嗅いで 千鳥城
鮫は水中を自由に泳ぐ、機敏に優雅に泳ぐ。Uターンのときには特に背中のしなやかさを生かし実に見事に弧を描く。美しく見えるその姿は実は血の匂いに操られているのだ。今また大きな鮫が血の匂いを嗅ぎつけ、体を反転させている、獲物に向かって・・・・
今日は父の命日です。もう何年たつんだろう。50代前半で旅だった父、今の私は父よりも ずいぶん年をくってしまいました。
父が亡くなった夜 母はニシン漬けを樽から初めて上げてきました。
今夜、ニシン漬けじゃないけど 白菜づけを数日前に漬けたので 出してみました。
ちょっとまだ浅漬かりかなあ・・・
まあ、これでがまんしてくだされ・・・父上さま