「団塊の世代」を造語した堺屋太一さんが亡くなった。団塊の世代の言葉からふとNTTとの接続交渉の日を思い出した。過去に次のようなブログ記事を書いている。宮津元社長のスピーチで団塊の世代とNTT分割再編成論議が密接に結びついていることを知った。こんな事情は表には出せないがぽろりと出たのだろう。それだけに真実味を感じる。思えばNTT分割再編成が団塊の世代問題が顕在化した代表例ではないか。
高度成長期には貢献してその後についていけなくなった大量の人材が厄介者にされる。そうした減少を「団塊の世代」なる言葉が表している。一つの造語が時代を説明する良い例だろう。合掌。
NTTの非効率が接続料金高止まりの原因とされていた時代だ。組合員達の給与改定や子会社への移籍などの施策が次々と新聞に載った。従来では絶対に合意できないと突っぱねていた事柄も合意を余儀なくされる、厳しい立場の委員長ではなかったかと勝手な推測に思いをめぐらせた。
こんな推測をめぐらせたのも、前NTT社長宮津氏のスピーチでの記憶があるからだ。郵政省関連団体が主催する「宮津社長を招いての懇談会」風のパーティーだった。
これはシリーズで通信業界のときの話題の社長を迎えて、軽い立食パーティーと気楽なスピーチを拝聴する催しだ。5時30分ごろに始まった会で宮津さんのスピーチが始まる。ざっくばらんなべらんめー調といったらよいのだろうか、そんな語り口で、経営の苦労話をした。
NTTは今大変苦しい。今後4,5年が特にくるしい。団塊の世代を大量に抱えているからだ。と正直に余剰人員を抱えていることを認める。