版画の贋作についてのニュースが、マスコミを賑わしています。
ぼくは以前から、デパートなどで売られる「版画」などを見ていて、大丈夫なんだろうか・・・等々思っていないわけではありませんでした。特に、作家が有名な方で、また版画作品など、「贋作」もされやすいのではないかと考えると、その安すぎる価格とともに、「大丈夫なんだろうか・・・」などとつい余計な心配をしておったことは確かです。
それでも、多くの版画は、きちんとした作品で、買われた方も大いに満足されたケースがほとんどだと思います。
しかし、今回このような贋作が、有名デパートで売られていたことも事実でしょう。
何が問題だったのか、美術界やギャラリーなどの方々はしっかり検証していただきたく思います。
ぼくがちょいと心配するのは、「有名な方の作品」が、極端に安く売られていた場合に、それを疑うデパートなり、ギャラリーなどの専門家はおられなかったのだろうか、という点であります。
写真の場合は、これから、大きなチャンス、つまり「オリジナルプリント」という形で、多くの愛好家のもとに買われたり、コレクションされてゆくのではなかろうかと思っているのです。
例えばですが、ハッセルブラッド賞を取られてからの、森山大道氏の写真作品の人気はすごいものだと思います。世界の有名な美術館では、写真をコレクションしていることでしょうし、それほど知られた方々ではなくとも、私はこの写真が大好き、とか、この写真を是非部屋に飾っておきたい、いつも手元に置いて見てみたい・・・などと言うニーズは結構大きなものになっているのではないかと思われます。ぼくなら、石元奏博氏の写真が大好きで、欲しいけれど、高いんですよねえ、で、印刷物の写真集で我慢しているという塩梅です。
でも、銀プリントなどのいわゆるオリジナルプリントなどと呼ばれるものでしたなら、そんなに有名な作家のものでなければ、数万円で買えるのではないでしょうか。
今や、皆さん、パソコンなどで多くの場合眼を酷使なさっている方も多いと思われます。ブルーライトが眼に悪いといわれます。特に眠る前の1時間ほどは
ブルーライトをさけて、額に入れて壁に飾ったりした写真、もちろんしっかりと作家自身の管理のもと、銀プリントなどで焼かれたオリジナルプリントなら
40年や50年、持つといわれます。( 専門のプリンターの方がそう仰っておりました。)
そこがきっと、デジタルプリントとちょっと違うところかと思いますね。
贋作の版画、から、オリジナルプリントのことまでついここに書いておきたくなったので、書きました。
フォト・文 石郷岡まさお