今から150年ほど前アルゼンチンは大いに繁栄しており、ブエノスアイレスは南米のパリと呼ばれていた。アルゼンチンタンゴは、アルゼンチンの首都ブエノスアイレスではじまった。移民が故郷を思う切なさと哀愁がバンドネオン演奏とともに表現される。
ラ・クンパルシータ 、リベルタンゴ、アディオス・ノニーノ、ブエノスアイレスの冬、ポル・ウナ・カベーサ、シュニトケ『タンゴ』、パジャドーラ、エル・チョクロ・ . . . 本文を読む
季節の変わり目かして少し喉が痛い。ブルーラベルを嘗めながら滝三昧をしてみた。横尾忠則は滝が非常に好きで体調が悪くなりと滝巡りをしていたらしい。それは確かに実感できる。黒い岩の間を青と純白のしぶきが奔ると体の中が洗われる。
イグアスの滝は南米の山中にあり、このような樹木に囲まれている。
いつまでも眺めていたい。
滝が流れ込んでこのような湖を作る。
水清ければ魚すまずとはよ . . . 本文を読む
日本人旅行者がウマワカ渓谷で遭難の報に接し2016年9月8日の稿に追記した。
メンドーサ
朝11時にホテルをチェックアウトしスーパーへひとっ走りしてランチボックスの材料を買い上げ13時発のバスへ乗車。バリローチェからメンドーサまで1530キロ、20時間近くの長旅だ。
こんな景色がはじまる。
ところどころに切り立った岩が突き . . . 本文を読む
その1
1997年7月1日、英国のロンドンとバーミンガムのケーブル会社が運営を開始した電話サービスを見学するために出発した。利用航空会社がキャシーで香港空港にトランジットで立ち寄ったがたまたま香港返還の歴史的な一日であった。
その後に泊まったロンドンのホテルはそれ以前も以降もみたこともないインテリアで、白一色なのだった。ロビーからフロントに向かって長いボードがあり、その上に赤い炎が揺らめいてい . . . 本文を読む
2007年のアルゼンチン・プエルト・マドリンで撮ったポートレート、十年一昔、ときどき眺めなおしてみるのも悪くない、心境の変化はいかに、成長を果たしてしているのか、あるいは単に経年劣化しているだけか。
ま、反省はそれくらいにして又旅に出たいなと思う今日このごろ、秋は旅心を誘う。
青、ブルーと言ってもいくつも種類があるが、プエルト・マドリンの青はスカイブルーの見本にしたいような青で、日本ではお目に . . . 本文を読む
カラファテのニメス湖岸で見た無数の白い草花がそよ風に踊り、湖のさざ波が無垢の輝きを送る。アルゼンチンへの旅は遠くてタフだが、太古と変わらない風景を見ることができる、訪れておいてよかったと思える場所の記憶。
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滝は見ているだけで俗世の汚心を洗われる、俗世の汚心なくしてひと時も生きていけない存在だからなおさら滝の浄化がときに必要だ。
こうしてながめているとロスカンタロス滝の黒い岩は無機的で生物の存在を拒否している、滝の水もあまりに澄んで魚は全くいない、水清ければ魚棲まずのことわざは善だけではこの世が存在し得ないことのメタファかと。
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写真展で見かける樹を下から天に向けて撮った写真、360度の樹に囲まれて空が見えるこの構図、哺乳類以前の始原的な記憶を刺激する。
我が写真ストックにもそのようなものがあったと思い探してみると、数万枚の写真で一枚しか無いことがわかった、アルゼンチン・ロスカンタロスでの一枚。
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アルゼンチンのフリアス湖で一家がボート遊びをしている、それだけでも楽しそうだが、ボートから澄み切った湖面に飛び込む犬の水しぶきが幸せそうな気持ちを一層伝えてくれる。「幸せな犬」と題を付けたい。
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連日の猛暑にクーラー嫌いもついに頼らざるをえない、目からも涼をとれないものか、かつて訪れた南米の高山を眺めることにした。
高山の氷や林を歩いた感覚を猛暑でふやけた体に思い出させると、次第に涼感が体を覆い漂い始める。
写真集や映画を見るのも素晴らしい、自らの足で登り、翌日は杖をつかないと一歩も歩けないほどの苦痛に耐えて撮りためた写真を眺めるのも、ひと味もふた味も趣が異なる。
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アルゼンチンのバリ・ローチェで見かけたチョコレート屋のショーウィンドウ。
見ているだけで絵本の世界に入っていけそうな店構えだ。
チョコレートの泉が上から次々と流れでて下に落ち、そして又循環して上から落ちる。
思わず指を差し入れて舐めてみたい衝動にかられる。
日本でもみかけるがこれほど大きくて、色艶がよくて、流動感があり、この街のファンタジックな色調に合っているものは無い。
家族思いの心優 . . . 本文を読む
犬を飼ったことがある人には、犬は嫉妬心が強いことを知っている。猫はそれほどでもなさそうだ。
子供のときに飼っていた小柄な雄犬が大柄な犬に猛然と飛びかかっていった光景が忘れられない。
大柄な犬の頭を撫ぜただけなのに優に2倍以上はある犬に、死に物狂いで襲いかかった。
ニメス湖岸を散歩していると大柄な犬が2匹近づいてきた。茶と黒の2匹だ。
2匹はどこまでもおと . . . 本文を読む
アルゼンチンのペリト・モレノ氷河は過去約200年の間、後退も前進もほとんどしていない極めて特異なケースとして知られている。後退しないペリト・モレノ氷河と、すぐ近くにあって同じように条件の良い源流域を持つのにもかかわらず他の氷河同様に後退するビエドマ氷河の違いは明快ではない。
ある日、過去約200年の間氷河の増減が無いということを聞きつけた日本の実業家が企業の長期存続の参考にしよう . . . 本文を読む
ニメス湖は南米アルゼンチンの南端カラファテにある湖で、朝6時にこの湖をホテルの部屋から見ると夜明け直後でほの暗いそらに茜色の雲がうっすらとかかり、覚醒前の湖はさざなみさえ見えず、手前の街はまだ熟睡している。
見とれているうちに荘厳なシンフォニーの序章と例えるのがふさわしい、冷涼だがすこし温かみを含んだ荘厳な色に染まっていく。どこかで見た懐かしい夜明けだ。しかしどこでみたのか思い出すことはでき . . . 本文を読む
2007年2月 ブエノス・アイレス
カナダのトロントを経由してチリのサンチャゴからアルゼンチンのブエノスアイレスに入った。24時間はかかっただろう猛烈に長い旅のあとようやくホテルのベッドの有難かったこと。日本の裏側と言われてみると太陽の輝きも日本と異なっているような錯覚を覚えた。当分の間鏡の裏側の世界に来たような妙な気分であった。ホテルは大通りに面しているが、普通の事務棟だ。入口の共通フロン . . . 本文を読む